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バカ殿様に転生しました。  作者: 吉良山猫
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嘘だろ!?

俺はてっきり織田信長の嫡男である織田信忠に転生したと思い浮かれていたがすぐに地獄に堕とされることになった。


「茶筅丸目が覚めて良かった。あなたは五日間も目を覚まさなかったのよ」


「えっ奇妙丸でなくて茶筅丸ですか?」


「この子は何を言っているのでしょう?奇妙丸はあなたのお兄様でお城で帰蝶様の養子になって嫡男として育てられているではありませんか」


その言葉に俺は絶句した。茶筅丸というのは織田信長の次男で信◯の野望とかでめちゃくちゃ戦闘のステータスが低くて、三男の織田信孝に恨まれ揉めたり、徳川家康や豊臣秀吉に利用されまくったり、戦の失敗や家老殺しなど馬鹿殿様と呼ばれた武将だからである。


「そうでした」


しかし前世の記憶を持つ俺は阿呆ではない。さらに言えば俺が転生した織田信雄は父織田信長に最も容姿が似た美男子であり体格にも恵まれていたはずである。


本能寺の変後に没落した織田家の直系の中で唯一大名としてしぶとく生き残り、江戸幕府滅亡までその血を繋いだのも織田信雄である。


織田信雄の子孫は優秀な織田信長を筆頭とする織田家の血を覚醒させてスポーツにおいて世界一をとった天才であるが、マイクがちょんまげのあのCMはいただけない。まさに馬鹿殿様みたいだから。


しかし俺はこの少ない時間の中で自分の置かれた立場と、今後やるべきことを理解した為それを実行に移すことにした。


「母上聞いてください。私は夢の中で三途の川を渡っており対岸に着いた途端に沢山の老婆に服を脱がされそうになったのです。しかし熱田大神がその場に現れて我の加護を授けた愛し子に手を出すことは許しませんと私を救ってくださったのです。そしてこれからも神託を授けるので日の本をお願いしますと私に使命をくださりました」


「まあ、信じられない話ですが他の子達よりやや劣るというか難しいことは一切興味をしめさなかった茶筅丸がこれほどまともなことを言うとは嘘や妄想ではないと思います。信長様に報告せねば」


「母上お願いがあります」


「ふむ願いとは?」


「熱田大神の奇跡をおみせするので酒の入った壺と生駒家の上質な灰を用意して欲しいのです」


「あいわかりました。誰か用意しなさい」


俺は用意された酒に生駒家の灰を入れてこの時代は濁り酒しかなかったのだが、清酒を製造してみせた。最初は戸惑っていたまわりの者たちも清酒を一口飲んでその美味さに感動して悶絶した。


このことはすぐに父である織田信長の耳に入り生駒屋敷にドカドカと音をたてながら父信長が来襲した。


父信長は茶筅丸の熱田大神の神託の話を聞いた後に清酒を飲み固まった。


「こ、これは美味すぎる。日の本を変える酒である。茶筅丸が熱田大神の加護を授かったと言うのはまことであったか。清酒の作成方法は織田家のみの秘蔵とする。管理を徹底せよ」


織田信長は茶筅丸が考案した清酒が外交や政治、経済、全てのことに強い影響力を及ぼすことを確信して力を入れるとともに茶筅丸には褒美をやることにした。


「茶筅丸よ此度の清酒の製造あっぱれである。よって褒美をとらす。なんでも望みを言うが良い」


「はっ、ありがたき幸せ。でしたら父上傅役として滝川一益殿をお願いしたいと願います」


「であるか。よかろう茶筅丸の傅役は滝川一益をつけることに致す」


「ありがたき幸せ」


俺の計画は順調である。この時期の滝川一益がそれほど権力もなく無名なのは知っているが彼は甲賀忍者を束ねて使うのと、親族に戦国最強前田慶次利益がいるの知っているので全てまとめて味方にしたいと思っているのだ。


父織田信長に滝川一益の傅役を許可された俺は今まで誰もみたことのない満面の笑顔をふりかざすのであった。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 濁り酒に灰を落としても澄酒にはならない。 若干濁りが薄まるだけで味は最悪になる。 清酒にするには酒精を上げたり様々な工程が必要。
[気になる点] 驚いているのに、一気に言葉が流れていくのは「用意されているセリフ」ですね。 「こ、これは、、、」などで区切り、信長や吉乃がどのような様子なのかを描写したり、何をどのような下地を持って考…
[良い点] デスヨねー。 やっぱ、茶筅だったwww [一言] 奇妙様に転生なんて、そんな奇跡は起きない。
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