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星屑の機巧技師(せいせつのきこうぎし)  作者: リンネ カエル/霖廻 蛙
第一章ー極子水星要塞〜演劇の始まり〜ー
114/255

欠片112.『フロデューテVSクルダ②』

欠片(ピース)112.『フロデューテVSクルダ②』です!


※本作の「」と間にあるーーーの種類について説明

[]=人物名と年齢、種族

「」=人物の話しているセリフ

『』=人外、多種族などのセリフ、複数人のセリフ、名称

()=人物の心のセリフ

《》=人外、多種族などの心のセリフ

{}=人物の念話

{{ }}=他種族の念話

【】=漫画で例えると四角い囲みのナレーション語り、用語説明

・・=強調

" "=強調、効果音など

ー1本=漫画の場面転換、幕間

➖ー➖1本=過去回想に入る終わる・過去の時間軸

ー2本=漫画で例えた時の流れ



【PM 19:48〜 『ストレージ』の一室】


【フロデューテVSクルダ】



『さっ、これで終わりね。』



『……イヤァァ…!!!来ないで……おねぇちゃ……助けて!!』


震えながら泣いているフロデューテは過去の記憶を見ていた。


➖ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


【12年前 フロデューテ8歳】


彷宵徨要塞(イブニングフォートレス) 旧砂丘(きゅうさきゅう)水皇林(すいこうりん)



砂漠の中にある異質な森の中を、幼き日のフロデューテは彷徨(さまよ)っていた。


『……ハァ…ハァ…。出口はどこ…?おねぇちゃん。どこにいるの…?』



"バキッ"!!"バキバキッ"!!


と、木々を倒しながらフロデューテの後を追いかけてくる大きな「トカゲ」に似た機屑物(ガーベマジル)が迫っていた。


『シャァァァアア!!』


…ドッドッ…ドッド!!


迫り来る機屑物(ガーベマジル)から逃げるフロデューテ。

しかし、木の根に足が引っかかりこけてしまう。



ガッ…!


『あっ…!!』


ドサッ!


地べたに座ったまま、ジリジリと後ろに下がって行くフロデューテだったが、背後にある木にぶつかり追い込まれてしまう。


ドッ…! ドッ…ドッ…ドッ…ド。



《木ッ!?どうしよう…もうだめ…逃げられない…。》


『イヤッ!!来ないでぇぇぇ!!やめてっ!!』

『おねぇちゃぁぁん!!!たすけてぇぇぇ!!』



"ガバァッ"!!!


と、トカゲの機屑物(ガーベマジル)が噛みつこうとした瞬間。



『アタイの妹に!!なぁぁにぃしてんだぁぁぁ!!!』


『こんのッ!!クソトカゲーーーーッ!!!!』



"ドゴォォォーーン"!!!


横から飛び出してきたフロデューテの姉。[ウェスト・ヴィーナス]が、オオトカゲの機屑物(ガーベマジル)の顔面をぶん殴ってバラバラにしていた。



ドッ…。


と、着地してフロデューテの元へ駆け寄った。


『フゥ〜〜〜。ケガはねぇか?デューティ。』



『う、うん。』



『よく頑張ったな!!流石はアタイの妹だ!』


"ガシガシ"っと、フロデューテの頭を撫でるヴィーナス。



『うっ…う。うぅ…〜〜。』



『おねぇちゃぁぁぁぁん〜〜〜。うぅっ〜…怖かったよぉぉ〜〜。』

『うわぁぁ〜〜ん!!』


泣きながらフロデューテは、ヴィーナスに抱きついていた。


『ハッハッ!こんなもんでメソメソしてんじゃねぇよ!オマエはアタイの妹なんだ!』

『この先、どんな困難が訪れたとしても……デューティ。オマエならなんだってできる!』


『胸を張って生きろ!!心の強い鬼人(オーガ)になれ!』

『いつか……自分が後悔しないために。悔いのない人生を生きろ!!』


『分かったな』


ニカッ!っと、満面の笑みでヴィーナスは、フロデューテに言った。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー➖



『助けてぇ…!お姉ちゃん!!』


涙を流しながら、ジリジリと後ろに下がっていくフロデューテ。


そのまま下り続け、部屋の壁に背中が当たる。

そして、フロデューテの頭の中に過去の光景がフラッシュバックしていた。



コツ…カツ…。


ザザッ。


フロデューテの目の前には、クルダが立ってムチを振り下ろそうとしていた。


『ワタシにはないのよね〜。トラウマってやつ。』

『可哀想に。』


『さようなら、鬼人(オーガ)のお嬢ちゃん。』




記憶の中で泣き叫ぶフロデューテの頭の中に声が響く。


《…ーティ。…オイ!…デュ……ーティ!!》

《デューティ!!何してんだ!》



《この声は……おねぇちゃん?どうして…?》

《アレっ?アタシは何してたんだっけ…?》



《そんな簡単にやられていいのか?デューティ。オマエの守りたいモノはなんだ?曲げられない信念はなんだ?》


《守りたいモノ…。アタシの信念…。》


➖ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



『胸を張って生きろ!!心の強い鬼人(オーガ)になれ!』


『いつか……自分が後悔しないために。悔いのない人生を生きろ!!』



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー➖




《アタシは………子供たちを守れる…優しくて強い鬼人(オーガ)になりたいッ!!!!!》




《ハッハッ!オマエならできるさ!なんたって……アタイの妹だからな!!誰よりも強いことくらい知ってるさ!』


《デューティ……アタイがいなくたって、オマエならやれる。アタイはデューティ。オマエを信じてる!!》



ーーシュゥゥゥゥン。


クルダのムチが振り下ろされた瞬間、目を開けるフロデューテ。



"パシィッ"!!!ググッ。



『なっ!!動かない…!』



『……分かったよ。お姉ちゃん。』

『アタシは……もう…』




『迷わない!!!』




"ドグッ"!!


と、フロデューテはクルダの腹に蹴りを入れ吹き飛ばす。


ズザザァァァーー…。


『……さっきよりも威力が。』


《何があった…?直前までトラウマを見ていたハズなのに……》



クルダの目の前には、キリッとした目をしたフロデューテが、両出を握り拳を作りながら大声を上げていた。



『来なさいよ!!アンタなんかにアタシは負けない!!!』


《アタシは……お姉ちゃんの妹だからじゃない。》



『アタシはフロデューテ!!!誇り高き鬼人(オーガ)一族の戦士!!』



『覚えておきなさい……』




『アンタを倒す女の名前よ!!』





最後まで読んでいただき、ありがとうございます!


[今回の一言♩]

今週の金曜と土曜は私用があるので、Xや活動報告でのお知らせは出来ないかもしれません。

予約投稿はいつもと同じ22時にしておきますので、お楽しみ下さい!

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