欠片147.『"覚醒"』
欠片147.『"覚醒"』です!
※本作の「」と間にあるーーーの種類について説明
[]=人物名と年齢、種族、テキスト
「」=人物の話しているセリフ
『』=人外、多種族などのセリフ、複数人のセリフ、名称
()=人物の心のセリフ
《》=人外、多種族などの心のセリフ
{}=人物の念話
{{ }}=他種族の念話
【】=漫画で例えると四角い囲みのナレーション語り、用語説明
・・=強調
" "=強調、効果音など
ー1本=漫画の場面転換、幕間
➖ー➖1本=過去回想に入る終わる・過去の時間軸
ー2本=漫画で例えた時の流れ
「あ、あぁ……ぅっ。うぇ…ぁ。」
(なんだ、コレ……)
ードクンッ。ーードクンッ。
(なんで師匠が倒れてる?)
(オレが……なんで、なんで……)
「うぅ…。」
ジリッ…!!ズキンッ。
「う……ぅ"ぅ"………ア"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ア"ア"!!!!!』
ーーードクンッ。
『ア"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"!!!!!』
カッ!!!
と、サーチの背中が凄まじくオレンジ色に光輝いた。
そして、髪の毛は白に変わり、目の色は赤へと変化していった。
シュゥゥゥゥーーー……
ギロッ。
ピピピッ。
[個体名 エイト]
[神木の力を得ています。]
[注 戦闘能力は先ほどの10倍。]
[主の現在の戦闘能力なら破壊可能。]
[ただし、同時に魔核を破壊しなければなりません。]
[曲線乱舞の使用を推奨。]
[現在の主なら同時破壊可能です。]
『フゥー…。フゥー……。』
『そんなことはどうでもいい。』
『今はただ…アイツをぶち殺したいッ!!!』
『グチャグチャに……したいんだ。』
『……アイツは痛みを感じるのか?』
[解。□□□□の人造人間でありますので、痛みは感じます。しかし、オンオフの切り替えが可能なハズです。]
[現在はオンになってます。]
『痛みを感じなくできるのに、そうしてないのか。』
[人間の真似をしていると推測。]
『……何が人間の真似だ…。』
『アイツさえいなければ……!!』
ギリリッ。
唇を噛むサーチは、歯を食いしばった。
そして、持っていた破片ノ武器を背負ったサーチは、エイトの前まで歩いていった。
『その姿が……』
エイトはサーチを見るなり、先の言葉が出なくなっていた。
『……オマエらはなんで人を平気で傷つけれるんだ?』
『オマエらが殺した人たちには、少なからず誰かが帰りを待っていた人たちばかりだ。』
『何で命を奪う?』
サーチは拳を握りながら、エイトに問う。
『そうか。』
『……キミが特別なのは分かった。』
『メリウス様はボクより…キミを選んだというのか。』
『本来の目的を忘れて、こんなどうでもいいことに時間を費やす無能を……何故だ。』
『必要な犠牲のもとに、人類の未来はあるというのに。彼はそれをまるで理解していないッ!!!』
『キミは目の前のゴミを救うことしか、考えていないんだぞ!!』
ピクッ。グググッ。
ボソッ。
『………ゴミだと。』
サーチは反応するも、エイトの話を静かに聞いていた。
『何故そうなった!!』
『何故なんだ……。』
『何故彼を…』
『ゴミ共を守るだけの彼をォォォ!!』
『メリウス様ァァァァ!!!……おブッ…!!』
シュッ!
バギィ!!!
と、サーチはエイトの顔の前に跳躍し、顔面をぶっ飛ばした。
ギロッ。
『もう黙れよ。オマエ。』
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サーチがエイトの相手をしている間に、クロードは二人の容体を見ていた。
「アストラさんッ!!しっかりしてください!」
「ヴィーナスさんもご無事ですか…!!」
『…ゔぅ……なんどがな…。ヒュー。』
(いや、相当無理してる。あの損傷、アストラさんも酷いが…彼女も。)
「くっ……」
…ジジ……
{ホリー様、聞こえますか?}
…ジジジ……
{ええ。聞こえておりますわ。そちらの状況はどう?クロード。}
{かなりマズいですね。アストラさんとヴィーナスさんが重傷です。幸い、一人は私の持つ魔屑石で回復できますが……}
{…そう。急いでそちらへ向かうわ。森を抜けているから、あと数分で着くはずよ。それまで、何とかして持ち堪えて。}
{かしこまりました。}
ゴソゴソ……。
と、クロードは胸の内ポケットから、『奇跡』の魔屑石を取り出した。
(どちらに……)
『…ハァ……アダイは"い"ぃ。先にアストラを……。ヒュー。』
「しかし、その傷どう見ても……!!」
『鬼人族の生命力を…ハァ……舐めんな。』
『コイツァ、ヒト族だ……ヒュー。ア"タイより先に"。死ぬぞ…。ヒュー。』
「………。」
「分かりました。もう少しだけ耐えてください。」
「『奇跡』!!」
シュゥゥゥゥン。
と、アストラの傷は回復していった。
しかし、意識は醒めないままだった。
スッ。
と、腕の脈を測るクロード。
「脈はある。大丈夫だ。」
「よし、ヴィーナスさんも応急処置をします。」
『ア"ア"。頼む…。』
「……!」
(これは……右腕の欠損部位が焼けている。)
(出血を止めてたのか。なら……)
ビリビリッ。
と、クロードは腕の袖をちぎり、ヴィーナスの腹部に当てた。
(ホリー様が来れば、状態異常も全て治せる。本来であれば、清潔な布を使用するべきだが。非常時である今は、しかたあるまい。)
ギュッ!!
『……ッ!!グッ…。すまねェな。』
「いえ。ホリー様が来ればケガは治せますので、もう少しだけ耐えてくださいね。」
そして、クロードはサーチが先ほどまでいた場所を見つめていた。
「それまでは……サーチくんに。託しましょう。」
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
[今回の一言♩]
昨日、Xにて告知忘れてました。すみません!




