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バカ殿様に転生しました。  作者: 吉良山猫
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領地視察

いつも誤字脱字訂正ありがとうございます。

名古屋城外


妊娠初期から安定期に入るまでの期間に悪阻などに苦しみことが多いので俺は虎千代には名古屋城にて無理をしないで過ごしていて欲しいのだが、どうしても視察したい物があると言うので村上水軍の屈強な男達に輿を担がせて名古屋城外の村々に視察に訪れている。


名古屋城が上杉輝虎の春日山城などと違うのは、山城や平山城、平城などの種類もそうだが俺の名古屋城は内装に秘密がある。


この時代の城は殆どが板張りであるが、名古屋城は人が住まう空間は総畳なのだ。


畳があるだけで身体への負担の軽減、冬の寒さ対策にも繋がる。


比較的暖かい名古屋の冬でさえ寒いのに雪国である越後の寒さはそれを遥かに凌ぐのだ。


快適に過ごしたい俺は名古屋城外の沼地が多い地域などを厳選してい草田を作り、それを栽培する伊賀者達の家を建てて村にしたのである。


畳作りの技術も俺の令和の知識を元に教え込んであり、栽培と製造の過程を全て任せているのだ。


基本的に他国に売り出すのではなく、尾張国内や岐阜に流通させるのを第一に考えている。


令和の時代において石川県でもい草栽培がされていたはずであり、であれば越後でも栽培できるということになる。


俺は虎千代と我が子の為に、無償でい草栽培と畳作りの技術を提供するつもりである。


春日山城の虎千代の館の分の畳だけは名古屋から運ぼうと思っている。


そのための移動手段は俺が考えている最終形態ではないが、この時代の日の本の物よりは優れた物が完成している。



次に視察に向かうのは、これも今現在栽培に力を入れている綿花栽培の村である。

この村も風通しがよく水捌けが良い場所を選び伊賀者を住まわせる家を建てて村にしたのだが、他の村より働きがよい。


その理由は服部半蔵に教えられてわかったのだが、村長をしている者の正体が藤林長門守だからである。


同じ伊賀上忍三家のうち服部家が尾張で重臣として大切にされ、百地家までもが直臣として優遇されているのを聞きつけた藤林長門守は様子を探る為に尾張にやってきたが、思った以上の高待遇を羨ましく思い、今川家や六角家は主従ではなく仕事を請け負うことがあるだけの関係な為、それらを精算して一族郎党で移り住み成果を上げるために必死で働いてくれていたのだ。


俺は半蔵から話を聞いた直後に藤林長門守を城に呼び出して直臣にしたのである。


その際には、藤林長門守は感激のあまり涙を流して喜び心から俺に忠誠を誓ったのである。


これで抜け忍以外のほぼ全ての伊賀者を俺が召し抱えた形となった。


綿花とはいわゆる綿製品の原材料であり、綿糸、綿織物などに用いられる。


また、種子は食用油や石鹸の材料にもなり、その搾りかすは優秀な肥料となるありがたい植物なのだ。


綿は衣類として大変優れており、通気性が良いので夏は涼しく着られ、冬は保湿性に優れているので暖かいという優れものだ。


今は昔ながらの方法で商品を製造しているが、今後紡績工場を作り量産予定である。


父信長や母吉乃、義母濃姫に献上した布団一式と木綿の衣服が大変気に入られ大量に生産して数を寄越せと圧をかけられてしまったのと、天王寺屋にも布団と反物、着物を見本として贈ったら最高の商品になるから是非とも大量生産して扱わせて欲しいと頭を床にこすりつけられてしまったからだ。


布団を体験した者達はまるで雲の上に寝てるがごとしだと声をあげ、衣類を着用した物達は何という肌触りの良さだとうっとりとした。


綿の量産に関して良かったことは、父信長が「尾張国内であれば誰の領地であろうと茶筅丸が使いたいと言えば貸し出せ。その代わり対価を払ってやる」と家臣団に宣言してくれたことである。


これによって俺は綿花栽培や紡績工場だけでなく、様々な産業に関して適した土地を自由に使えるようになったのでますます尾張国が発展するとほくそ笑む。


土地を提供した者達には銭を払うかそこで作られる品物を融通するかの他に、清酒なども毎年正月に無償で樽で届けることを約束したので悪く思う家臣達はいなかった。


繊維に関してもう一つ取り組んでいることがあり、天王寺屋にどんどん仕入れてもらっている羊の酪農である。


羊は、羊毛、羊肉、羊皮などだけでなく舌や胃や脳、肝臓なども良い食材となり、腸はソーセージを作るのに適している使い所の多い優秀な家畜である。


羊に関しては今は数を増やすことに専念している為、羊毛は刈っても〆たりは当分しない予定だ。


上杉輝虎の治める越後国は繊維の材料になる青苧の生産輸出が有名であり、京の都や大和国などにも流れる主力商品である。


しかし青苧の販売には座が絡んでおり、三条西家などが強固な態度を越後商人にとっている事実があった為、青苧の生産販売は継続しつつ綿花や羊の酪農などの新たな産業を始めることにより越後国の利益と発展に繋げるための今回の視察なのであった。




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