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星屑の機巧技師(せいせつのきこうぎし)  作者: リンネ カエル/霖廻 蛙
第一章─極子水星要塞〜演劇の始まり〜─
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欠片22.『手腕金剛屑熊』


欠片《ピース》22. 『手腕金剛屑熊《ヴァジュグスベア》』です!




その日の夜は雨が降り、馬車の近くの木の下で簡易的な雨除けを作り野宿をすることになっていた。

一夜が明け、雨は晴れていた。


そして、3人は朝から馬車の修理に取り掛かっていた。


「あと、どれくらいかかりそうー?」



『ん〜そうだねぇ〜』


『車輪が直れば走れそうだけど。』



『材料が足りなくてね……』


『そこの森で、また集めてきてくれないかな?』



「どのくらい必要なの?」



『ん〜……でっかい木材一、二本くらいかな〜』

『頼んだよ〜♩』



─────────────────────────



馬車の周辺にいたユリニトに、アストラは話しかけた。



「キサマは何者だ?」



その言葉に一瞬──瞳の影がなくなり、暗い表情をしたユリニトだったが。すぐに笑顔で答え出した。



『アハッ!なんのことかなー?』


『お姉さん今日もコワイね〜』



「………」


「なぜ。"魔族"がこんなことをしてるのかは知らんが──」



「妙な動きを見せたら殺す」


腰にある『龍屑(リュウセツ)・孔(ポア)』に手をかけたアストラは、ユリニトに言葉を吐きつけた。



          ・・・

『アハハ…ハ………。驚いた。


『"魔族"って、知ってたんだ』




「………」


『ギリッ。』と、鋭い眼光が飛ぶ。



『だーいじょ〜ぶだって〜〜!』

『ボクなんかがお姉さんに勝てるわけないでしょ?』



『なにもしないよ〜♩』




「……だといいがな。」


その場を去ろうとするアストラに、ユリニトは笑顔で話しかけていた。



『あ、このことはサーチ君には黙っててね〜♩』



─────────────────────────



「この辺りでいいか」

「さっさと修理して、旅の続きをしなきゃな」


森の中で木材を探しているサーチは、辺りの異変に気づく。



(ん?コレは……)

(木の表面に三つも傷がある。)


「獣攻型《じゅうこうがた》 『手腕金剛屑熊《ヴァジュグスベア》』の仕業だな……。」



(まだ傷が新しいし、近くにいるかも。)


(気をつけないと)



─────────────────────────

─────────────────────────



「よーし!こんなもんでいいだろ!」




『……グルルルル。』


木の影から聞こえたきた鳴き声に、警戒するサーチ。




「……でたかッ!」


「手腕金剛屑熊《ヴァジュグスベア》ッ!!」



木の影から現れた手腕金剛屑熊《ヴァジュグスベア》は、仁王立ちしてコチラに歩いてきていた。

その姿はまさに、屈強《くっきょう》な金剛像《こんごうぞう》のような立ち振る舞いをしているようだった。



(で、デケェ…)

(八mくらいはありそうだな。)


(それにあの腕……"ゴツゴツ"した突起がいくつもついててかなり太い。)


(あれに当たったらヤバいな。)




『グルル……ハァ…ハァ…』



"ドスッ"………"ドス…"



様子を見るサーチの元へ、涎(よだれ)を垂らしながらコチラにゆっくりと向かってくる手腕金剛屑熊《ヴァジュグスベア》。



(相当はらへってんだな。)

(きっと動きも単調になってるハズだ!)



(まずは動きを見る!)


徐々に動きが早くなり、襲いかかってくる手腕金剛屑熊《ヴァジュグスベア》の攻撃をかわしていく。



(右腕の振り、左腕。噛みつき。突進の速度もなかなかだな)

(けど、何よりも厄介なのは……)



(やっぱりあの腕!!)



"ガチャッ"!"パパァン"!!!



"ガキキンッ"!!



サーチが撃った弾は、手腕金剛屑熊《ヴァジュグスベア》の左腕に当たったが。突起の一部を破壊しただけで弾かれてしまっていた。



(ただ硬いだけじゃない……。突起にあたることでダメージを軽減し、そのあと太い金属質の手腕装甲に弾が弾かれてる)



「やっぱり……一筋縄ではいかないか!」



(考えろ)


(弱点はどこだ?)


サーチは攻撃をかわしながらも、敵の動きを見ていた。



"バッ"!!"ババッ"!



「クソッ!!」



依然として攻撃の手を緩めない、手腕金剛屑熊《ヴァジュグスベア》の動きにサーチは避け続けながら、攻略の糸口を探していた。



最後まで読んでいただき、ありがとうございます!


─裏メモ。─


『白岩屑鳥(ロックチョウ)』の由来


岩 ロック


ダチョウモチーフだけど、良い名前になる候補が無かったので、単純に白い大きな岩の上に住んでる鳥から名付けました。


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