欠片142.『人為的な大災害──其の三』
欠片142.『人為的な大災害──其の三』です!
※本作の「」と間にあるーーーの種類について説明
[]=人物名と年齢、種族、テキスト
「」=人物の話しているセリフ
『』=人外、多種族などのセリフ、複数人のセリフ、名称
()=人物の心のセリフ
《》=人外、多種族などの心のセリフ
{}=人物の念話
{{ }}=他種族の念話
【】=漫画で例えると四角い囲みのナレーション語り、用語説明
・・=強調
" "=強調、効果音など
ー1本=漫画の場面転換、幕間
➖ー➖1本=過去回想に入る終わる・過去の時間軸
ー2本=漫画で例えた時の流れ
『感動のお別れは終わったかしら?』
倒したハズのメリウスの声が背後から聞こえ、アストラの瞳孔が開いた。
「!!!」
バッ!
アストラが振り返ると、そこには傷が癒えているメリウスが立っていた。
「何故だ」
『………』
唇に手を当てながら少し考えるメリウス。
『それは、何故ワタシが生きているの?と言うことかしら?それとも、彼を作ったことに対して?』
「……どちらもだ。」
「だが、少し違う。」
・・・・・
「ツベチカから聞いているぞ。」
『………そう。あの老いぼれジジイめ。』
《やっぱりあの時殺しておけば…。》
『余計なことを。』
・・・
『でも、ルインルーナが堕ちたルートに彼の居区があったわよね?彼はまだ生きてるの?』
・・
「答える必要はないな。だが……何故キサマがソレを知っているんだ?」
『……フフッ。さぁ〜、どうしてかしら。』
「……まぁ、いい。」
「キサマも屍人になったのか?」
張り詰めた緊張感の中、お互い間を空けたまま動かずにいた。
ピリ…ピリ…。
『屍人ですって?あんなモノと一緒にしないでほしいわね。』
『ワタシは特別なの。アナタたちよりももっとね。ウフフッ。』
『ところで、ココでいま……何が起きてるか知ってる?』
「……?」
眉を細めたアストラは、無言のままだった。
『見せてあげるわ。付いて来なさい。』
(一体、何を企んでいる。)
アストラは怪しんでいると、モニターの元へとメリウスは歩き出した。
カツ…コツ……コッ…コッ。
施設内に響き渡るヒールの音の後に、アストラはついていった。
カタカタカタ。
『ココにはね、ずいぶん前から居るけど。少しずつ……すこーしずつ。人々の体に、"種"を播いてきていたのよ。』
カタカタ…カタカタカタ。
モニターの制御盤を操作しながら、喋り続けるメリウスの少し離れた所でアストラは見ていた。
「何を言っている?」
「キサマがココに訪れたのは、三ヶ月前に派遣された時だろう?」
『フフッ。三ヶ月でこの場所を作れるとでも?』
パッ!!
と、モニターが切り替わり、5箇所の画面が映し出されていた。
それは地上から四層までのエリアの一部を映し出しており、映像の中では、屍人となった人々が襲い掛かり、辺りの壁や床には血が飛び散っている映像が流れていた。
「なっ……!!」
「何だこれは……。」
『フフッ。苦労したのよ〜?実験台としてこの要塞を選んだんだけど、何千人ものニンゲンに…気づかれずに種を播くのは疲れたんだから。はぁ〜あ〜、いい個体がいれば成功と呼べそうだけど、今のところ感じないからダメね。』
『ソレに比べて、あの失敗作は……フフッ。何をしたのか分からないけど、上手くいってるじゃない。』
『老いぼれが生きてたら聞きたいところだったけど、アナタの反応を見ると……もう死んでそうね。』
「メリウスッ!!!オマエはどこまで…!!ギリッ。」
歯を噛み締めるほど怒りに満ちたアストラは、メリウスの心臓に孔を空けた。
「『針』!!」
ボッ。
そして、アストラは距離を取り様子を見ていた。
口から吐血するメリウスだったが、何事も無かったかのように喋り出す。
『残念だけど、この体はもう要らないの。…ウフフッ。』
《次の体は用意してあるし。》
『記念に、プレゼントして……あ・げ・る・♡』
カチ、カチ、カチ……
と、メリウスの体内から音が聞こえてきた。
(魔力が体内の一点に集中し、膨張を始めている…!!)
(まさかッ!!)
『アナタを直接殺せなかったのは残念だけれど、逃げ場はないわ。』
『この爆発の範囲は、この要塞全てを巻き込む。フフッ。さようなら、アストラ♩』
"キュィィィィィィィン"
と、メリウスの体が光だし、体がボコボコと膨らんでいった。
「クソッ!届かない……!」
(要塞は無理か…)
「すまない…。」
ゴソゴソッ。
と、アストラは魔掘屑箱の中を漁り出した。
"キィィィィィィィン"!!!
カッ!!!
"""ドガァァァァァァァァァンン"""
と、大要塞は爆発に巻き込まれて、崩壊していった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【数刻前 地上 コマースサイド】
「何としてでも、民を守れ!!」
「人ならざるモノとなった民達を……眠らせてやるんだ!」
「「オォォォォーー!!!」」
と、兵達は全力を尽くして、屍人となった人々を食い止めようとしていた。
(しかし、あまりにも数が多すぎる……)
(それに、攻撃して損傷を与えても傷は治り、首を切り落としても生き返るとは……)
(これが聞いていたとおりの屍人か。)
(核がどこにあるのか分からん以上、一人に対して複数人で対処せねばならん。)
「到底、追いつける数じゃない…。どうすればいいんだ。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「……クソッ!!このままでは全ての人々が…!!」
辺りからは、次々と叫び声や悲鳴が鳴り止まずに聞こえていていた。
「うぎゃぁぁぁぁああぁぁ!!」
「助けてぇぇぇ!!」
「痛いっ、痛いよ〜〜!!」
「ひぃやぁぁあーーー!」
「キャァーー!!!」
『ガアァゥ……ガブッ…!!』
「うわぁぁぁ!!」
と、兵達も屍人に噛みつかれていった。
カチ、カチ…
【混沌と化していく】
【大要塞 極子水星要塞は】
【その日 思いもよらぬ形で】
【聖女[ホリー]の予言は 現実となる】
カチ、カチ………
カッ!!!!!
と、扉の開いた火葬場から、闇夜を照らす月よりも明るい光が放たれた。
その光景を大要塞の地上にいるモノ全てが目にし、数秒後……ソコに存在する生物は全て居なくなった。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
[今回の一言♩]
スタレコラボきたー!!




