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お題シリーズ5

けんか 山

作者: リィズ・ブランディシュカ



 俺には友人がいたけど、そいつとの間にはわだかまりがあった。


 だから、容易に話ができない関係だった。


 俺とあいつはけんかしていたから。


 そんなだったから、必然的にそれは起こってしまったんだろう。


 夏の日に、夏休みの日に、山へ行こうと数週間前に約束していたんだ。


 その時はまだ、けんかなんてしてなかったから。


 いかなくなるなんて思わなかったんだ。


 通っていた学校が、夏休みに入って。カレンダーを見て「あーあ」ってなった。


 でも、何か行動しようとか、スケジュールについて確認しようとかは思わなかった。


 口をきかなくなった俺は、そいつのことなんて考えないようにして過ごしていたから。


 その結果が、あいつの死だった。


 あいつはなんで、一人で山へ向かったのだろう。


 何で携帯が繋がるのに助けを呼ばなかったんだろう。


 あいつが死んだときの情報は誰にも教えてもらえなかった。


 だから、あいつが何をどう思っていたか、なんてまるで分らない。


 推測すらできない。


 けんかなんてしてなければよかった。

 そうしていたら、きっと二人で山へ行っていたはずだ。


 あいつが一人で死ぬなんてことなかったかもしれないのに。





 俺は今日も、そんなことを考えながら布団に入って、眠りについた。


『おまえとけんかしたせいでおれはしんだんだ』


『おまえとの事がショックだったからシンダんだゾ』


『ずっと うら んで や る』


 あと何回そんな恨み言を夢の中で聞けばいいのだろうか。




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