欠片112.『フロデューテVSクルダ②』
欠片112.『フロデューテVSクルダ②』です!
※本作の「」と間にあるーーーの種類について説明
[]=人物名と年齢、種族
「」=人物の話しているセリフ
『』=人外、多種族などのセリフ、複数人のセリフ、名称
()=人物の心のセリフ
《》=人外、多種族などの心のセリフ
{}=人物の念話
{{ }}=他種族の念話
【】=漫画で例えると四角い囲みのナレーション語り、用語説明
・・=強調
" "=強調、効果音など
ー1本=漫画の場面転換、幕間
➖ー➖1本=過去回想に入る終わる・過去の時間軸
ー2本=漫画で例えた時の流れ
【PM 19:48〜 『ストレージ』の一室】
【フロデューテVSクルダ】
『さっ、これで終わりね。』
『……イヤァァ…!!!来ないで……おねぇちゃ……助けて!!』
震えながら泣いているフロデューテは過去の記憶を見ていた。
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【12年前 フロデューテ8歳】
【彷宵徨要塞 旧砂丘の水皇林】
砂漠の中にある異質な森の中を、幼き日のフロデューテは彷徨っていた。
『……ハァ…ハァ…。出口はどこ…?おねぇちゃん。どこにいるの…?』
"バキッ"!!"バキバキッ"!!
と、木々を倒しながらフロデューテの後を追いかけてくる大きな「トカゲ」に似た機屑物が迫っていた。
『シャァァァアア!!』
…ドッドッ…ドッド!!
迫り来る機屑物から逃げるフロデューテ。
しかし、木の根に足が引っかかりこけてしまう。
ガッ…!
『あっ…!!』
ドサッ!
地べたに座ったまま、ジリジリと後ろに下がって行くフロデューテだったが、背後にある木にぶつかり追い込まれてしまう。
ドッ…! ドッ…ドッ…ドッ…ド。
《木ッ!?どうしよう…もうだめ…逃げられない…。》
『イヤッ!!来ないでぇぇぇ!!やめてっ!!』
『おねぇちゃぁぁん!!!たすけてぇぇぇ!!』
"ガバァッ"!!!
と、トカゲの機屑物が噛みつこうとした瞬間。
『アタイの妹に!!なぁぁにぃしてんだぁぁぁ!!!』
『こんのッ!!クソトカゲーーーーッ!!!!』
"ドゴォォォーーン"!!!
横から飛び出してきたフロデューテの姉。[ウェスト・ヴィーナス]が、オオトカゲの機屑物の顔面をぶん殴ってバラバラにしていた。
ドッ…。
と、着地してフロデューテの元へ駆け寄った。
『フゥ〜〜〜。ケガはねぇか?デューティ。』
『う、うん。』
『よく頑張ったな!!流石はアタイの妹だ!』
"ガシガシ"っと、フロデューテの頭を撫でるヴィーナス。
『うっ…う。うぅ…〜〜。』
『おねぇちゃぁぁぁぁん〜〜〜。うぅっ〜…怖かったよぉぉ〜〜。』
『うわぁぁ〜〜ん!!』
泣きながらフロデューテは、ヴィーナスに抱きついていた。
『ハッハッ!こんなもんでメソメソしてんじゃねぇよ!オマエはアタイの妹なんだ!』
『この先、どんな困難が訪れたとしても……デューティ。オマエならなんだってできる!』
『胸を張って生きろ!!心の強い鬼人になれ!』
『いつか……自分が後悔しないために。悔いのない人生を生きろ!!』
『分かったな』
ニカッ!っと、満面の笑みでヴィーナスは、フロデューテに言った。
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『助けてぇ…!お姉ちゃん!!』
涙を流しながら、ジリジリと後ろに下がっていくフロデューテ。
そのまま下り続け、部屋の壁に背中が当たる。
そして、フロデューテの頭の中に過去の光景がフラッシュバックしていた。
コツ…カツ…。
ザザッ。
フロデューテの目の前には、クルダが立ってムチを振り下ろそうとしていた。
『ワタシにはないのよね〜。トラウマってやつ。』
『可哀想に。』
『さようなら、鬼人のお嬢ちゃん。』
記憶の中で泣き叫ぶフロデューテの頭の中に声が響く。
《…ーティ。…オイ!…デュ……ーティ!!》
《デューティ!!何してんだ!》
《この声は……おねぇちゃん?どうして…?》
《アレっ?アタシは何してたんだっけ…?》
《そんな簡単にやられていいのか?デューティ。オマエの守りたいモノはなんだ?曲げられない信念はなんだ?》
《守りたいモノ…。アタシの信念…。》
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『胸を張って生きろ!!心の強い鬼人になれ!』
『いつか……自分が後悔しないために。悔いのない人生を生きろ!!』
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《アタシは………子供たちを守れる…優しくて強い鬼人になりたいッ!!!!!》
《ハッハッ!オマエならできるさ!なんたって……アタイの妹だからな!!誰よりも強いことくらい知ってるさ!』
《デューティ……アタイがいなくたって、オマエならやれる。アタイはデューティ。オマエを信じてる!!》
ーーシュゥゥゥゥン。
クルダのムチが振り下ろされた瞬間、目を開けるフロデューテ。
"パシィッ"!!!ググッ。
『なっ!!動かない…!』
『……分かったよ。お姉ちゃん。』
『アタシは……もう…』
『迷わない!!!』
"ドグッ"!!
と、フロデューテはクルダの腹に蹴りを入れ吹き飛ばす。
ズザザァァァーー…。
『……さっきよりも威力が。』
《何があった…?直前までトラウマを見ていたハズなのに……》
クルダの目の前には、キリッとした目をしたフロデューテが、両出を握り拳を作りながら大声を上げていた。
『来なさいよ!!アンタなんかにアタシは負けない!!!』
《アタシは……お姉ちゃんの妹だからじゃない。》
『アタシはフロデューテ!!!誇り高き鬼人一族の戦士!!』
『覚えておきなさい……』
『アンタを倒す女の名前よ!!』
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
[今回の一言♩]
今週の金曜と土曜は私用があるので、Xや活動報告でのお知らせは出来ないかもしれません。
予約投稿はいつもと同じ22時にしておきますので、お楽しみ下さい!




