欠片104.『潜入ー12日目・決行』
欠片104.『潜入ー12日目・決行』です!
※本作の「」と間にあるーーーの種類について説明
[]=人物名と年齢、種族
「」=人物の話しているセリフ
『』=人外、多種族などのセリフ、複数人のセリフ、名称
()=人物の心のセリフ
《》=人外、多種族などの心のセリフ
{}=人物の念話
{{ }}=他種族の念話
【】=漫画で例えると四角い囲みのナレーション語り、用語説明
・・=強調
" "=強調、効果音など
ー1本=漫画の場面転換、幕間
➖ー➖1本=過去回想に入る終わる・過去の時間軸
ー2本=漫画で例えた時の流れ
【アストラの潜入から12日目】
【各勢力が暗中飛躍する中】
【各々の思考や策略が交差する】
【大要塞 極子水星要塞では】
【その日 思いもよらぬ形で】
【聖女[ホリー]の予言は 現実となる】
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【PM 18:38】
【旅人の旅館 サーチの部屋(元待ち合わせ室)】
「みな集まったな。」
{サーチ、オマエも聞こえているか?}
と、アストラが喋り始める。
その場にサーチはいなかったが、全員が黒いフードがついたマントコートを着て、話を聞いていた。
{ああ!バッチリだ!}
{もうちょっとかかりそうだけど…ハァ…ちゃんと.聞こえてるぞ!}
{よし。}
{あれから、各々がするべき行動をし」
{準備も整った。」
{今日がヤツらの動き出す……"月が満ちる日"だ。」
{ヤツらの目的を阻止し……真相を聞き出すぞ!!」
『もちろん!!』
「ええ!」
カチャリ。
「はい。」
{おおう!!!}
と、全員が気合いを入れ、さっそく行動に移りだした。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【PM 18:47〜 サーチサイド】
【極子水星要塞から南西3.6Km付近】
【徘徊の森】
薄暗い森の中の道をサーチは、木々の間から差し込む月明かりを頼りに走っていた。
「……ハァ…ハァ…。あとちょっとで抜けれそうかな?」
「確か、この辺で森も終わりそうだったハズなんだけどなぁ…」
「夜だからよくわかんねぇや」
「まあ、月のおかげでだいぶ明るい方だけど」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【PM 19:00〜 アストラ組サイド】
【地上 火葬場入り口前】
全員が扉の開いた火葬場の前に着いていた。
「いいか、公爵の協力で扉は開けてある」
「九時になったら公爵と兵士たちが、エリア内にいる住民を一斉に避難させる予定だ」
「それまでに、ワタシたちは……この事をプラント内の作業員に知らせなければならない」
「セパレートはコマースに任せてある。」
「通路のことは教えてあるからな」
「そして……クレマトにはワタシが行く」
「個人的に用が出来たからな。」
と、持っていた小さな紙を取り出し、"グシャ"っと握り潰す。
「フロデューテはストレージを、聖女様とクロード殿はプロセスに向え!」
「各エリアに繋がる非常口を伝え、誘導させろ」
「その後は地上にて合流し、我々も避難するぞ。ただし、ワタシとクロード殿は、最下層[五層目]に繋がる公爵部屋にそのまま向かう。」
「オマエたちはサーチの元へ合流してくれ」
「わかりましたわ!」
「承知いたしました。」
『うん!!』
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【ーーー同刻】
【三層 貯槽部屋『ストレージ』の一室】
灰色の髪に、水色の肌をしたダークエルフのクルダが退屈そうに待っていた。
『そろそろかしらねぇ…誰が来るのかしら?フフッ。』
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【二層 火葬部屋『クレマト』の一室】
…ピチャ……ポチャ…。
『…ハァ〜…やっぱり新鮮な血は良いナァ!!けど…やっぱりガキの方がウメェぜ……ガルルッ。』
そこには、作業員の女性が四肢をもがれて、亡くなっていた。
『…スンスンッ。ンアァ?来やがったか…?』
『……っハァ〜!!こっちは早くヤりたくてウズウズしてんダァ!!』
『楽しませてくれヨォ〜!!』
『ガルルルッ!!!』
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【四層 加工部屋『プロセス』の一室】
ボサボサの髪の毛をかきながら、足を広げて台座に座っていたダアトが呟く。
ポリポリ…。
「あんまり」
「……手間かけさせんなよ?」
「オレぁ……面倒ごとが嫌いなんだ。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【PM 19:12〜 サーチサイド】
【徘徊の森】
「……ハァ…ハァ…!」
「くそ、それでも夜だと感覚が狂うなぁ〜」
「スッゲェ〜長く感じる…」
その瞬間、周囲の木の上で"シュンシュン"と葉っぱが揺れる音が聞こえてきた。
ザザッ…!!
「……ん?」
…ブゥゥゥン!!
……ザザザッ!!
…ブゥゥゥン…ギチ…。
「何の音だ?」
と、走っていたサーチが立ち止まって辺りを見渡した瞬間!!
"ドッッッ"!!!
…ギチチチ…。
「……グッ…カハッ!!」
ヒュゥゥゥゥ〜〜!!"ドカァァァン"!!!
…バキバキバキッ…!!
・・
暗闇の中から突然勢いよくぶつかってきたソレは大きな羽音を立てて飛んでいた。
『…ギチチチ。……子供ヲ殺スノハ。』
『余リ好ミデハ…無インダガナ。……ギチチ…チ。』
【メリウス・マーキュリの配下 新教徒 幹部】
[トボ(57)]
[種族:蟻蛾(モデル:ギンヤンマ)]
『命令ハ…絶対ダ。』
と、サーチの目の前に、頭が90度以上横に何度も揺れているトンボの蟻蛾が現れた。
「……ッツ…。イッテェ〜なクソッ!!」
木にぶつかっていたサーチが立ち上がる。
そして、しばらく見つめた後にサーチが喋り出した。
「……ほんとにトンボじゃんー!!」
「カッケェ〜〜!!」
『……!!』
『オ、オレノ事ガ、カ…カッコイイノカ…?』
「おう!ガツガツして、ピカピカでカッケェよ!」
「………あ!そうだった!」
『?』
「トンボってさ!」
「ほんとに変態なの?」
『ナッ……!!ナニヲ言ッテイル!?』
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
[今回の一言♩]
さて、頑張ってワクワク展開書いていきましょうか!




