表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
星屑の機巧技師(せいせつのきこうぎし)  作者: リンネ カエル/霖廻 蛙
第一章ー極子水星要塞〜演劇の始まり〜ー
149/263

欠片147.『"覚醒"』

欠片(ピース)147.『"覚醒"』です!


※本作の「」と間にあるーーーの種類について説明

[]=人物名と年齢、種族、テキスト

「」=人物の話しているセリフ

『』=人外、多種族などのセリフ、複数人のセリフ、名称

()=人物の心のセリフ

《》=人外、多種族などの心のセリフ

{}=人物の念話

{{ }}=他種族の念話

【】=漫画で例えると四角い囲みのナレーション語り、用語説明

・・=強調

" "=強調、効果音など

ー1本=漫画の場面転換、幕間

➖ー➖1本=過去回想に入る終わる・過去の時間軸

ー2本=漫画で例えた時の流れ




「あ、あぁ……ぅっ。うぇ…ぁ。」

(なんだ、コレ……)



ードクンッ。ーードクンッ。


(なんで師匠が倒れてる?)

(オレが……なんで、なんで……)


「うぅ…。」



ジリッ…!!ズキンッ。



「う……ぅ"ぅ"………ア"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ア"ア"!!!!!』



ーーードクンッ。



『ア"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"!!!!!』


カッ!!!


と、サーチの背中が凄まじくオレンジ色に光輝いた。


そして、髪の毛は白に変わり、目の色は赤へと変化していった。


シュゥゥゥゥーーー……


ギロッ。


ピピピッ。


[個体名 エイト]

[神木の力を得ています。]


[注 戦闘能力は先ほどの10倍。]

[主の現在の戦闘能力なら破壊可能。]


[ただし、同時に魔核を破壊しなければなりません。]

[曲線乱舞の使用を推奨。]

[現在の主なら同時破壊可能です。]



『フゥー…。フゥー……。』

『そんなことはどうでもいい。』


『今はただ…アイツをぶち殺したいッ!!!』

『グチャグチャに……したいんだ。』



『……アイツは痛みを感じるのか?』


[解。□□□□の人造人間でありますので、痛みは感じます。しかし、オンオフの切り替えが可能なハズです。]

[現在はオンになってます。]



『痛みを感じなくできるのに、そうしてないのか。』



[人間の真似をしていると推測。]



『……何が人間の真似だ…。』

『アイツさえいなければ……!!』


ギリリッ。


唇を噛むサーチは、歯を食いしばった。

そして、持っていた破片(ウェ)武器(ード)を背負ったサーチは、エイトの前まで歩いていった。



『その姿が……』


エイトはサーチを見るなり、先の言葉が出なくなっていた。



『……オマエらはなんで人を平気で傷つけれるんだ?』

『オマエらが殺した人たちには、少なからず誰かが帰りを待っていた人たちばかりだ。』


『何で命を奪う?』


サーチは拳を握りながら、エイトに問う。



『そうか。』



『……キミが特別なのは分かった。』


『メリウス様はボクより…キミを選んだというのか。』

『本来の目的を忘れて、こんなどうでもいいことに時間を費やす無能を……何故だ。』


『必要な犠牲のもとに、人類の未来はあるというのに。彼はそれをまるで理解していないッ!!!』


『キミは目の前のゴミを救うことしか、考えていないんだぞ!!』



ピクッ。グググッ。


ボソッ。

『………ゴミだと。』


サーチは反応するも、エイトの話を静かに聞いていた。



『何故そうなった!!』


『何故なんだ……。』

『何故彼を…』


『ゴミ共を守るだけの彼をォォォ!!』


『メリウス様ァァァァ!!!……おブッ…!!』


シュッ!


バギィ!!!


と、サーチはエイトの顔の前に跳躍し、顔面をぶっ飛ばした。



ギロッ。


『もう黙れよ。オマエ。』



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


サーチがエイトの相手をしている間に、クロードは二人の容体を見ていた。


「アストラさんッ!!しっかりしてください!」

「ヴィーナスさんもご無事ですか…!!」


『…ゔぅ……なんどがな…。ヒュー。』



(いや、相当無理してる。あの損傷、アストラさんも酷いが…彼女も。)


「くっ……」



…ジジ……


{ホリー様、聞こえますか?}



…ジジジ……


{ええ。聞こえておりますわ。そちらの状況はどう?クロード。}



{かなりマズいですね。アストラさんとヴィーナスさんが重傷です。幸い、一人は私の持つ魔屑石(ませつせき)で回復できますが……}



{…そう。急いでそちらへ向かうわ。森を抜けているから、あと数分で着くはずよ。それまで、何とかして持ち堪えて。}



{かしこまりました。}



ゴソゴソ……。


と、クロードは胸の内ポケットから、『奇跡(キュア)』の魔屑石を取り出した。



(どちらに……)



『…ハァ……アダイは"い"ぃ。先にアストラを……。ヒュー。』


「しかし、その傷どう見ても……!!」


鬼人(オーガ)族の生命力を…ハァ……舐めんな。』

『コイツァ、ヒト族だ……ヒュー。ア"タイより先に"。死ぬぞ…。ヒュー。』



「………。」

「分かりました。もう少しだけ耐えてください。」


「『奇跡(キュア)』!!」


シュゥゥゥゥン。


と、アストラの傷は回復していった。

しかし、意識は醒めないままだった。


スッ。


と、腕の脈を測るクロード。



「脈はある。大丈夫だ。」

「よし、ヴィーナスさんも応急処置をします。」



『ア"ア"。頼む…。』



「……!」

(これは……右腕の欠損部位が焼けている。)

(出血を止めてたのか。なら……)


ビリビリッ。


と、クロードは腕の(そで)をちぎり、ヴィーナスの腹部に当てた。


(ホリー様が来れば、状態異常も全て治せる。本来であれば、清潔な布を使用するべきだが。非常時である今は、しかたあるまい。)


ギュッ!!


『……ッ!!グッ…。すまねェな。』



「いえ。ホリー様が来ればケガは治せますので、もう少しだけ耐えてくださいね。」



そして、クロードはサーチが先ほどまでいた場所を見つめていた。



「それまでは……サーチくんに。託しましょう。」



 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!


[今回の一言♩]

昨日、Xにて告知忘れてました。すみません!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ