欠片100.『道筋の中にある ただのひとつである劇場』
欠片100.『道筋の中にある ただのひとつである劇場』です!
※本作の「」と間にあるーーーの種類について説明
[]=人物名と年齢、種族
「」=人物の話しているセリフ
『』=人外、多種族などのセリフ、複数人のセリフ、名称
()=人物の心のセリフ
《》=人外、多種族などの心のセリフ
{}=人物の念話
{{ }}=他種族の念話
【】=漫画で例えると四角い囲みのナレーション語り、用語説明
・・=強調
" "=強調、効果音など
ー1本=漫画の場面転換、幕間、過去回想など
ー2本=漫画で例えた時の流れ
【極子水星要塞 ーSPー】
薄暗い研究所のような部屋の中で、モニターの前に膝をついて座っている人物がいた。
その人物は、まるで……抜け殻のように力が抜けており、無防備の姿をしていた。
そんな中、部屋の中を行き来するように、フヨフヨと1体の幽体が飛んでいる。
『う〜ん…もう少し力が欲しいわねぇ…。』
【八天星 水星】[メリウス・マーキュリ]
[種族:生命体]
『サタンのように、色々と合わせても良いのだけれど…ハァ〜……。』
『な〜んかイマイチって感じよねぇ〜』
・
『やっぱり、彼を調べたら…もっと分かるのかしら?』
『けど、問題は……』
『……アストラの存在ね。』
『どうやって彼女を消そうかしら…う〜ん。』
『一応仕掛けも用意しているけれど…彼女を消せるかは、まだ不安なのよねぇ……』
『なんだかんだしぶといし。』
『あ〜うざったい』
『ハァ〜、ほんっとあの時一緒に死んでくれれば良かったのにな〜』
と、昔の記憶を思い出す。
『……フフッ…』
『あの時の彼女の顔ったら…ウフフッ……フフ…アハハハハッ!!!思い出すだけで笑えてくるわね!』
『フフッ…ハハハ…アハハハッ〜〜!!』
『〜ハァ〜…あ〜…笑い疲れちゃった。』
『……』
『また、絶望に突き落としてあげるわ。アストラ。』
『貴方の婚約者のようにね。…ウフフッ。』
数多く立てられてある、液体が入ったガラスの筒の間を、メリウスはフヨフヨしながら…スゥ〜〜〜っと、通り抜けていく。
そして、とあるガラスの筒の目の前にたどり着いた。
『さて、と。』
『まあ、さっき見た感じだと』
『このままいけば、アレらも良い感じに当たりそうじゃないの。』
『せめて、アストラに致命的なダメージを与えてくれればマシってところね〜』
『まあ、あの程度じゃ無理でしょうけど。』
『あっ、そうだわ!』
『せっかくだから、この子の性能も今回 見ておこうかしら!』
・・・
『せっかく作った…現状の最高傑作だけれど。』
『彼と比べてどうかしら?』
『今の彼よりは明らかに強いでしょうけれど……ここで生き残ってくれるなら、今後が楽しみね。…ウフフッ。』
『ただの星の一部となるか…ゴミ屑となるか…』
『久しぶりの楽しみなんだから、物語はもっと!激しくいきましょう!!ウフフッ!』
おぞましい表情をしたメリウスは、高らかに笑い声をあげ、地下空間の中に響き渡っていた。
《全てが…ワタシの操人形。》
《この演劇は……誰にも止められやしない!!!》
『……フフッ…ハハ……アーーッハッハ!!!』
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