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星屑の機巧技師(せいせつのきこうぎし)  作者: リンネ カエル/霖廻 蛙
第一章ー極子水星要塞〜演劇の始まり〜ー
122/258

欠片120.『ホリー&クロードVSダアト 決着!!』

欠片(ピース)120.『ホリー&クロードVSダアト 決着!!』です!


※本作の「」と間にあるーーーの種類について説明

[]=人物名と年齢、種族

「」=人物の話しているセリフ

『』=人外、多種族などのセリフ、複数人のセリフ、名称

()=人物の心のセリフ

《》=人外、多種族などの心のセリフ

{}=人物の念話

{{ }}=他種族の念話

【】=漫画で例えると四角い囲みのナレーション語り、用語説明

・・=強調

" "=強調、効果音など

ー1本=漫画の場面転換、幕間

➖ー➖1本=過去回想に入る終わる・過去の時間軸

ー2本=漫画で例えた時の流れ



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー➖


「大切なモノを救うことのできる人間はな。」



「力を持つモノなんだよ!!!」



「この世はそう出来ている!!力こそ全てだってな。」

「あの日……オレは気付かされたんだよ。」


(あの方こそ、完全無欠の最強だってな。)

(メリウス様の願望を…オレの野望も…叶えるために……力を得た!!!)




(あの日、オレは……なんにも選べなかったんだから。)




両手を広げ、手のひらからドロドロと泥が溢れ、流れていく姿を見ながら、クロードは走っていた。


(ホリー様の状態や今後の魔力を考えると、チンタラしてられねぇ。)


「この一撃で沈めるッ!!!」


スッ…バッ。



「『光鱗貫撃(スケール・ストマックブロー)』!!!」



バッ!!


右手に魔力が集中し、強く発光していた。

右下から伸びた二層のパンチはダアトの腹を貫いた。



"ドボォォッ"!!!


ビチャチャチャッ…。


と、辺りに肉片が飛び散った。

かに思えたが、クロードが貫いたのはダアトを模した泥人形だった。


「見た目まで…!高度に似せれるのか!!」


 

ドプ…ドププッ…と、クロードの背後の泥沼からダアトが現れる。


「残念だったな〜!!お前の渾身の一撃も!意味が無かっ……た……」



ドキュッ。



「な……なんだ…?何か…胸に…」


と、ダアトが胸元を見ると、3本の光の鎖が三つ編みになっており、その先には先ほどまでクロードが左手に付けていた『光鱗手甲(スケールガントレット)』の光の指先が、鋭く尖った爪のように突き刺さっていた。

その鎖の先には、足場はなくなっており…右腕と首から上までしか出ていないホリーが手を伸ばしていた。


「『(シャイン・オブ・)なる捕縛(ザ・チェーン)』……。」



「…ゴフッ……!グッ…ガハッ…どう…して…」



「魔力を強く溜めてるように見せた。」


➖ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「この一撃で沈めるッ!!!」


スッ…バッ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー➖


「そして、気が向いている間に、左手の『光鱗手甲(ホワイトスケールガントレット)』に少量の魔力を込め……真後ろへと手袋を飛ばしておいた。」



「オマエ自身が泥になれるかは、確証は無かった。それでも、それで私自身が仕留め切れるなら問題はなかった。」


「けど、信じていたのは私自身ではない!!」



「私はホリー様を信じている!!!」



貫かれた胸と口から血を流すダアトは……笑っていた。


「…は…ハハッ……愛でも…力でもねぇ……テメェが選んだのは…ハァ…」


信頼(そっち)……だった…か…。」



ドサッ…。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


(暗ぇ…ココは…)


暗闇の中をダアトは歩いていた。



オレには愛する人がいた。これから先死ぬまで変わらない。

だから……ソレはもう必要なかった。


メリウス様の元に来て、同じ目標を叶えるための同志は出来た。だが…心の底から信頼できる仲間じゃなかった。


ヤツらも孤独で、一匹オオカミの集まりだった。

共感はしてやれるが……信頼はしてなかった。



しばらく歩いていたダアトは、遠くに小さな光を見つけた。



(……あそこに…光が…)



負けたことには文句はねぇ…むしろスッキリしてる。



結局……その差だったのかもな。




復讐は全てでは無かった


終わってから気付いた……それは『()』だったと



光の元へと辿り着くと、ダアトは忘れることの無い声を聞いていた。



「ダアト、おかえり」



「…!!この声は……!そんな…ウソだろ。」

「オマエなのか?……ベイ…。」



「久しぶりね!まだここに来るのは早かったけど、会えて嬉しいわ!」


「……うっ…うぅ…。オレもさ…!ずっと!ずっと会いたかったんだ!!ベェイィ!!」



2人は強く抱き合った。


「あの時、私は貴方に生きていて欲しかった。私とこの子のためにも。いいえ…」


と、お腹を撫でるベイ。



「お、オレはぁあぁぁ……!!ベイ…オマエが生き……」


「ダアト。さっきのは半分ほんとで、半分はウソ。私は…怖かったの。貴方がいない世界で生きていくのが…この子もいない未来が。」


「だから、私は貴方を生かした。それと同時に……逃げてしまったの。」


「辛い思いを…させてごめんなさい。」



ポロポロと涙を流しながら、口に手を当てるベイ。

ダアトも顔が崩れたように涙を流した。



「…うぐっ…ハァ…ズズゥ……そんなこと関係ねぇ。」

「オレはキミを、キミたちを愛してる!!今までも……これからもずっとだ!!!」



「ダアト…。うぅ。私もよ!!」



「アレから…いろんなことがあったんだ。聞いてくれないか?」


「ええ。もちろん。ずっと、ずっ〜と。」

「それに、この子にも貴方の話を聞かせてあげて。」


「ああ、そうだな。」


永遠の時間が流れる明るい場所で、2人は笑顔で寄り添っていた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「終わりましたね。」


スッ。と、ダアトの両目の(まぶた)を閉じたクロード。


「ええ。」


クロードの後ろに立つホリーとクロードは、仰向けに寝ているダアトの遺体を見つめ、目を(つむ)り祈りを唱えていた。



「あの時、なんで『念話(テレパシー)』を使わなかったの?」


「使わなくてもいいと判断したからですよ。後ろを見なくとも……」



「貴方の想いが、届いた気がしましたから。」



と、ニコッとクロードは微笑んだ。




最後まで読んでいただき、ありがとうございます!


[今回の一言♩]

ベイの見た目は、皆様のご想像にお任せします。

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