欠片101.『潜入ー8日目』
欠片101.『潜入ー8日目』です!
※本作の「」と間にあるーーーの種類について説明
[]=人物名と年齢、種族
「」=人物の話しているセリフ
『』=人外、多種族などのセリフ、複数人のセリフ、名称
()=人物の心のセリフ
《》=人外、多種族などの心のセリフ
{}=人物の念話
{{ }}=他種族の念話
【】=漫画で例えると四角い囲みのナレーション語り、用語説明
・・=強調
" "=強調、効果音など
ー1本=漫画の場面転換、幕間
➖ー➖1本=過去回想に入る終わる・過去の時間軸
ー2本=漫画で例えた時の流れ
【サーチたちが公爵部屋にいた同時刻 アストラサイド】
【繁華街エリア・分離研究部屋との内側通路】
扉をゆっくりと開け、アストラは中を覗く。
(なんだこの通路は)
そこは、排気口のような全面ステンレスに似た素材で出来た、大きな四角い通路が続いていた。
(先へ進むか)
入り口から14mほど進むと、左右に曲がる道が出てきた。
(……右に行くか。)
カツ…カツ…。
(一体どこまで繋がっているんだ?)
(外周全てあるのか?)
と、しばらく進むと、左右に扉が現れた。
(フム、おそらく内側が右とみていいだろうな。左は繁華街エリアに繋がる扉だろう。)
(フロデューテに現場での確認が取れない以上…繁華街エリアで出入りする姿を見られるわけにはいかないな)
と、分析したのち、右側の扉にある凹みに手をかけ、少しだけ扉をそおっと開いた。
ススゥーー…。
(……人がいるな。)
ガチャ…!パキッ…!!
ガチャガチャ…!!
(機屑物の装甲を分離しているのか)
そして、部屋の中を隙間から見渡す。
(人数は二人。)
(……特に怪しいところもなさそうだな。)
ススゥーー…。
と、扉を閉めアストラは少し考えた。
(プラントへの入り口と見て、ほぼ確定だろう。その上で確認しなければいけないことは…)
カツ……カツ…
アストラは、歩いてた道を戻り始めた。
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ガチャリ。
通路の入り口を出て、また火葬場の中の階段へと戻ってきていた。
「……さて、各フロアも確認してみるとするか」
「あとは、どこまで続いているか……だな」
カツ…カツ……コツ……
二層目のプラントへの通路に来た所で、フロデューテから念話が飛んで来た。
…ジジ……
{{アストラ。聞こえてる?}}
…ジジジ……
{ああ、聞こえてる。何かあったか?}
{{ ええ、今サーチと聖女様と一緒に………}}
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{こっちは上手いこといきそうだ。明日には戻る。}
{そろそろ切るぞ}
{{うん!分かった!それじゃあね!}}
……ジジジ……プツンッ。
「あっちは大丈夫そうだな。」
(そろそろ正午に近いだろう…夕刻までには帰りたいとこだな。)
と、アストラは引き続き通路から、各部屋を覗いた後、火葬場の入り口へ戻ると階段を降りていった。
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【地上 サーチサイド】
公爵部屋を出た3人は、地上にて会話をしていた。
「公爵様の協力も得たことだし!良い流れだな!!」
『そうね!敵もまだ気づいてないだろうし!』
『先手を取って一気に叩きましょ!!』
「そういえば、ここが崩壊する…予知夢のことはお伝えしなくてよろしかったのですか?」
と、ホリーが切り出した。
「確かに!!」
『……それについてだけど。』
『アストラから、アタシらの能力については伏せとけって言われてたの。』
『とくにクロードさんのことはね。彼がこの作戦において"キーマン"になるし。』
『そもそも、そうならないための計画の阻止だしね!』
「ああ、なるほど!」
「そういうことでしたのね!」
と、2人は納得した。
『アタシはこれから、道具作りの続きをするわ』
『念のため動けるサーチ、アンタにコレ渡しておくから』
と、サーチはフロデューテから、『念話』の『魔屑道具』を受け取った。
『アストラから、連絡があれば答えてあげて』
『私は手が離せないからって』
「分かった!」
『使い方は耳にはめて、そこのボタンを押せば反応できるわ』
と、外側にある枠組みを指差した。
「よし!任せとけ!」
「オレはこれから三層に行ってくるよ!」
「加工場見てみたいし!!機巧技師の作業も見てくる!」
「なんたって…明日からは歩かないといけないしな……。」
ズゥ〜ン。としたサーチだったが、すぐに気を入れ替えた。
「ホリーはどうする?」
「わたくしは…足手まといになりますので……せっかく会えたのが名残惜しいですけれど…お別れしますわ〜〜。うぅ。」
と、3人は別行動へと移った。




