欠片157.『洞窟の異変』
欠片157.『洞窟の異変』です!
※本作の「」と間にあるーーーの種類について説明
[]=人物名と年齢、種族、テキスト
「」=人物の話しているセリフ
『』=人外、多種族などのセリフ、複数人のセリフ、名称
()=人物の心のセリフ
《》=人外、多種族などの心のセリフ
{}=人物の念話
{{ }}=他種族の念話
【】=漫画で例えると四角い囲みのナレーション語り、用語説明
・・=強調
" "=強調、効果音など
ー1本=漫画の場面転換、幕間
➖ー➖1本=過去回想に入る終わる・過去の時間軸
ー2本=漫画で例えた時の流れ
【祈祷要塞から南東に21Km】
(進行21Km 残り15Km)
サーチとアストラは、山道を歩いていた。
「うおぉ〜〜!!山ばっかだ〜〜!!」
「ここからずっと山しかないの?」
「そうだ」
「だが、ここからは地下洞窟を通っていく」
「地下洞窟?」
「ああ、直線距離で十五Kmほどある地下洞窟の通路を通る」
「あまりにも流通が不便なのと、機屑物の脅威から守るために作られた道だ」
「なるほどね!」
「その入り口はどこにあるの?」
「もうしばらく歩けば二手に別れる道が出てくる。そこを左に曲がると下り道となっていてな」
「そこを進んでいると、洞窟が見えてくるハズだ」
「ただ、通路の補給所までは5Km間隔だ」
「今日中に進むぞ」
「おっす!」
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【地下洞窟 アストラサイドから3Km地点】
ピチャ……ポチャ…
バサバサッ…!!ガシッ……。
と、灯りがない箇所の薄暗い洞窟の中で、天井に張り付く黒い大きな生物がいた。
「ヒィィィィッ!!く、来るなァ!!」
「なんで!急に!!門兵はどうしたんだよッ!!!」
『キチチチチッ……!!』
バッ!!
「ギャァァァァァア!!!」
ブチュッ……。
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ザッ、ザッ
山道を下って来た2人は洞窟の入り口に差し掛かろうとしていた。
すると、2人は何かに気づく。
「!!!」
「なんだよこれッ!!」
「おい!大丈夫か!」
洞窟の入り口には、ケガを負った1人の門兵がおりサーチはそばに駆け寄った。
「……うぅ…誰でも…いい…。中に……機屑物が……」
ガクッ…。
と、言葉を残した後に門兵は息絶えてしまった。
「師匠!!」
「ああ、先を急ぐぞ」
と、2人は走り出した。
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【地下洞窟 3Km地点】
(思ってたより広い洞窟なんだな)
(手腕金剛屑熊が余裕で入りそうなくらいだ)
辺りを見渡しながらサーチ達が通路を走っていると、血まみれになった通路の光景が目の前に現れた。
「うっ……。」
サーチがその場の光景を目にして、吐き気を催す中、アストラは冷静に呟いた。
「遅かったか。」
「先を急ぐぞ」
と、再び二人は走り出した。
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【地下洞窟の先 磁界の鉄人工房】
大きな地下洞窟空間の中には多くのドワーフ族やヒト族が住み込みで働いており、居住区も存在していた。
高さ50mの空間の中に、岩の側面に沿って家や倉庫が建築されており、鉱石の山が辺りに箱詰めにされて置かれていた。
その洞窟付近の家に住むドワーフの親子が会話をしていた。
『ねぇ、マンマー!』
『パーパをむかえにいってくるー!』
磁界の鉄人工房 棟梁マグネストの娘
[ネグ(6)]
[種族:ドワーフ]
『気をつけていきんさいねー?ちゃんと発光苔は持ったー?』
磁界の鉄人工房 棟梁マグネストの妻
[トマ(34)]
[種族:ドワーフ]
『うんー!!いってきまーす!』
と、小さな薄茶のポーチを肩にかけ、2本の小さなツルツルな角が生えたヘルメットを被った少女は、洞窟の中へと入って行った。
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【地下洞窟 アストラサイドの入り口から12Km地点】
カァン!カァァン!
ドス……ドスッ……
洞窟内に響くツルハシの音の中を、灯りと灯りの間の暗闇から大きな影が歩いて来ていた。
『キュルルルルッ…!!』
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
[今回の一言♩]
や、ヤバい!また小エピソードが長くなりそうな予感……




