表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
星屑の機巧技師(せいせつのきこうぎし)  作者: リンネ カエル/霖廻 蛙
第一章ー極子水星要塞〜演劇の始まり〜ー
156/266

欠片154.『世界の情勢ー③』



全員を挑発するマモンだったが、話を戻していた。



『とりあえず、取ってきた魔核は解析をお願いしようと思ってます。』

『後で、この魔核はアナライズに渡しておきますね。』



『良いだろう。』


ルシフフェルが了承し、話を続けた。



『金星は今、『真紅(クリムゾン)(シエル)』と共にいるだろう。』

『ラース、オマエは待機だ。』



『……あの程度なら二人いてもやれる。』

『それでも待機?』



『念の為だ。ヤツらの力を侮るな。』



『そう。』



『アウスラスト。地球をやれ。オマエの能力なら、ヤツらを有効活用できるだろう。』



『分かったわ。』



『他の者は状況に応じて動け。』

『今回の件は、アナライズの解析結果が出たらまた知らせる。』


『今日のところは解散でいいが、マモン。お前は残れ。』



『?』

『分かりました。』


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


バタンッ。


ルシフフェルとマモン以外が出ていった後に、ルシフフェルはマモンに質問していた。



『お前は何が目的だ?』



『………』

『どうしてそんなことを聞くんです?』



『先代魔王様が誕生される前から、ココにいるのに、何故魔王にならなかった。』

『オマエなら、簡単になれたハズだ。』



『………。』


『興味がないんですよ。』

『……ルシファーさんは、ゾウとアリはどっちが好きですか?』



『?』



『例え話ですよ。どちらが好みですか?』



『………。』

『ゾウだ。絶対的な力を持ち、何モノにも負けないだろう』



『ボクはアリです。』

『彼らは組織的な行動もするし、働きアリが小さな体で、あちこち動き回るんです。』


『一匹ではなんの力も持たない彼らでも、集まれば自身の何倍もの大きさの獲物を捕食する。』



『それは、ある日を境に……天界にいた頃に見ていた景色となんら変わらなくなった。』

『この世界のヒト族は、力を持たなかったのに……ある日突然。力を持ち始めたんですよ。』


『そして、世界に(あらが)おうとした。』



『まるで、地を()い続ける無数のアリのように。フフッ。』




『………』


静かにマモンの話を聞くルシフフェルに、マモンは続けて話す。



『その起源を、ヒト族の行動に興味を持ち始めたんです。』

『だから下界へ降り、観察することにしたんです。』



『まあ、先先代には恩もありますからね。』

『アナタ方に協力しながら、ボクは知りたいことを探し求めているんですよ。』



『ボクはヒトが好きですからね。まあ、"ヒトの行動"そのものが。ですけど。』



『そんなモノの為に、王の座に就かなかったと?』



『そんなモノ……か。』

『そうですよ。ボクの探究心を満たすモノは他に無い。』


『ノルマは果たしますが、それ以外の邪魔をするなら、魔族だって滅ぼしたって構わないんですよ?フフッ♩』



『リーダーである貴方に今は従ってますが……皆さんの命を握っていることは、忘れずに。』

『魔王様であっても、邪魔になればボクは殺します。』


『では、そろそろ失礼しますね♩』



『マモン。』



『?』



『何故本当のことを話した。』

『オマエはいつも何かを隠しているだろう?』


『私がこのことを魔王様や幹部に話したらどうする。』




『面白いことを聞きますね。』


『貴方は話さない。いや、話せない。』

『あの連中を、普段からまとめてる後輩へ。ボクからのご褒美ですよ♩アハハッ♩』




『…………そうか。』

《道化め…。相変わらず食えないヤツだ。》



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


【ルインルーナ王国跡地より北に3288km】



【大要塞 海底要塞(シーベットフォートレス)


【ー深海底(しんかいてい) 龍宮廷(りゅうぐうてい)



『ネプチューン様。此度(こたび)の件は、如何(いかが)されましょう?』


女公爵(じょこうしゃく)[ブルー・マリン(38)]

   [種族:人魚(マーメイド)




『……メリウス・マーキュリ。また彼奴(あやつ)か。』

『毎度毎度……厄介ごとを持ち込んでくる。』


八天星(はちてんせい) 海王星(かいおうせい)】[ネプトゥス・ネプチューン(48)]

        [種族:海龍]



『どういうことでしょう?』



『あの場所は奴が作った場所だ。』

『それをどうしようと、気にも止めてはいなかろう。』



『作った……?一番小さな大要塞だとしても、あの規模をメリウス様が作ったというのです!?』



『ああ、そうだ。昔のことだ。』



『……。』


ゴクッ。


《昔って、大要塞は、800年以上前からあるハズなのに……どう言うことなんですの…?》



『時代の流れとは早いモノだな。』

『どうなるのかは見届ける必要がありそうだ。』



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


【天界 世界の管理空間】



広い白色の空間の中に、大きな水鏡が地面に置いてあり、その端に3人の白い大きな翼を生やした女性たちが座って会話をしていた。



神界(しんかい)からの伝言はなにかあったの?』


三大天使 神の守護者[ミカエラ]

          [種族:大天使]


と、ピンク髪のショートカットで吊り目をした、長槍を担いでいる天使が質問した。



『いいえ、今回は何も。まだ動く時では無いみたい。』


三大天使 神の伝達者[ガブリエラ]

          [種族:大天使]



その受け答えをしたのは、白いユリの花の髪飾りをつけている淡い緑色の髪の毛をした長髪の天使だった。

冷徹な目をしながらも、怖い顔つきではない顔立ちだった。



『じゃあ、今回もワタシ達の出番なしぃ〜〜!?』

『もぉ〜〜!!いい加減戦いたいんだけど〜!!』


『神界のお偉いさんどもは何やってんだか!!』



『こらこらぁ〜〜、そんなこと言ってたら、また怒られちゃいますよぉ〜?』


三大天使 神の癒手[ラファエラ]

         [種族:大天使]



ミカエラを優しく叱るように、水色の髪でウェーブがかった長髪をした目を閉じている天使が答えた。

その天使の手には水瓶を持っていた。



『だいたいさぁ〜!!何でこんなに放置してるわけ!?』

『さっさと、あの"異分子"を始末してやれば良いじゃなぁい!!』


『そうすれば天対魔(てんたいま)戦争だって、どちらか決着がつくのにさぁ!』



『そんな簡単なモノでは無いのです。ミカエラ。』

『ワタクシ達天使でも、戦いに参加はしてはなりません。』


『下界の者に任せるしか無いのです。』



三位(さんい)達は何を(しぶ)ってんの!?』

『ラファも何とか言いなさいよ!』



『アタシわぁ〜、どっちでもいいかなぁ〜。ケガしてるヒトがいないほうがいいし〜。』

『どっちかというとぉ〜平和であってほしいけどねぇ〜。』



『どちらにせよ、ミカエラ。ワタクシ達の出番はありません。今は干渉をしてはならないと三位から言われております。』

『聖女には、いずれまた信託をすることにはなるでしょうが。』


『今はまだ、行末(ゆくすえ)を見守りしましょう。』



『もぉ〜〜分かったよ〜。』

『裏切り者もまだやれてないし、三位の考えは分かんないわ〜〜。』


と、ミカエラは不満を言いながらも下界を観察していた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


【神界 〇〇】


暗い空間の中で、3名の人物が会話をしていた。



『全く、異分子のやる事は昔から見ておるが……』

『犠牲が多すぎる。』



『だが、ヤツのおかげで、牽制にもなっているのは事実だろう。』



『ソレが魔族にだけなら問題なかった。だが、そうではない。』




『"特異点"が生まれた可能性はあるのか?』




『おそらくな。』

『でないと、真核(しんかく)の一部を魔族に渡すとは思えん。』



『……フゥム…。』

『ヤハヴェ様の神物(しんぶつ)を……再現するというのか。』



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ