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星屑の機巧技師(せいせつのきこうぎし)  作者: リンネ カエル/霖廻 蛙
第一章ー極子水星要塞〜演劇の始まり〜ー
145/256

欠片143.『人の世に捧げし鎮魂歌』

欠片(ピース)143.『人の世に(ささ)げし鎮魂歌(レクイエム)』です!


※本作の「」と間にあるーーーの種類について説明

[]=人物名と年齢、種族、テキスト

「」=人物の話しているセリフ

『』=人外、多種族などのセリフ、複数人のセリフ、名称

()=人物の心のセリフ

《》=人外、多種族などの心のセリフ

{}=人物の念話

{{ }}=他種族の念話

【】=漫画で例えると四角い囲みのナレーション語り、用語説明

・・=強調

" "=強調、効果音など

ー1本=漫画の場面転換、幕間

➖ー➖1本=過去回想に入る終わる・過去の時間軸

ー2本=漫画で例えた時の流れ



極子水星要塞(ミニマルフォートレス)の北東に300mの崖上(標高500m)】



「フ〜フフ、フ〜ン、フ〜〜ン♩」

「フフ、フン〜フフ、フ〜ンフ〜ン〜〜♩」


鼻歌を歌いながら、爆発する極子水星要塞(ミニマルフォートレス)を眺めるボロボロの服を着た一人の少年と、背の高い全身黒い服装でロングスカートを履いており、顔も黒い布で隠した女性が立っていた。


そして、その鼻歌はまるで、鎮魂歌(レクイエム)のように月夜が照らされる夜空に響き渡っていった。



「最大級の墓場と呼ばれる、極子水星要塞が何でそう呼ばれるか分かるかい?」


と、少年が女性に質問した。



「いえ。存じ上げません。」



「人々は最大級の火葬場によって、機屑物(ガーベマジル)残骸(ざんがい)が葬送されることで、そう名付けられたと思っている。」

「だが、実際は違うんだ。」


「176個の部屋の扉の形は、全て四角形だろう?上から眺めたとき、並んでいる光景が墓場に見えないかい?フフッ。」

「実際にそうなればいいなぁ。と思って作ったから名付けたんだ。」



「そして、いつかこうなる光景を…フフ。本当の墓場へと変わる姿が見れて、作った甲斐があったかな。」

            ・・

「無駄な死ではないんだ。まだ、ね。」



「………。」


特に反応がない女性を見て、つまらなさそうに眉と目を細める少年はそのまま話す。



「相変わらず、キミは何を考えてるか分からないね。」

「まあ、いいさ」




混沌(こんとん)の世は、まだまだ始まったばかりだからね。」

(アクシデントもあったが、全ては計画通りに。)




「………ここからが本当の始まりだよ。フフ。」




「あとはエイトに任せるとしよう。」



「彼とあのまま戦って、大丈夫なのですか?」



「改変は出来てる。『彼』は死なないよ。」



2人の背中を背景に崩壊する極子水星要塞の光景が、過ぎていった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



【極子水星要塞から南に5Km キャッシュがいる湖畔(こはん)



ドサッ…!!


と、アストラは湖畔の前にやってきていた。

その手には、黄色の魔力を放つ『魔屑石(ませつせき)』が握られていた。



「……ハァ……クソッ!!」



"ドンッ"!!


と、アストラは地面を握った拳で叩きつけた。



(救えなかった……。ヤツが言った規模が本当なら、もう。)



チャプゥン〜……。


と、湖畔の水面が波打ち、ナマズの半魚人(マーフォーク)[キャッシュ]が覗き込んでいた。



『ア"ァ"〜ア"ストラしゃぁ〜ん!!』

『こんな夜にまで、オラに会いに来てくれたんのかぁ〜〜ん?ぐふっ♡』


湖の(ヌシ)[キャッシュ(27)]

   [半魚人(マーフォーク)(モデル:ナマズ)]



「……。」



『アデ?……ど、どうしたんでしゅか?』

『ア、アストラしゃん。』



ギロッ…。


と、睨みつけたアストラは、静かに答えた。



「キャッシュ。少し黙っていろ。」



"ゾワワッ"ーーー……!!



と、キャッシュは背筋が凍った。


『……!!……ひゃ、ヒャイ…。』




「フゥー……。」

(起きてしまったことはもう戻せないんだ。今は出来ることをしろ。)


(メリウスは仕留めた……とはいかないだろう。しかし、残すはあの……)



➖ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



『ボクの名はエイト。』

『"神の使者"だ。』


メリウス・マーキュリの実験体MHM

  [エイト]

  [種族:人造人間]



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー➖



(屍人(グール)のみか。)



ぷくぷくぷくっ。


と、キャッシュが顔の半分を水につけて"あわあわ"としながら、アストラを眺めていた。

気にもしないアストラは、月を眺めながら考えていた。



(向こうの戦況はどうなっている?)



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



無丘陵連坦(コンテヒルズ)  サーチサイド】



無数に連ねる緩やかな丘に立つ人影が、1つ見え。


そして、その周囲には……ヴィーナス、サーチ、クロードの3人が倒れていた。



殲滅(せんめつ)ー完了。』



『生体反応の確認へと移行。』



ペタッ、ペタ……ペタ。


と、エイトは3人の元へと歩き出す。



{私が揺動で隙を作ります。その隙にお二人で仕留めてください。}


{おう}

{{分かった}}



ガッ…ガラガラ…。


瓦礫の崩れる音と共に、『光鱗手甲(ホワイトスケールガントレット)』を両手にはめたクロードが、両腕を重ねるように両手の平を少しだけ浮かせながら合わせ、構えながらエイトに向かって行った。



バッ!!ダダッ…!!


{お二人とも目を閉じていてください}



キュゥゥゥゥン…。


と、両手の中に光の球体が出来始めていた。



(私が攻撃したところで意味がないだろう。だから…)



(一瞬の隙を作る!!)


「『白鱗光(ライトエミッション)』!!」



エイトの目の前で両手の平を広げて光の球を放った。



ピ カッーーーーーー!!!


と、薄い黄色みのある白い光が、闇夜を照らした。



『…くっ……何だこれは…。』

《視界が見えない》


『何が起きた?解。』



{今です!!}



{{いくぞ!チビ助ェ!!}}


{おう!!}



『了。発光による視界を……ガハッ…!!』

『!!?』



研摩擦正拳(バニシングフィスト)オォォォーー!!!』



"ドギャリリリッ"!!!!!


と、背中から、ヴィーナスがエイトを殴り飛ばした。

その正面にはサーチがおり、『破片(ベネシ)武器(オッド)(セツ)』を両手で持ち、肘を上げ真っ直ぐに構えていた。


スチャ。



「暗雲の道を照らし出せーー」



「『舞妓劇(まいこげき)曲線蘭舞(きょくせんらんぶ)』」



最後まで読んでいただき、ありがとうございます!


[今回の一言♩]

そろそろ第一章がクライマックスです!

楽しんでもらえると嬉しいです!


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