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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

復讐だ!!復讐だ!!復讐だぁーッ!!それもこれもみんな世の中の悪が強過ぎるのが原因だっていうだけど、どう思う?えっ私!?う~ん、オーマイゴッド!

作者: カツオ

来てくれてありがとう。ゆっくりしていってね。キャハァ~♪

 カイン:「はっぁーッ!!・・・・・・ふっぅ~」


 この男の子がこの物語の主人公になるカインよ、よろしくね♪

 あああ、男の子とは言っても、もう二十歳なんだけどね。てへ♪


 そして、この掛け声は剣のお稽古中でぇ~す♪

 でもぉ~随分と怖い顔をしているけで・・・何で?

 

 カイン:「マリー!!あぁーマリィーッ!!」


 うっわぁー!驚いた。

 あぁぁぁマリーね、マリー。

 マリーはカインの婚約者で幼馴染の女の子のことよ。

 あああ、この子も二十歳ね二十歳。あははは~♪


 それにしても、狭いお部屋の中で、もうかれこれ一時間よ、剣を振るっては絶叫するなんて、カインは変態さんなのかなぁぁぁ?

 いったいカインの身に何が起きたの?


 カイン「あぁーッ!!マリー!!マリィーッ!!」


 実は、今日はね、カインとマリーの結婚式のはずだったの。

 そうなのカイン、ふられちゃったぁ~、可哀想~♪

 なぁ~んちゃって♪てへ♪


 はい♪本当はね、今朝方、村に盗賊が来てマリーをさらって行ちゃった。キャハァ~♪

 ほんと大変だったんだから。

 聞いて聞いて、マリーを助けようとしたマリーの父さんと、カインの父さんがね、殺されちゃったの、スパッとねぇ~♪


 カイン:「あぁー何故だ!!??何故だ!!??何故だぁーッ!!??

 あぁーマリー!!

 父さん!!

 おじさん!!

 うっおぉー!!」


 うぅ~ん、そぉ~ね、小さな山間の村のちょっとした出来事よ。


 だってぇ~♪人の世の中てこんなもんじゃん、じゃんじゃん♪

 悲しい事の繰り返しよ。

 ねっ♪そう思わない?

 人間なんてさぁ~80年そこそこしか生きられない、か弱い存在よ。うふふふふ~♪


 えっ!?

 でも?

 それでも?

 人は・・・。


 あぁ~いい・・・いいわぁ~♪

 あ・な・た・・・可愛い・・・可愛いわぁ~うふふふふ~♪


 人の世はこんなにも悪いのに・・・ねぇ~♪

 どうしてかなぁ~?

 どうしてだろぉ~?

 あっはぁ~♪

 

 それはねぇ~世の中の悪が強過ぎるからよ。

 もぉ~お分かりでしょう?

 そうね、この物語の世界で言うのなら、人間達の王が邪悪だからよ。

 そして、王を取り巻く貴族達もね。

 あぁ~彼ら(貴族達)は、もっともっと・・・ヤバいかもぉ~♪キャハァ~♪


 だってぇ~♪人の貪欲さは底無しよ。そ・こ・な・し♪

 キャァァ♪怖いぃ~♪

 だから幾千年も戦い続けているのね。

 奴隷も、領土も、一杯一杯、欲しい欲しい♪てねぇ~♪


 だから戦争が終わらないのね。疲れ切った民も、難民も、沢山沢山いるよ♪

 そんな人達の中から幾人かが山へと逃れて行ったわ。

 その一つがカイン達が住む村ね。


 そう考えると今回の件は、まぁ~とばっちりちゃ~とばっちりよねぇ~。あぁ~可哀想~♪

 争いを避けて細々と暮らしていた温厚な人達が、略奪され、そして殺されちゃったぁ~♪

 これって何?

 キャハァ~笑える~♪

 キャハハハハ~♪


 まったくもって理不尽極まりないて、このことよねぇ~♪

 そう思わない?

 悪が強過ぎると・・・思いませんかぁ~?




 まぁ~いいわ、ここで少し今日あった事を振り帰ってみましょうよ。うふふふふ♪


 この日カインは山の中にいたのよ。

 村を上げての結婚式に出す料理を用意するためね。

 カインたらぁ~花婿さんなのに鹿を追って、幾日も山の中を探し続けたのよぉぉぉ。バカよねぇ~♪

 そしてやっとのこと大物を仕留めて、意気揚々と村へと帰る処でしたぁ~。


 カイン:「まいったなぁ~、結婚式の当日になってしまった。

 でも、この鹿の肉を見れば・・・きっと許してくれるだろう。

 これだけあれば皆が腹一杯食べられるぞ」


 そう言うとカインは重いシカ肉を背負い直し帰路を急ぐのでした。

 さぁ~さぁ~さぁ~♪

 急いで帰らないと大変だぞう♪


 その頃、村では・・・。


 『いやぁー!!助けてぇー!!』

 『へへへ、なかなかの器量じゃないか。おとなしく付いて来い!!』

 『やめてください。この子は今日結婚するんです!大切な花嫁なんですよ!』

 『はぁー花嫁だぁー!!うるさい!!そこをどけ!!』

 『どうかご慈悲をおかけください。ここに食糧があります。どうぞこちらをお持ちください』

 『ほうあくまでも逆らう気か!?おうお前ら、やっちまえ!!』


 悪役登場!

 悪い悪い盗賊達が剣で、マリーと、マリーのお父さんと、年老いた村長さんを脅してるよ。

 あぁ~大変だぁ~大変だぁ~、ど・お・し・よ・う♪

 すると、そこに走り寄る人物が・・・ジャジャン♪


 カレブ:「血を流してまでして、連れ去るおつもりか!?

 これ以上悪徳を積み上げてなんとする」


 はい♪カインのお父さんカレブの登場ですよぉ~。パチ・パチ・パチ♪


 『ほう貴様!?ただの村人ではないな?

 帰化した貴族の端くれか?」

 

 カレブ:「いかにも父は貴族でした。

 ですから戦争の虚しさも、残虐さも、伝え聞いております。

 それ故、この小さな村だけでも、見逃してはくれないか」


 キャァ~カッコイ~♪

 臆することなく、懇願する、その姿・・・しびれるぅ~♪


 これも貴族だったカレブのお父さんカルロスの教育の賜物ね。

 そうなよう聞いて聞いて、カレブのお父さんのカルロスてねぇ~、超変ってるの。

 だってぇ~・・・ずばり!

 貴族だったのに貴族が大嫌いでした!

 自分もあんな贅沢な暮らしをしておいて、どの口が言う?

 お前も同じ穴のムジナだちゅうに!

 

 注目♪

 貴族だったカルロスは剣の達人でしたぁ~。パチ・パチ・パチ♪

 戦争で沢山の血を流したんだよう。

 まぁ~本意ではなかったようだけどねぇ~。

 でも人殺しよ。

 貴族も、兵も、民も、沢山沢山殺しちゃったぁ~、こうバシバシとねぇ~。てへ♪


 それからが傑作なのよ。

 とにかく笑えるんだから。

 それはね?

 カルロスたら、もう貴族は嫌だぁぁぁ、て村人に帰化しちゃったの。

 お前は流血の罪人だっちゅうに!


 それなのにねぇ~カルロスたら、僕ぅ~真っ当に生きました、て大往生でぽっくりと行っちゃった。

 枕を高くして、家族に看取られながらね。


 カルロス:「よいかカイン、女子はバッコンして優しく撫でやるのじゃぞ。

 そして、欲情を解放させてあげるのじゃ。

 うんうん、お前ならできる。

 女子の全てを受け入れるのじゃぞ。よいな・・・・・・」


 何が『よいな』よ。

 このド・スケベが。

 バカじゃない。


 ちなみにこれがきっかけでカインとマリーは結婚することになりましたとさ。てへ♪

 もぉ~お分かりでしょ?

 うふふふふ♪

 できちゃったのよ。

 赤ちゃんがね。

 おめでたよ♪


 だから、この度の結婚式なの。

 村上げての超お祭り騒ぎだったんだから。

 だぁ~かぁ~らぁ~盗賊なんてお呼びじゃないのよ。

 

 あっ!そうだった・そうだった。

 カレブと盗賊の話しだったわね。

 カレブ・カレブ・カレブ・カレブと。


 と言うわけで。

 カレブは盗賊達をどうするのかしら?

 お手並み拝見ね。

 どれどれ・・・。




 『はぁー!!見逃せだぁー!!ふざけるな!!』


 カレブ:「目があるのなら見てみよ。持って行けるものなど、この貧しい村には何もない」


 『この女と少量の食糧がある。命が惜しければ、もっともっと出しやがれ!!』 


 はいはい♪盗賊と交渉だなんて無意味よ。

 力でねじ伏せなくちゃ、ねぇ~♪


 まあそんなことカレブだって百も承知よ。

 だってぇ~盗賊の正体は・・・ジャジャン♪

 戦争で敗走した貴族の成れの果てでしたぁ~。

 だぁ~かぁ~らぁ~クズもクズ、それも落ちぶれた超クズね。

 超笑える~キャハハハハァ~♪

 戦争だけでは飽き足らず、こんな山奥まで来て強奪するなんて、悪魔の所業よね。アハハハハ~♪


 ほんと、人の世て悪が強過ぎるみたいね。

 そうは思いませんかぁ~?


 あらあら、ちょっと目を離していたら、カレブ殺されちゃった。


 『おら・おら・おら・おら・おら・おらぁー!!』


 スプラッター・スプラッター・スプラッター♪

 首ちょんぱ♪


 もうそこまでする必要ある?

 ないよねぇ~♪あっはぁ~♪


 実は、これってただ怯えているだけなのよねぇ~。

 弱い者虐めする奴なんて、こんなものよ。

 そう丸腰で出て来たカレブの勇敢な態度に怖気づいたってこと。

 ほんとカレブたら頑張ったわ。

 一人息子のカインのためマリーを命懸けで守ろうとしたんだから。


 それなのに・それなのに。

 この盗賊達ときたら。

 超情けない奴ッ!バァーカ!


 『どうだ!!俺様に逆らうと、こうなるんだぞ!!??

 分かったかぁーッ!!』

 『ひぃー・・・・・・』

 

 見せしめとばかり、カレブとマリーのお父さんを惨殺しちゃった。

 今二人は血の池の中に倒れているわ。

 ちなみにカレブは首ちょんぱね。

 スプラッター・スプラッター・スプラッター♪

 もう村長さんたら、ガクガクゥ~、で、ビビりまくりぃ~。


 『いいか、また来るからな、今度はこんなナメたまねすんなよ。いいな!!』

 『いやぁーお父さぁーん!!』

 『あーうるさい!!(ビシャン)』

 『キャァー!!』

 『黙ってろ!!おい、縛り上げて連れて行け』

 『『『『へい!』』』』

 『あああマリー、あぁー・・・』

 『よし、帰るぞ!!』


 はい♪こうしてマリーは盗賊に連れて行かれましたとさ。てへ♪

 マリー、バイバイ♪


 


 はい♪

 そして、冒頭のシーンに戻るてわけね。

 あぁ~カイン、か・わ・い・そ・う♪


 もぉ~カインたらねぇ~プンプンなんだからぁ~。

 復讐に燃えちゃうぞう!GOGO♪


 そんでもって、復讐のチャンスはすぐに訪れたわ。

 ラッキー・チャ・チャ・チャ・ウッ♪


 そうなのよう。

 あれから一週間後、再び、あの盗賊達が村へとやって来たの。

 ワクワク・ワクワク。

 

 さぁ~復讐だ!!復讐だ!!復讐だぁ~ッ!!

 カイン、頑張ってね!ファイトー!




 『おいおい、もっとあるだろ!?さっさと出せ!!』

 『これ以上は、どうか御勘弁下さい。はっはぁー・・・』

 『口答えすんな!!殺されてぇぇぇのか!?あぁーッ!!』

 

 おぉ~やってる・やってる。

 村長さんが脅されてるよ。


 さぁ~カイン出番ですよぉ~♪GOGO♪


 カイン:「お待ちください!」

 

 カインは村長さんのもとへ駆け寄ると、ジャンピング土下座だぁー!

 これはぁ~?

 秘策ありと見た!

 ニヤニヤ♪


 『わっははははぁー、こいつ土下座してやがるぜ!

 おい、見て見ろ、こいつら皆、腰抜けだぁー!!

 わっははははぁー!!』


 盗賊のリーダーが後ろを振り向き、手下どもに話し掛けたよ。

 意気揚々と威勢を張ちゃいます。

 僕、強いんだぞぉ~、てね♪

 

 バカじゃなぁ~い!

 油断大敵、窮鼠猫を噛む、て言うでしょ。


 カイン:『はっ!!』


 ほんの一瞬だったわ。

 カインたらね、飛んだのよ、飛んだの!

 背中に忍ばせていた短刀で、盗賊の喉を切り裂いちゃった。

 

 カイン:「父の仇、取ったぁー!!」


 ぶっしゅぅーッ!て凄い血しぶきが上がたわ。真っ赤な噴水よ。キャハァ~♪

 そして・そして?

 ズドンて、盗賊の巨体が倒れたのう。

 もぉ~皆、ド・ビックリよ♪


 カイン:「この人間のクズども!!

 天に代わって成敗してやる!!」


 キャァー♪カイン、カッコイー♪

 やちゃって・やちゃって・やちゃってぇ~♪

 ヒューヒューヒュー♪


 『おのれぇー!!』


 おぉ~若い盗賊が斬りかかって来たぞ。

 カインは冷静にバックステップで間合いを広げると、その単調な切り込みを見切ったわ。

 すれ違い際に首を斬り落としちゃった。

 刃先が短い短刀で、この剣さばき、カイン、なかなかやるわね。


 カイン:「囲まれたか・・・」


 盗賊は残すところ三人ね。

 もう不意は打てないしどうする?

 あぁ~楽しくなってきたぁ~、ウキウキ♪


 『囲め囲め!!』

 『おらおら、どうした・どうした!!??』

 『剣の錆にしてやる』


 ステップを踏みながら、威嚇し続けるカイン。

 間合いを詰められたらお終いよ。

 カイン、ガンバ♪

 

 カイン:「はっ!!」


 フェイントと同時に駆け出したわ。

 チャンバラだ・チャンバラだぁ~♪


 『逃がすかぁーッ!!』


 カインは全力で建物の裏へと走り込んだわ。

 そして・・・。


 カイン:「はぁーッ!!」


 振り返っての渾身の突きを・・・決めちゃったぁー!!


 『ぐぇ(ぐしゃ・ぶしゅぅー)』


 もう最高ぉー!

 三人目の顔面にクリティカルヒット!

 

 あっ、カイン、切られちゃった。

 あ~あ、ここまでか。

 突きで突き刺さった剣が上手く抜けなかったのね。


 『この・この・この・このぉー!!』

 『手こずらせやがって』


 あらあら、めった刺しじゃない。

 もうカインたら、ピクリとも動かないわ。

 

 『くそう・くそう・くそうぅー!!なんて奴だ・・・』

 『はぁー・・・三人もやられちまった』


 おぉ~おぉ~おぉ~ビビてるビビてる。

 まあ村人の青年一人に盗賊が三人もやられたのだから、まあ驚くか?

 

 こうして、二人の盗賊は恐ろしくなり早々と村を立ち去るのでした。




 これでカインの物語(人生)は終わりよ。

 だってカイン死んじゃったんだもん。

 もうどうすることもできないわよね。

 あ~あ、無力なカイン。トホホォ~イ♪


 ねぇ~ねぇ~教えて教えて?

 どうしてカインは死なくちゃいけなかったの?

 どうして?

 どうして?

 どうして!?


 それはね、世の中の悪が強過ぎるからよ。キャハハハハ~♪うっけるぅ~♪

 



※※※




 チャオ♪

 チャァ~オ♪

 皆、元気にしてる?

 私は、ちょっとブルーかな・・・なんちゃって♪


 実はねぇ~、このカインの物語には後日談があるのよ。

 興味ある?

 あるよねぇ~?

 正直胸糞悪いお話しなんだけどね。

 まあ見ててよ・・・ねぇ♪




 『戦いましょうよ!』

 『いやしかし・・・』

 『きっと次は皆殺しにされるぞ』

 『いやそれはぁぁぁ・・・』

 『カインと一緒に闘っていれば・・・もしかしたら・・・我々も・・・くぅーッ!』

 『うぅー・・・』


 村長さんと村人さん達は、こんなしょうもない話しを、かれこれもう三日も繰り返しているのよ。

 はぁぁぁ、まあ辺鄙な村の村長さんにリーダーシップを期待するのも、酷かぁ~。


 『あぁーもぉーいい!!俺達だけでやる。村長は引っ込んでいてくれ』

 『『『『『『『そうだ・そうだ!!』』』』』』』


 はい♪こうして、盗賊に反旗を翻すこととなりましたとさ。

 ようしガンバちゃうぞう♪エイエイオー♪


 でぇ~もぉ~肝心の盗賊達がね。一向に現れないの。

 ど・お・し・た・の・か・なぁ~?

 実はねぇ~、カインの武勇伝に怖気づいて近づけないのよ。


 へぇ~不幸中の幸いてやつ。 

 カイン死して村を守る・・・か。

 カイン、カッコイ~♪キャハァ~♪


 そして季節は巡り寒い冬が訪れます。

 今年は、実りが少なかったから、収穫も心持たない量なの。

 それに北風もピューピューでしょう。

 もう死にそぉ~♪

 今年の冬は厳しくなりそうね。


 そんな折、再び盗賊らが現れたわ。

 それも今度は大勢よ。

 20人はいるわね。


 『おい村長、村人達を皆集めろ。隠れても無駄だぞ』

 『はぁ~・・・』

 『おい、早くしろ。老いぼれて、もうろくしてるのか?』


 はい♪皆仲良く集めて皆殺しよ。

 食糧や資材を根こそぎ頂く魂胆ね。


 いくら何でも、もうさすがに平和ボケした村長さんも気付いたようね。

 杖を天高くかざし合図を送るの。


 この日のために皆で準備して来たんだからぁ~。

 此処で会ったが百年目よ。

 さぁ~戦ちゃうぞぉ~!GOGO♪

 

 村人達は物影から一斉に矢を射ります。

 もう総力戦なんだからぁ~、矢が無くなるまでどんどん行くわよう。それ・それ・それ♪


 『矢を射れぇー!!』

 『『『『『『『『『『おぉー!!』』』』』』』』』』

 

 あ~あ、バカな盗賊達。

 また油断したのね。

 剣は鞘の中だし、盾も担いだままよ。

 

 『村長ぉー謀ったなぁー!!』

 『・・・さぁー何のことやらさっぱり』

 

 飛んで来る矢に翻弄される盗賊達。

 ちなみに村長さんも早速矢を受けて、もうピクピクしているいわ。

 これはもうダメね。てへ♪


 それにしても、この不意打ちは成功のようね。

 もしかして?

 勝てるかも♪


 『うっおぉー!!突撃ぃー!!』

 『『『『『『『『『『おぉー!!』』』』』』』』』』


 村人達は、男だけでなく女も子供も、手に武器を持って戦ったわ。

 

 『うりゃぁー!!』

 『くそうぉー!!矢さえ受けていなければ、こんな奴らにぃー・・・くぅーッ!!』

 『この人でなしがぁー!!この・この・このぉー!!』

 『痛てぇーよぉー!!痛てぇーよぉー!!』

 『カイン達の仇ぃー!!』

 『ぐっえぇーッ!!』


 さぁ~さぁ~さぁ~♪

 死ぬ気でやれば何とかなるわよ。

 頑張って。


 で?

 気になる勝敗は?

 はい♪村人達の勝利でぇ~す♪

 パチ・パチ・パチ・パチ♪

 いやぁ~皆頑張りましたねぇ~♪

 そして皆死んじゃいましたぁ~♪

 あらぁ~大変♪

 はい♪生き残ったのは、力持ちの木こりさんと、一組の夫婦だけよ。


 あっ、そうだった・そうだった。

 村長さんの奥さんと小さいお子さん達が家の中に隠れていたの忘れてたぁ~♪

 と言うことは、大人4人、子供3人の合計7人が生き残ったてことね。

 二十数人居た村人達が7人にまでに減ちゃった。

 まっ、こんなものよね。

 人が戦って死ぬなんて必然よ。うふふふふ~♪

 


 

 『さぁー急いで仕事に取り掛かりましょう』


 村長さんの奥さんの指揮の下、この戦いで亡くなった村人達を埋葬するのね。

 これは大変な仕事になりそうね。

 何と言っても数が数だから。

 でも急がないといけないわ。

 

 そう理由がちゃんとあるのよ。

 勿論、村長さんの奥さんも承知しているわ。

 えっ?

 それは何って?

 うふふふふ♪

 それはね・・・盗賊の報復よ。


 注目♪

 なんとぉ~盗賊はまだまだ沢山沢山いるんだよぉ~。てへ♪

 さぁ~大変だぁ~大変だぁ~ど・お・し・よ・う?


 そうね、まずは取り敢えず盗賊達の事から話そうかしら。

 この村から5つ山を越えた所に渓谷があるの。

 丸一日は掛かる道のりだから、それなりに遠いいわね。

 その自然の要塞である渓谷に盗賊のアジトがあるわ。

 今日の戦闘で20人余り減ったけど、まだ百人はいるんじゃないかな。

 だから、まだまだ結構大きな勢力ね。


 そんでもって問題はここからよ。

 盗賊達も今回の件で異変に気付くわ。

 なんてったって20人もの盗賊が死んで行方不明になっちゃったんだから。

 きっと何かしらの行動を起こすはずよ。

 

 あぁ~そう・そう・そう、盗賊のアジトで思いだしたわ。

 少し話しが変わるんだけど、話しついでにマリーのことを話しちゃおうかなぁ~♪

 えっ?

 マリーだよ。

 カインの婚約者で幼馴染のマリー!

 OK?

 思い出してくれた?

 あぁ~よかった。

 じゃ、お話しするね。


 カレブとマリーのお父さんが殺された、あの日、マリーは盗賊達にさらわれて、このアジトに連れてこられたの。

 そしたらね、マリー、皆の予想通り酷い目にあっちゃった。てへ♪


 もう大変だったんだよぉ~、カインとの赤ちゃん流産しちゃうし。

 それが原因で体調は崩すし。

 精神は崩壊しちゃうし。

 それから・それから、カインの死を伝え聞いた時なんて、『キャァー!!』てねぇ~卒倒して倒れちゃった。

 それから数日後よマリーが亡くなったのは。

 マリー・・・可哀想な子。てへ♪




 さてと、村の様子はどうなったかしら?

 早くしないと盗賊達がまた来ちゃうぞ。


 『はぁー疲れたぁー・・・』

 『こっちはまだまだ手が掛かりそうです』 

 『そうねぇー、でもあまり根を詰めないでね。お茶にしましょう』


 あちゃ~埋葬に相当手間取っているようね。

 こうりゃぁ~いつ終わることやら。トホホォ~イ♪ 




 そんなこんなで6日後よ。


 『さぁー食事の用意が整ったわよ。たんとお食べ』

 『わぁ~御馳走だぁ~』

 『凄い凄いー、こんなに食べていいのぉ~!?』

 『・・・おいちそう』

 『さぁーゆっくりお食べ』


 わぁ~い♪パーティーだ♪パーティーだ♪パーティーだぁ~♪

 お腹いっぱい食べちゃうぞぉ~♪

 楽しいな・楽しいな・楽しいなぁ~。


 テーブルの上には所狭しとお料理が並べられているわ。

 そして、村長さんの奥さんがね、かいがいしく小さな子供達のお食事の世話をしてあげるの。

 彼女にとって村の子供達は孫みたいなものよ。

 皆、可愛い可愛い可愛い、てね。

 あっ、一番ちちゃな男の子は本当のお孫さんでしたぁ~。てへ♪


 今日は楽しい楽しい最後の晩餐よ。

 村で生き残った7人で暖かい食卓を囲むの。

 もう最高の気分よ。キャハァ~♪

  

 えっ?

 最後の晩餐?

 そうよ、お食事の後、皆で仲良く一家心中するのよ。てへ♪


 この日、村に火が付けられたわ。

 そして、その火は、生き残った7人の村人と、村人達の生活の糧全てと、盗賊達の亡骸を灰に変えて行くの。

 なんて無慈悲な炎なんでしょう。

 惚れ惚れするわ。キャハハハハ~♪




 これでカインが生まれ育った、この辺鄙な村も滅んでしまったわね。

 だって、みんなみんな灰になってしまったんですもの。

 もうどうすることもできないわよね。

 あ~あ、無力な人達。トホホォ~イ♪


 ねぇ~ねぇ~教えて教えて?

 どうして、この村は滅んでしまったの?

 どうして?

 どうして?

 どうして!?


 それはね、世の中の悪が強過ぎるからよ。キャハハハハ~♪うっけるぅ~♪




※※※




 やっほぉ~♪

 皆元気してたぁ~♪

 えっ?

 私ぃ~?

 うぅ~ん、ぼちぼちかな・・・。


 あぁ~、そうだった・そうだった。

 ここまでお付き合い頂きありがとうございました。てへ♪

 嬉しいな。

 ほんとだよ。

 だからねお願いがあるの。

 聞いてくれると嬉しいな。

 えぇ~とね、実は、最後にもう一つだけお話しを聞いて行って欲しいの?

 どうかな?

 聞いてくれる?

 本当にこれで最後にすらから・・・ね♪

 えっ、OK?

 ヤッタァ~♪

 じゃ、お話しするね。




 『まだ戻ってこぬのか?』

 『はい、一向に』

 『どうしたのでしょうね。もうかれこれ一週間にはなりますな』

 『うぅーん、そうかぁー・・・』


 はい♪これはね、盗賊のアジトの様子よ。

 でも何だかもめているようだけど?

 どうしたのかな?


 『例のカインという若者の件もありましたし・・・これは何かあったのでは・・・』

 『だからこそだ!この度の出陣・・・万全を期したのではないのか?』

 『それはもう・・・なぁー・・・』

 『ああ、その通りですとも・・・万全を期しましたとも』

 『それでこのありさまか?』

 『そう言われましてもなぁー・・・おいおい・・・』

 『あああ、そうですとも・・・うぅーん・・・』


 あぁ~カインが生まれ育った村を滅ぼすために出兵した盗賊達が帰ってこないから、慌ててるんだ。

 ふぅ~ん、なるほどねぇ~。

 て言うか、もう村人も盗賊達も皆死んでるちゅうに。ねぇ~。


 『もうよい!ワシが自ら確かめてやる』

 『そこまでしなくとも』

 『ええ、そうですよ』

 『えいえい!無能共が!使えん奴らだ!』


 あらあら、盗賊の頭が怒り出しちゃった。

 怒りん坊さんね。

 でも、こうなると、あれかな?

 出撃だぁぁぁ!オー!


 でも、その前に、ちょぉーと補足説明をしておこうか?

 この会話だけだと分かりずらいでしょ?

 ねっ?

 そうしようよ?

 OK?

 よかったぁー。

 じゃ、説明するわね。


 この盗賊の頭も勿論、元貴族よ。

 それもかなりの大物よ。

 実は、二年程前に大きな戦争があったんだけど。

 その時の仲間割れによって国を追われちゃった。

 いい気味だこと。うふふふふ~♪


 聞いて聞いて、超笑えるんだからぁ~。

 因果応報てやつよ。

 彼(盗賊の頭)たらね。

 国を追われ。

 財産も粗方失い。

 13人もいた息子達も一人を残して皆殺されちゃった。


 そしたらね・・・彼ったら・・・泣いちゃったの。

 ワ~ン・ワ~ンて子供の様に泣き出しちゃった。

 もぉ~しょうがない子なんだからぁ~。ヨシヨシ♪

 私が慰めてあげる。

 はぁ~い♪ママのオッパイでちゅよぉ~・・・。

 ぷ・ぷ・ぷ・ぷ、キャハハハハ~♪

 ほんとざまあないわねぇ~。

 うっけるぅ~♪


 ねっ?

 最高でしょう? 


 そんでもって、その生き残った最後の一人の息子も・・・少し前に死んじゃった。てへ♪

  

 あぁ~そう・そう・そう、その少し前に死んだ息子って、カインが倒した、あの巨体の盗賊リーダーのことよ。

 まあ妾の子だから、跡取り息子てわけじゃないんだけどね。

 でも一様、彼にとっては可愛い息子だったようね。うふふふふ♪

  

 えっ?

 娘達は?

 あぁぁぁ彼女達の事ね?

 聞きたい?

 そうねぇー、それはもう最高に愉快なお話しよ。

 あぁ~少し思い出しただけでも超笑える。キャハハハハ~♪


 あぁーでもねぇー、あの子達のお話しをすると長くなっちゃいそうだから、また今度にしようね。


 えぇーと、何処まで話したっけ?

 あぁ~あぁ~あぁ~、だから彼は命からがら落ち延びて来たて処ね。

 そうなのよ、今の彼に以前のような権力も余裕も一切無いわ。

 そこに来てカインが引き起こした今回の一件でしょ。

 実は相当な痛手となっているの。


 てなわけで、私の愛しいどうしょうもない愚か者の彼は、腕利きの盗賊を40人程集めて出撃しちゃった。てへ♪




 それから・それから。

 彼がカインの生まれ育った村に到着したのは二日後の昼過ぎのことよ。

 だってぇぇぇ、斥候を遣わしたりと、実戦さながらの進軍だったから、時間かかちゃった。


 『・・・ここか・・・』

 『斥候の報告どおり村全体が焼け落ちていますね』

 『何も・・・何も・・・残っていないのか・・・??』

 『まあ灰になってしまいましたからね』

 『・・・そうだな・・・・・・』


 もぉ~情けないわねぇ~。

 私の愛しいどうしょうもない愚か者の彼が、すっかり臆病者になちゃったわ。

  

 『これでは間違いなく生存者は無しだな・・・』

 『まだ付近を捜索中ではありますが。まあそうなるでしょうね』 

 『そうだな・・・』


 ねぇ~?

 すっかり死に怯えるようになちゃったでしょ。

 以前の彼の様な猛々しさは、もう微塵も無いわ。

 あ~あ、つまんない。

 

 あぁー思い出すわぁー。

 以前の彼たら、それはもう超素敵だったんだからぁ~。

 あそこも年がら年中発情期でビンビンだったのよ。

 数百人もの女子供を強姦し。

 数十の町や村を焼き払い。 

 数万人もの人の死に加担してきたのに。

 あ~あ、ほんと、つまんない・・・な。


 『そろそろ帰還するか。準備をさせろ』

 『はい、承知しました』


 トボトボと帰って行く彼。

 見ているだけで辛いわ。

 もぉ~百年の恋も冷めちゃうぞ。




 そして、彼が盗賊のアジトに帰って来たのは翌日の昼前のことでした。


 『それにしても、お腹が空いたな。帰ったら何か作らせるとしよう』

 『そうですね、皆腹ペコですよ』

 『『わはははは』』


 あらあら、のんきなことね。 

 これから自分達に起きることも知らずに・・・ね♪うふふふふ♪


 『なんだ?城門が閉じているではないか?見張りの者はどうした?』

 『そうですね。職務怠慢ですね』

 『まったくもってたるんでおるな』

 『開門!!開門!!』


 おぉーい、主様のお帰りだぞぉー。

 あら?

 ピクリとも反応がないわね。 

 ど・お・し・た・の・か・な?


 『矢を射れぇー!!』


 うっわぁー!火矢が雨あられのように降ってきた。

 これは絶対絶命のピンチ!

 あぁ~大変だぁ~大変だぁ~、ど・お・し・よ・う♪


 『な・な・な・なんじゃ!』

 『引けぇー!!引けぇー!!引けぇー!!逃げろぉー!!』

 

 そうは問屋がおろさないぞ。

 ここが年貢の納め時。

 月に代わって、おしおきよ!

 なんちゃって♪


 『背後には伏兵です!!逃げられません!!』

 『何ぃーッ!!??』

 『くぅーうっ!はめられたか・・・このワシが・・・』


 はい♪下剋上よ。

 もぉ~悪人て最高ぉ~!イエーイ♪

 ワクワク・ワクワク。

 ドキドキ・ドキドキ。

 あぁ~面白くなってきたぁ~。

 騙し合い、裏切り、そして殺し合いよ。

 さぁ~どんどんいちゃってぇ~。GOGO♪


 『うっわぁー!!』

 『くっそぉーッ!!俺達は身方だぞぉー!!』

 『あぁー!!あぁー!!あぁー!!死ぬぅー!!』

 『止めろぉー!!止めてくれぇー!!うっうぉーッ!!』

 『はぁー・・・死ぬのか?・・・ワシが?・・・あぁーもう疲れた・・・疲れたよ・・・』


 あっ、彼(盗賊の頭)が死んじゃった。

 私の愛しいどうしょうもない愚か者の彼が死んでしまったわ。

 あ~あ、これで私が目を掛けていた人達も皆皆死んじゃったわね。


 実はね、もうこの地域一帯には生きた人間なんてほとんどいないのよ。

 盗賊達も半減し、どうしょうもない臆病者しか残っていないし。

 それに盗賊のアジトの半径数十kmにあった6つの村全てが滅んじゃった。

 凄いでしょう?

 まずはカインの居た村ね。

 その他にも、三つの村は皆殺しに合って廃村だし。

 残りの二つも、粗方食糧を奪われてしまったから、今年の冬は越せないわね。

 あぁ~寒さが身にしみるぅ~てか♪


 だからもう皆皆死んじゃったようなものよ。

 ほんとざまあないわねぇ~。キャハハハハ~♪


 さてと、私の愛しいどうしょうもない愚か者の彼も死んじゃったことだし、どこか遠くへと行ってみようかしら。

 ねぇ~戦争の知らせとか聞いてない?

 あぁ~そぉ~かぁ~、貴方は違う世界の住人だったわね。

 ゴメン・ゴメン。

 まあ、適当にうろついていれば、戦争の一つや二つすぐ見つかるわよ。うふふふふ~♪




 これでこの物語も終わりよ。

 だって皆皆死んじゃったんだもん。

 もうどうすることもできないわよね。

 あ~あ、人て無力ね。トホホォ~イ♪


 ねぇ~ねぇ~教えて教えて?

 どうして皆は死なくちゃいけなかったの?

 どうして?

 どうして?

 どうして!?


 それはね、世の中の悪が強過ぎるからよ。


 ふぅ~ん、そうなんだぁ~。

 じゃ、どうして世の中の悪は強過ぎるの?

 どうして?

 どうして?

 どうして!?


 それはね、人の業が深いからよ。


 へぇ~え、そうなんだぁ~。

 じゃ、どうして人の業は深いの?

 どうして?

 どうして?

 どうして!?


 それはね、人の世を陰で支配しているのが私達悪魔だからよ。てへ♪

悪魔子で貫き通そうかとも思いましたが、最後のご挨拶は普通にさせて頂きます。

さて、まずは変な小説を投稿してしまったことをお詫び申し上げます。

また、最後までお読み頂きありがとうございました。


後書きということですので、私が感じたことを少しお伝えできればと思っております。しばしお付き合いください。

この小説は『世の中の悪が強過ぎる』をテーマにして執筆しました。ですから、私達が生活を営む今の世の中を風刺した作品です。よって全く救いがありません。あるのは絶望だけです。

消極的なメッセージですが願いも込められています。それは誰か助けてくださいです。私の願いでもあります。ああ神様、哀れな私達をどうかお救いください。アーメン。



追記

『Angel SOS』という連載小説を執筆しております。是非応援して頂ければ幸いです。

実は、2022年11月初め現在、39話まで投稿しておりますが残念ながら風前の灯火です。全くと言っていいほど読んでもらえません。大変苦戦しております。

『小説家になろう』さんのシステム上、評価を頂かないと始まりません。どうかお力添えを頂けないでしょうか。このままでは消えゆく運命です。お願いします。助けてください。


駄文失礼しました。

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