表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

あなたを、愛した日々に悔いないし!

作者: 七瀬







僕の好きな女性ひと

僕の好きなひとは、年上の女性だ。

僕よりも9個も年上で、しっかりしていて一緒に居て

安心するひと。

僕みたいな、年下の男と何故? 彼女は付き合おうと思ったのかな?

彼女ぐらいキレイで考え方のしっかりした人なら? 他にもステキな

男性ひとがいたに違いないのに、、、。

彼女は、こんな僕を選んでくれた。

僕は優柔不断だし、彼女に甘えっぱなしだ!

頼りないこんな僕を彼女はどこが良かったのだろう。

彼女とは、付き合って2年になるが未だに僕を選んでくれた理由が

よく分からない。

僕みたいな人間は、どこにでも居ると思う。

年下で優柔不断、彼女にベッタリと甘える男。

だから、僕はたまに彼女に同じ質問をする。



『ねえ? なんで僕を選んでくれたの?』

『えぇ!? また?』

『だって、いつも答えになってないでしょ!』

『うーん? 一緒に居て楽だからかな。』

『前は、甘えるところが好きって言ってたじゃん!』

『日によって、“答えが違うだけでしょ!”』

『そんなの、答えになってないよ』

『じゃあー何て言ってほしいのよ?』

『例えば? “僕じゃなきゃいけない理由が知りたい!”』

『・・・うん? ないよ!』

『もぉ~ちゃんと答えてよ~!』

『まあまあ、今度ね!』

『えーぇ? また今度なの? そればっかりじゃん!』

『そういう子供っぽい所も好き!』

『もぉー今度でいいよ!』

『うん!』





・・・いつも、彼女は僕を子ども扱いして揶揄うんだ。

何度、僕が彼女に同じ質問しても日によって答えが違う。

僕は、彼女が何故僕を選んでくれたのかを知りたいだけなのに。

彼女は、ちゃんと答えてくれない!

それでも僕が彼女と一緒に居るのは、僕が彼女を愛しているから。

きっと、彼女にも僕のようにほんの少しでいいから好きでいて

欲しいだけなのかもしれない。

僕ばっかり、彼女を好きなのは癪だから。





 *




でも、彼女と一緒に居る時間はそんなに長くなかった。

彼女が、交通事故に巻き込まれて下半身不随になってしまう。

彼女の足は、一生動かないと医師に言われ絶望的に彼女は落ち込んでいた。

僕は、そんな彼女を励ますためにいろいろ頑張ったのだけど?

彼女は、僕と会えば必ずこういうようになった。



『・・・ごめん、もう帰って!』

『まだ、来たばかりだよ! もっと一緒に居させて!』

『何で、私なの? ハルキだってそう思ってるんでしょ! 

もう、別れてあげる! ハルキを自由にしてあげるから、もうココには

来ないで!』

『史穂さん、』

『もう、帰って!』

『・・・また、明日も来るから』

『・・・・・・』





僕は、彼女に何を言われようが毎日雨の日も風の日も台風の日も

彼女が入院している病院に足を運んだ。

彼女も、最後の方は諦めているのか? 呆れているのか?

僕と普通に、会話が出来るまでに心も回復していく。





・・・半年後。

彼女は、車椅子を乗ったまま退院する事になった。

僕も彼女と一緒に生きていくためにいろんな事をやめたし!

今までしない事まではじめた。

これもそれも! 全て彼女の為!

僕の人生に、“あなたを、愛した日々に悔いないし!”




これからも、僕と一緒にゆっくりふたりで生きていこう!




最後までお読みいただきありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ