欠片132.『終幕の始まり』
欠片132.『終幕の始まり』です!
※本作の「」と間にあるーーーの種類について説明
[]=人物名と年齢、種族、テキスト
「」=人物の話しているセリフ
『』=人外、多種族などのセリフ、複数人のセリフ、名称
()=人物の心のセリフ
《》=人外、多種族などの心のセリフ
{}=人物の念話
{{ }}=他種族の念話
【】=漫画で例えると四角い囲みのナレーション語り、用語説明
・・=強調
" "=強調、効果音など
ー1本=漫画の場面転換、幕間
➖ー➖1本=過去回想に入る終わる・過去の時間軸
ー2本=漫画で例えた時の流れ
サアァァァァーーー………。
パサァ…………スゥ…スト。
消えゆく二人の姿を見送った後、2枚の赤く散った花びらを見つめたアストラは、その花びらと残った1枚の花弁の花を、胸の内の懐の中に入れた。
「………。」
『アァ〜……ヴアァア……』
「オマエたちに罪はない。だが、今は先を急いでいるんだ。」
「そこをどけ。」
「『針・乱反射』」
"パシュシュシュシュシュッ"!!!
と、小さな空気の弾丸が魔核を貫いた。
ドサ、ドササ……ザァァァァーーー……。
「『針・乱反射』!!」
「乱反射ッ!!!」
「……ハァ…ハァ…。ギリッ。…ハァ。」
ツーーー。と、唇を噛んでしまい、切れたところから流血していた。
(ここに来てから、あんなにも動揺したアストラさんは初めてみた。)
後ろで屍人を組み手で捌いていたクロードは、横目で見ていた。
(いつも冷静で、動きにも無駄がない彼女が…あんなにも後先考えずにエネルギーの消費をするなんて。)
(一体何が…)
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モニターの前に佇むメリウスは、あるボタンを押していた。
その瞬間、モニターには極子水星要塞の全体が映し出されており、その視点は森の中からだった。
『さて、そろそろ終幕と行きましょうかしら。……ウフフフッ。』
『この要塞もそろそろ見納めね。』
『また次の要塞が出来るまで、のんびり待つのもありかしら♩フフッ♩』
『さぁ!目覚めなさい!』
『『起動』』
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【ーー同刻 コマースサイド】
避難していた人々は、外に駆け出し
そのまま、森の中へと逃げようとしていた。
しかし、その瞬間。
『起動』
""ドクンッ""。
「がっ…あがっ……がぁぁぁああぁぁ〜〜!!!』
「うぎゃぁぁぁぁああぁぁーーー!!!』
「…アァ…痛い…助けてッ!助けてくれぇぇ!!』
「…痛いよぉ〜!!…うわぁぁあ!!!…ヴぅ…』
と、次々と体が"グジュグジュ""ボコボコ"と脈を打ち、体が変形していった。
中には、"パァァン"とそのまま弾け散って死んでいく者も居れば、顔の半分が変形したり、体の部位が欠損したり、多くの人々が異形な姿へと変形していった。
"パァァン"!!
ビチャチャッ。
と、目の前で肉片が飛び散り、顔面が真っ赤になったコマースは、目の前で起きている光景に理解が出来なかった。
「……な、一体…これは…」
ヌチャ。
と、手で頬についたモノを拭いとり、ソレを見つめるコマースの顔は、言葉も出せないような、魂が抜けた表情をしていた。
「…何が、起きているというのだ……?」
地面は埋め尽くすほどの血液で塗れ、多くの人々が倒れていた。
そして、異形な姿となったモノの目は赤くなっており、生きている人たちを襲い始めた。
「うわぁぁぁぁ〜〜!!来るなぁぁあ!!」
「きゃぁ〜〜誰か助けてぇ!!」
「うぇ〜〜ん。グスッ。ママァ〜!パパァ〜!」
老若男女問わず、その場はパニックへと陥っていた。
「こんなの……どうすれば…。」
ジッーーー。
その光景を森の木の枝にいる一匹の黒い蛇が、眺めていた。
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モニターには踊り狂う人々の惨劇が映し出されていた。
その光景を3人は眺めていた。
『アハッ♩すっご〜い!!真っ赤で美しいわねぇ〜。』
『そう思わない?ダフネス。エイト。』
「……ハハッ…ええ、、これが始まりなんですね!!」
『………。』
『はい。メリウス様。』
『あら、やっと喋ったわね。いい?アナタの劣化が彼らなのよ。』
『元々子どもだけでも良かったのだけれど、ちょっ〜と面白そうだったから、大人たちにも試してみたの♩フフッ♩』
『まあ、出来は悪くても、多少は何かの役に立ってくれればマシな程度だけれどね〜』
『これは……意味があるのですか?』
と、エイトがメリウスに尋ねた。
『意味?特に意味は無いわ。』
『子どもたちは意味があったけど、大人はただの人形ね。』
『強いていうなら、ちゃんと屍人になるかの実験かしら?』
『適合率が低いから、どうしても子どもじゃなきゃだめなのよねぇ〜。』
『だから、大人で屍人になれた個体は、割と貴重よ。』
『まあ、完全な個体は現れることは、ほぼ薄いでしょうけどね。』
『そう、ですか。』
『メリウゥゥスゥゥッ!!!』
"ガシャァァン"!!
と、ガラスの筒を壊しながら、ヴィーナスとアストラたちが3人の前へと辿り着いた。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
[今回の一言♩]
中華系料理にハマって、家でも作ってしまう……
麻婆豆腐…なんて罪な料理なんだ。




