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星屑の機巧技師(せいせつのきこうぎし)  作者: リンネ カエル/霖廻 蛙
第一章─極子水星要塞〜演劇の始まり〜─
16/330

欠片16.『鉄大猩久屑』


欠片《ピース》16.『鉄大猩久屑《アイアンゴリラ》』です!




サーチとテツゴウが意気投合した所に、アストラがサーチに声をかけた。


「サーチ。これからオマエはどうする?」

「ここで見学すると言っていたが。」



「んー……鉄大猩久屑《アイアンゴリラ》の退治《たいじ》も見てみたいけど」

「オレは工房の作業の方が見てみたい!」



「そうか、分かった。」

「ではまた後で合流しよう」



「うん!気をつけてな師匠!」



「フッ。ワタシを誰だと思っている」

「心配するな」


そう答えると、アストラは西門の方へ歩いて行った。



─────────────────────────



【PM2:00〜 アストラサイド】




「さて、痕跡を辿《たど》ろうか」


西門があった外壁の外へと出たアストラは周りを見渡した。



「フム」


(西側と南西の方向の木が倒れているな)

(地面にある足跡もデカい)


「これならすぐに見つかりそうだな」



─────────────────────────



【PM2:04〜 サーチサイド】



『いいか、まず鉄を溶かすのには1500℃以上の熱が必要だ』

『これは知ってるか?』



「うん!故郷の機巧技師に教えてもらったから!」



『そうか、そいでだ』

『サーチよぅ。オメェさんは機屑物《ヤツ》らの外殻や装甲の溶ける温度は知ってるか?』



「オレが故郷でやってた時は、鉄の二倍の温度くらいでやってた気がする!!」



『正確には分かんねぇってことか』

『まあ、造るときは感覚も大事だ。仕方ねぇ』


『自然と分かるヤツァいるもんだ』



『それに優秀な師がいたとみえる。』



「ヘヘヘッ」


ツベチカのことを褒められて、思わず嬉しくてにやけるサーチ。



『でだ、実際は『甲鎧型《こうがいがた》』以外の外殻は2600℃くらいで溶ける。だが『甲鎧型』の装甲はもっとかてぇ…だいたい3200℃以上はする。』


『が………だ!『純資源型《じゅんしげんがた》』や『資源型《しげんがた》』の鉱物の中にはもっとかてぇもんがある。』



『それは──』



─────────────────────────



【PM2:24〜  アストラサイド】



アストラは森の中を進んでいた。



"ドゴォォン"!!!


"バキバキ"………ズズゥン…!




「近いな。この音の数……」

「何かと交戦中か」



『ウガァァアアア!!!』

『キシャアァァァァァ!!!』



2匹分の鳴き声が聞こえてきた方向へ進み、少し遠方の木の上に止まって様子を見るアストラ。



「あれは」

「菱苦土屑蛇《ハウライトスネーク》か」



(普通なら菱苦土屑蛇《ハウライトスネーク》が捕食する側だが……)

(それは小型の草果大猩久《ソウカタイショウショウ》の場合だ。)



(しかし、あの大きさの鉄大猩久屑《アイアンゴリラ》となると──)



「拮抗《きっこう》してるな」


その時。木の上から見ていたアストラが何かに気づいた。



「──ッ!……アレは!!」



─────────────────────────



【PM2:05〜 サーチサイド】



『これが『純資源型《じゅんしげんがた》』の『ミスリル』の欠片だ。』



「コレって……確か歴史本『リングストーリー』に載ってた伝説の鉱石のひとつじゃんか!!!スゲェー!!!」



『ほぅ。あの本を読んだことあんのか!』

『オメェさん、なかなかのマニアだな、ヒヒッ!!』



「実物なんて見れねぇと思ってたけど、ほんとに存在してたんだ……!!」



『まあ、欠片だがな』

『ほんの"五グラム"しかねぇ』



『それでもコイツの価値ァ…とんでもねぇもんさ』



『いくらしたと思う?ヒヒッ!』


テツゴウは『"ニヤリ"』と笑いながらサーチを見つめていた。



─────────────────────────



【PM2:25 〜 アストラサイド】

 


アストラは『菱苦土屑蛇《ハウライトスネーク》』と『鉄大猩久屑《アイアンゴリラ》』の近くの木の影に、幼い少女が隠れているのに気づいた。



「マズいッ…!!」



"バッ"──!!



勢いよく少女の前に飛び出すアストラ。

そのタイミングで、『鉄大猩久屑《アイアンゴリラ》』によって投げ飛ばされた『菱苦土屑蛇《ハウライトスネーク》』が少女がいる場所めがけて飛んできていた。



スチャ──。



「『龍屑《リュウセツ》・孔《ポア》』。」



──"ビュッン"!!!"シュパパパパッ"!!!



その瞬間──少女の目の前で、大きな大蛇の体がバラバラになり崩れ落ちていった。



「きゃあぁぁ〜〜!!」



「無事か?」


その場に膝《ひざ》から崩れ落ちていた少女は、恐怖で涙を流し震えていた。

しかし、アストラからの問いかけになんとか頷《うなず》いていた。



「そのままそこにいてくれ」


「ヤツはワタシが何とかする」



その言葉に、少女は再び頷いた。



─────────────────────────



【PM2:07〜  サーチサイド】



「んん〜〜〜……100万シリカ!!」


『残念!!ヒヒッ…なんと──』




『1000万シリカだ!!!』



「うへぇぇぇええ〜〜〜!!!タッケェ……!!」



『オレの貯金がすっからかんになっちまったけどな ヒヒヒッ』

『けど、コイツで破片ノ武器(ウェード)を造ってみたかったんだ。』



「ワクワクするな!おっちゃん!!」

「どんな破片ノ武器(ウェード)を造りたいんだ?」



『……。』


サーチを見つめてしばらく黙ったままのテツゴウだったが、ようやく開いた口から出た言葉は衝撃的なものだった。



『サーチ。コイツでオメェの破片ノ武器(ウェード)を造らせてくれねぇか』



「え?」



最後まで読んでいただき、ありがとうございます!


─裏メモ。─


『猿人似屑(エープ』の由来


類人猿 エイプ


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