発進
本編ラスト
「おーい、早くしろー」
「待ってくださいフレアさん! あと1枚だけ!」
「何回そのフリやるんだよ」
滞在して数日が過ぎ、俺達は今から島を出るところだ。俺は愛機の様子を確かめつつ、ハム太の生存を確認。爆睡していた。
ルージュにはこの数日の間で、カメラを買ってやった。いや、買ってやったというより、買わされた。携帯出来る小さめサイズのデジタルカメラだ。ちなみに電池式。
買う際、店員のおばちゃんがせっかくだから、と言って値引きしてくれた。何がせっかくだったのかは、俺には分からない。
そういえば、俺達がバスケットに入れて運んでいたフグ、あれはどうやらただの模型だったそう。あんな繊細な魚、雑に扱わねぇよ、と店主に笑われた。周りの常連にも笑われた。うるせえ! とやけ酒したところ、見事翌日には二日酔い。流石に辛かった、あれは。
って、思いふけってるのもいいが、そろそろ次の島に向かわないとな。
「置いてくぞー」
「それは止めてください!」
大急ぎでルージュはこちらに走ってくる。そして、なかなかの跳躍で後部座席に収まる。
「ベルト締めとけよ」
「分かってますよ」
ルージュに次ぎ、俺は運転席に乗る。風防を閉め、エンジンをつける。
「次はどこに行くんですか?」
後ろから、ルージュが聞いてくる。
「さぁ、どこだろうな」
俺の中ではもう行き先はとっくに決めていたが、ルージュには伏せておくことにした。旅というのは、知らないからこそ面白い。
「おし、出るぞ」
「はいっ!」
そう言って、俺は愛機を離陸させる。
次の目的地までは、おおよそ3時間だ。
想定以上に長くなってしまいました。てなわけで、「フグを食うことになった島」終わりです。次はどんなの書こうかな〜と考えつつ、今日も今日とて、机でプラモを作って過ごします。
それでは、また今度!




