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星屑の機巧技師(せいせつのきこうぎし)  作者: リンネ カエル/霖廻 蛙
第二章ー彷宵徨要塞〜あの日の覚悟と鳳凰の願い〜ー
160/260

欠片158.『棟梁マグネスト』

欠片(ピース)158.『棟梁(とうりょう) マグネスト』です!


※本作の「」と間にあるーーーの種類について説明

[]=人物名と年齢、種族、テキスト

「」=人物の話しているセリフ

『』=人外、多種族などのセリフ、複数人のセリフ、名称

()=人物の心のセリフ

《》=人外、多種族などの心のセリフ

{}=人物の念話

{{ }}=他種族の念話

【】=漫画で例えると四角い囲みのナレーション語り、用語説明

・・=強調

" "=強調、効果音など

ー1本=漫画の場面転換、幕間

➖ー➖1本=過去回想に入る終わる・過去の時間軸

ー2本=漫画で例えた時の流れ



【地下洞窟 アストラサイドの入り口から14Km地点】



カァン!カァァン!


と、金属音が鳴り響く通路の端で、設備点検をしているドワーフが立っていた。

彼の身なりは、身長85cmくらいの大きさをしており、白のシャツにオレンジ色のオーバーオール着て、茶色の革靴を履いていた。

そして、赤茶色のオールバックの髪の毛と三つ編みの長いヒゲが伸びており、筋肉質のしっかりとしたガタイのドワーフだった。



そのドワーフは洞窟に手の平を当てながら独り言を呟いていた。



『フゥー。この洞窟もなげぇからなぁ〜』

『だが、まだまだ頑張ってもらわにゃあなぁ〜。フンッ。』


磁界(ジカイ)鉄人工房(テツジンコウボウ) 棟梁(とうりょう)[マグネスト(35)]

          [種族:ドワーフ]



『オイショー!よっと!ほらせっー!』



カァァン!カァァン!



と、再びツルハシを振り下ろしていた時だった。



『パーパー!』


と、少女の声が洞窟内に響いた。



『!!』

『ネグッ!!なんでこねぇな所におんだ!』



『もうすぐおひるだから……マーマのごはんたべようって…。』

『よびにきたの。』



『ハァ……全く。この坑道(こうどう)が安全とはいえ、一人で来させるとは……あとでトマには言っとかにゃあのぉ…。』


ポリポリ。


と、頭を人差し指でかきながら、困った顔をしていた。



ドスッ……ドス……。



『ん?なんだ?』


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


【サーチサイド】



アストラよりも先行して走っていたサーチが見た光景は、二つ目の補給所の無惨な光景だった。



「……ここもダメか…クソッ!!」


血まみれで倒れている炭鉱作業員を見ながら、悔しそうにサーチは歯を食いしばっていた。

そして、その様子をアストラは静かに見つめていた。



「……。」

(すでに、二箇所の補給所の人たちが犠牲に…)

(サーチのやつ、頭に血が上ってなければいいが。)


「先を急ぐぞ。」



「ああッ……!!」



ダダッ…!!



惜しむ時間もなく、2人はそのまま通路を走って行った。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



ドス……ドス…



『ん?なんだ?』


20m先から大きな足音が聞こえてくる方向を、マグネストは見つめていた。

ゆっくりと迫ってくる足音と共に、灯りと暗闇が交互に差し掛かるその姿を見て、大きな怒鳴り声を上げた。



『ネグッーー!!』

『工房へ走れェッ!!!』



『みんなに伝えろッ!!機屑物(ガーベマジル)が出たって!!』




"ビクッ"



『…えっ?あっ…あ…。』


その普段は聞くこともない父親の声と目の前の怪物に驚いたネグは、パニックになり足がすくんで動けなくなっていた。



『キュイキュキュイッーー……』


顔を斜めに傾げながら、ニタリと牙を剥き出した。



バッーー!!!


と、その瞬間、その黒い大きな生物はネグへと襲い掛かろうと飛びかかっていた。



『ッ!!なぁろッ!!!』

《クソッ!飛べんのかァッ…!!間に合わねェ…!!》



『ネグゥゥゥッーー!!!』



手を伸ばして庇おうとしたが黒い生物の方が速く、ギリギリで間に合わない所だったその時



バッ!!



"バギィッ"ーー!!



『ギィィィッ!!』


と、黒い生物の顔が蹴り飛ばされた。




「今度は間に合ったな。」


後ろに手をついてこけているネグの目の前には、アストラが立っていた。



「サーチ、ソイツは……」



「どうでもいい!さっさと終わらせてやるッ!」



「暗雲の道を照らし出せーー」


「『舞妓劇(まいこげき)曲線蘭舞(きょくせんらんぶ)』!!!」




キキンッーーー!!!




と、黒い生物は何片かに切り刻まれて崩れていった。



ドシャシャーー……!!ボトボト…ト……。



《な、なんだあの小僧…!!あんなデケェ機屑物(ガーベマジル)に臆することなく……立ち向かいやがった…!!》

《しかも、一瞬で倒しちまうとはな…、、》




「おーいっ!無事かー?」



『あ、ああ。助かったぜぃ。アンタらは?』



「オレはサーチ!そしてアストラだ!」


と、サーチは奥にいるアストラの方に目線を向けてマグネストに答えた。


「この子も怖がってはいるが、無事だ」



『ネグッー!!』『パーパッ!!』


バッ!と、2人は抱き合っていた。



その様子を見ながら、アストラはサーチに声をかけていた。



「コイツは『飛鼠飛鼠(ヒソヒソ)』だ。洞窟などの暗闇にいる機屑物(ガーベマジル)だ。」



「図鑑で見たことある!「コウモリ」ってヤツにそっくりだ!羽があって目が悪いって書いてあったけど、その子のこと見えてたのかな?」



「さぁな、滅多に会わんからワタシにも分からん」



「にしても、デカかったな〜……見た目も怖いし…。口周りとか血まみれで……」

「もう少し早く着いてたら、あの人達も救えてたのかな。」



「………。」

「そうだな。」



と、浮かばない顔をしていた2人の元へ、マグネストとネグが寄って来ていた。



『おっと、すまねぇ。助けてくれてありがとな!』

『サーチ、とアストラだったな。』



「ヘヘッ!いいって!無事でよかったよ!」


「気にするな。」



『恩にきるぜェ。』

『そうだ!これからメシなんだ、良かったらウチに案内するぜ!あと、このことを工房のヤツらにも伝えねェといけねェしな!!』



「おお〜〜!ホントかー!!ありがとうー!」



『おにぃちゃん!おねぇちゃん!助けてくれてありがとう!』




「ああ。」


「ヘヘヘッ!いいって!」


と、2人は微笑みながら答えた後、工房に向かう親子の後を着いて行った。



最後まで読んでいただき、ありがとうございます!



[今回の一言♩]

治療した隣の歯が痛い…。歯医者行かなきゃ。

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