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星屑の機巧技師(せいせつのきこうぎし)  作者: リンネ カエル/霖廻 蛙
第一章ー極子水星要塞〜演劇の始まり〜ー
132/258

欠片130.『惨憺たる現実』

欠片(ピース)130.『惨憺(さんさん)たる現実』です!


※本作の「」と間にあるーーーの種類について説明

[]=人物名と年齢、種族、テキスト

「」=人物の話しているセリフ

『』=人外、多種族などのセリフ、複数人のセリフ、名称

()=人物の心のセリフ

《》=人外、多種族などの心のセリフ

{}=人物の念話

{{ }}=他種族の念話

【】=漫画で例えると四角い囲みのナレーション語り、用語説明

・・=強調

" "=強調、効果音など

ー1本=漫画の場面転換、幕間

➖ー➖1本=過去回想に入る終わる・過去の時間軸

ー2本=漫画で例えた時の流れ



『聞きたいことって何かしら?』


自身の頬に指を色っぽく触れながら、メリウスは質問した。



「教会内にオマエの部下達の組織があるのは本当か?」


『んーーだったら?』



「その組織が子供を誘拐しているとも聞いた。」

「真実か答えろ。」



『さぁ?何のことかしら?』



『テメェ!!とぼけてんじゃねぇぞォ!!メリウスゥ!!』

『アタイの部下から情報は得てんだよ!!』



ジッー…。


と、メリウスはヴィーナスの方を静かに見つめながら考えていた。



『………』

《う〜ん、さすがに二人を同時に相手するのは少し面倒ね。起動まではもう少しかかりそうだし、雑魚で時間を稼ぐか。》



バッ!


と、右手の肘から上を挙げた瞬間、暗闇の中からたくさんの赤い光りが点灯した。



『……ヴヴヴヴゥ……ヴヴゥ…。』


そして、暗闇の中からゾロゾロと、子供の姿をした屍人(グール)が大勢現れた。



カッ……コツ…カツ。



『生きてたらまた話しましょ♩』


と、メリウスは暗闇の中へ消えていった。



『なっ!!待ちやがれッ!!!』



"ザワザワッ"……


『アァ……ア……』

『…アヴア……アゥ……』


『アァ〜…アァ〜…』



『な、何だ!?どうしたんだオマエら!!』

『攫われた子供達なのか?おい!大丈夫か!』



ガッ!と肩を掴むヴィーナスに、少年の顔を下を向いていたが、次の瞬間にはヴィーナスに向かって襲いかかってきた。


『……ぅヴ………ヴガァァア!!!』



『ッ!!!』

《涙の跡…?》


『なっ!!?おぉい!どうしちまったんだよ!』

『なんだか動きが、気持ちワリィぞ!?』



多くの子供達の屍人の頬には、たくさん泣いた跡がその屍となった体にまだ残っていた。



「……。」


「おそらく……ここにいる子供達はみな、屍人(グール)にされたんだろう。」

魔核(まかく)が体内のどこかにあるはずだ。ソレを壊さない限りヤツらは死なない。」



『つまり、核を壊さねぇ限り不死身ってことか!?』



「そうだ。」



『何とかして、救えねぇのかよ!!』



「……分からん。だが、屍人とはすでに死んでいる者のことだ。この子たちにはもう、動いている心臓はないだろう。」

「魔核から供給される魔力によって動いているだけだ。」



「ワタシ達とは違い、後天的に魔力源を埋め込められた人間が……生きて耐えれるハズがないだろう。」


「オマエなら分かるだろう?ヴィーナス。」



『……チィ…。胸糞ワリィ。』

『まるで人形みてぇじゃねぇかよッ!!』



"ドゴォォォン"!!


と、地面に拳をぶつけて怒りを飛ばすヴィーナス。




『メリウスゥの野郎……ヒトの命を…』


『ソレも、こんな子供達の命を……何だと思ってやがるッ……!!』



『許さねぇ…。』


ググッ。


と、拳を握り締めながら、ヴィーナスは屍人に向かって殴り始めた。



ズボッ!!


《すまねぇ…。安らかに眠んな。》

《必ず仇はとってやるからな。》



『オラァァァァ!!!』



灼熱正拳(グロウフィスト)ォォォ!!!』


ジジジジジジィ……"ボッ"!!



"ズボボッーボッ"!!"パリンッ"。


と、魔核を螺旋状の空気が纏った腕で貫いた。




ボッ。ボボッ。……ドサッ。ドサドサ…。



アストラも正確に『(ポア)』を使って、魔核を貫いていく。



「数が多い。」

「ヴィーナス!一旦クロード殿を守るぞ」



『……!!』

『チィ…分かったよ!』


横幅20mはある部屋の幅を埋め尽くすように、暗闇の奥から次々と少年少女の屍人(グール)が迫ってきていた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



『ダフネス、どう?』



カタカタカタタッ…


…カタカタ…


モニターの前で、操作盤を操作している人物が答えた。



「はい。メリウス様がある程度プログラムをほどこしていたおかげ様で、まもなく完了いたします。」


闇取引売買 水星 管理責任者[ダフネス(53)]

              [種族:ヒト]



黒い(ふち)のダークブルーのレンズをした丸メガネをかけて、口髭を生やした暗めの紫色の上下のスーツを着た男が答えた。

顔立ちは整っており、ややガタイと顔の骨格は大きめで渋い顔をしている

そして、前髪の両サイドが流れており、その中央にはクセがある束が垂れていた。



『そう、ご苦労様。あと、作業が済み次第、ここから逃げなさい。』


『もうじき化け物が二匹。ココに来るでしょうから。…ウフフッ。』



『巻き込まれて死にたくなかったら、逃げることをオススメするわ。』



「化け物……ですか?ハハッ…ご冗談を。」

(私からしたら、アナタの方がよっぽど…ククッ。)



『まあ、残るのは勝手だけれど、アナタに今死なれたら色々と困るのよねぇ〜』

『取引のプロとして、アナタのことを買ってるんだから。』



「私が死ぬと?……メリウス様。私めは能力こそありませんが、それなりに腕っぷしならありますよ!」

「しかし、ありがたきお褒めの言葉を、ありがとうございます。」


「ですが、私にもメリウス様に(つか)えている身として、邪魔をする者を放っては置けませんので。」



『……。』

《ハァ〜、バカねぇ。取引以外だと、どうして彼はこうなるのかしら、彼女達の気配(オーラ)に気づけないとは。》

《能力もないただの凡人に、何が出来るのかしら》



『………。』

『まあ、いいわ。好きにしなさい。』




……ゴポポッ…ゴポ。


と、ガラスの中にいる一際大きな黒い影の目が開き、赤い光が見えていた。





最後まで読んでいただき、ありがとうございます!



[今回の一言♩]

最近散歩を始めました。溶けて死にそう。


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