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深海物語

作者: 岸亜里沙


「教授、これは全く未知の生物ですね!」


深海調査船『ステルナ53』で、マリアナ海溝の底を調査していた研究員の浜田(はまだ)が、興奮気味に叫んだ。


「うむ。私も初めて見た。なんとか捕獲して、地上に持ち帰り研究したいな」


一緒に乗船していた教授の松本(まつもと)が答える。


目の前には、ゆらゆらと漂う半透明の未知の生物。

浜田が調査船から回収アームを伸ばす。

慎重にアームを操り、新種の生物の捕獲を試みる。


「よし、やった!捕獲成功です!」


無事に捕獲をし、浜田はまた叫んだ。


「よくやった。では早いとこ、浮上しよう」


二人を乗せた深海調査船は、ゆっくりと浮上を始める。

約3時間をかけ、水面へと戻ってきた。


待機していた海洋調査船へと移動した二人は、すぐさま捕獲した新種の観察に取りかかる。



「えっ?まさか教授、これって・・・」


赤いライトに灯された研究室で、浜田が呟く。

教授の松本は、ポカンと口を開けたまま、暫く何も喋らなかったが、少ししてようやく話し出した。


「私たちは、何を浮かれていたんだろう。これは・・・、ただのプラスチックのゴミだ・・・」


二人は暫く捕獲した新種の生物と思いこんでいたゴミを無言で眺めていた。






これは、笑えるようで、笑えないお話。



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