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※作者は飛行艇についてまだよく詳しくありません! おかしい文章があっても大目に見てあげてください!

「なんにもねぇな」

 俺はたまらず、独り言を吐いた。

愛機を飛ばし始め、1時間。見える景色は一向に 変わる様子がねぇ。水平線の向こうまで続く広大な海が、それを証明していやがった。

「まずいな、こいつは」

  操縦桿を片手に、俺はもう片方の手で地図を開く。

「う〜ん」

 地図を見れば、現在位置からもうすぐで、ある島に着くはずだ。しかもその島は、世界的に有名なあの島。

 本来ならもう視界に映ってもいい頃合いなんだが……。

 方位磁石を確認したり、地図を逆さにしたりして みるが、さっぱりだ。島に着かない原因が全く分か らん。まさか、機械系が故障したか?

「どうすっか......これ」

 島に着かない事に悩んでいると突然、左方から銃 声が聞こえてくる。

「......ッ!  賊か!」

 地図を放り投げ、両手で操縦桿を引く。コツンと地図が風防に当たり、パサッと足元に落ちてきた。普通に邪魔!

 機体をグワンと傾け、急激に高度を上げる。体に かかる浮遊感に耐え、左方を確認。そこには、不幸 にも一機の戦闘機が飛んでいた。

 黒く塗られた漆黒のボディに、飛ぶことに特化し た大きなシルエット。

「重戦闘機かよッ! クソッ、めんどくせぇな!」

 一撃離脱の得意な重戦闘機。一撃を避けることが 出来れば、今度はこちらの攻撃ターンに出来るが、 如何せん飛行速度がバカみたい速いせいで、弾が全 然当たらない。それが今、目の前にいる野郎の乗る 戦闘機だ。ま、野郎じゃねーかもしれねぇーけど な。

 俺の真下を通り抜け、一気に遠ざかっていく賊の 戦闘機。

 第一関門はとりあえず突破か。さて、問題はどう墜とすか、だな。

 相手は重戦闘機。適当に弾を撃って倒せる相手じゃない。逃げようにも飛行速度で勝てねぇし、持久戦でガス欠狙うのは現実的じゃねーな。

 となるとやっぱり、ピンポイントで撃ち墜とす、だな。

 俺は機体を操作し、賊の戦闘機の真後ろをとる。

 だが、流石に機体性能の差が出る。賊はぐんぐんと俺との距離を離していく。弾はもちろん届かない距離。

 けれど、俺は追いかけ続ける。戦闘機の性能上、背を向けたらそれは、撃ち落として下さいと相手に伝えるようなものだ。

 ということは勿論、俺の機体じゃ賊の戦闘機に速度面じゃ敵わないということだ。云うならば、敵前逃亡が出来ない状態。逃げたらどんなに距離が離れていても、後ろから撃たれるからな。

 俺は賊の戦闘機を見据える。真っ直ぐと進み続ける後ろ姿。いつ賊が新たな動きを見せてもいいよう、常時、機関銃の発射ボタンに手を近づけておく。

 ………。

 緊張の数分間。しばらく時が流れ……

「どっか行っちまった」

 賊の戦闘機は、完全にどこか遠くの海に飛び去って行った。

「新手のいたずらか?」

 ただ発砲しただけという謎の行動に、俺は疑問を浮かべる。

 だが好都合だ。無駄に弾を使わずに済んだだけいいとしよう。

 俺は一度辺りを見渡す。右は海。左も海。けれどそんなマリンブルーだらけの景色の中で、一つだけ、前方に青色ではないものがあった。

 それが、全体的に緑がかった島。

「やっと見えてきたか」

 俺は期待と興奮に胸を踊らせながら、愛機の高度を徐々におとしていった。ようやく、お目当ての島に着いたってわけだ。

まだ続くよ

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