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星屑の機巧技師(せいせつのきこうぎし)  作者: リンネ カエル/霖廻 蛙
第一章ー極子水星要塞〜演劇の始まり〜ー
148/255

欠片146.『トリガー』

欠片(ピース)146.『トリガー』です!


※本作の「」と間にあるーーーの種類について説明

[]=人物名と年齢、種族、テキスト

「」=人物の話しているセリフ

『』=人外、多種族などのセリフ、複数人のセリフ、名称

()=人物の心のセリフ

《》=人外、多種族などの心のセリフ

{}=人物の念話

{{ }}=他種族の念話

【】=漫画で例えると四角い囲みのナレーション語り、用語説明

・・=強調

" "=強調、効果音など

ー1本=漫画の場面転換、幕間

➖ー➖1本=過去回想に入る終わる・過去の時間軸

ー2本=漫画で例えた時の流れ



『『恩恵(メグミ)』』



目を瞑りながら両手を天に広げ、仁王立ちするエイトを見ているヴィーナス。


《ありャ〜何だ?木から何をしてる?》

《特段見た目は変わった様子もねェな。》


《だが、どこかあの木から……不気味な気配(オーラ)を感じやがるぜ。》



目を開いたエイトは、ヴィーナスを(にら)んだ。


『………』


ギロッ。



"ゾォァァァァアア"ーー!!!!!



と、ヴィーナスは生まれて初めての冷や汗をかいた。



『……!!!!!』

『……カハァッ!!……ハァ、ハァ……。』


《何だ今の!!?今の威圧感、一瞬息ができなかったぞ…。》



『よそ見していていいのか?』



『!!!』


バッ!!


と、後ろを振り返るも、エイトの拳がヴィーナスの腹を貫いた。



ドッーーボッ。


『フム。反応されていたか。』

『急所をそらされたな。』



バシャシャー…!!


ビチャチャ……


『…ハァ……ハァ…クソッ』

『グフッ…。』

《身体能力がさっきの比じゃねぇ…》



地面には血が飛び散り、ヴィーナスの右脇腹の一部が吹き飛んでいた。



『もう、持ちまい。大人しくラクになれ。』


バッ。


キュゥゥゥゥン。


と、手のひらから赤白い球体を作るエイト。



『グッ……!!』


吐血しながら片膝をつくヴィーナスに向けて、エイトは光線を出そうとしていた。



"パパァァン"!!!



ビチャチャ!!


と、エイトの腕に茶色い液体が付いていた。



『何だ?』

《この鼻をつくような匂いは》



「『(フレイム・)回転弾(ターンバレット)』!!!」



パパァン!!


シュルルルルッーー"ボゥゥゥ"!!!



と、サーチの放った弾丸は、炎の軌道が三つ出ており、回転しながら螺旋状に渦巻きながらエイトの腕に当たった。


その瞬間エイトの腕は勢いよく発火した。



"ボボォォォウッ"!!!



『……!!グォォォアァッ!!』

『アァァァ……熱いィィィ……!!』


『……肉体を…剥がさなくては…。』



よろめきながら悲鳴をあげるエイトを見て、ヴィーナスは見極めていた。




《今がチャンスだ……今の残りの力を全て込める。》


"ヴゥゥゥゥゥン"。


と、手に魔力を全力で注ぐ。



『…グッ……アァァァアアアア!!!』

『『灼熱放熱(グロウヒート・ディスビジョン)』ーーー!!!!!』



バッ!!



と、手を開きエイトに向かって、野球のアンダースローのように下から振りかざした。



"ボボォォォウォォォォオ"!!!!!


"ドギュゥゥゥン"



そして、赤い線の中に黄色い色をした二色のコントラストをした炎の熱線が繰り出された。


『……ハァッ…ハァッ…!!やったか……?』



「やったなぁー!!」

「ヴィーナスの姉ちゃん!スゲェ技だったな!!」



スゥゥゥゥーーー……。


と、砂煙の中に人影が立っていた。


『!!』


「マジかよッ!!」

「ん?」


「体が焦げてる……やったのか?」


そこには、白目を向いたままの黒焦げのエイトがかろうじて立っていた。

そして、ところどころ灰になった肉体が、ボロボロ。と剥がれ落ちていった。



『………カヒュッ…。』



『……ハァッーーーー。ハァッ…。』

『ハハハ……危うく、死ぬ所だった。』


グリンッ。


と、エイトの目が動き、2人を見つめた。



『火は弱くてね……。でも、もう大丈夫だ。』

『体の構築を変えた。弱点を克服したんだ!!』



『キミたちに、もうボクは倒すことはできない!!』

《そろそろか。》



『解。あと何秒だ?』

『了。四秒です。』



『フム。』



バッ!!



エイトはサーチに向けて、勢いよく拳を向けて迫った。



『……グッ…クソ!動け、ねェ……。』

『逃げろ!!チビ助ェ!!』


ここに来るまでの連日の能力の行使と、先ほどの重傷により、ヴィーナスはすでに限界が来ていた。

そして、サーチは能力を使うまもなく、自分の死を悟っていた。


「オブザー……ぁ」

(やべぇ、これ、間に合わ──)




『死ね。』


ドッーーーーー。



ポタ……ポタ…。




「くっ…!!……ん?」


手をかざして顔を覆っていたサーチが、視界にとらえたのはーーー



「…な……なんで…!!」


「ア……」

「アストラァァァア!!!!!」



腹を貫かれているアストラの背中だった。



「…ゴプッ……。遅く…なって、すま…ない…。」



ズボッ…。


《よし、これでいい。トリガーは引いた。あとは……》


エイトは腕を引き抜き、アストラはそのまま地面に倒れていった。


ドサッ。



「う……ぅぅ──」

「ア"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ア"ア"!!!!!」



ードクンッ。ーードクンッ。



最後まで読んでいただき、ありがとうございます!

 

[今回の一言♩]

ア、アストラァァァ!!!

推しが……推しがぁぁぁ!!!

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