メイクラブ
折り鶴を折ってる。
ひとつひとつの手順を終えたら、お互いに渡し、折り鶴を折っている。
暗がりの中なので、折りかけの折り鶴から発する灯りだけなので、そのひとの掌の先と作業を賄う両膝のあたりしか見えないが、随分とこうしたことにお互いを付き合わせている間柄なのは分かっていた。
真四角だった茜色の紙は畳まれ、ほそい菱形をつくって、わたしに渡された。
両端を持って胴のあたりを膨らませ、平面だった紙が名を記した身体を与えられる工程だ。折り始めがわたしからの時でも、いつもこの工程はわたしに渡される。どのように遡ってみても、どこかの工程を端折ったり或いは長引かせたりしてるわけではないのに、聞こえない「はいっ」という促しをいつも付けて、そのひとはわたしに渡してくる。
「ふぅー」と、息を吹き替ける。
アタマやオッポの最後の仕上がりを待ってからの手順が正しいのだろうが、待ちきれない顔をするから、手順を違えてもそれをわたしにやらせるから、わたしはお互いの膝のあたりにある折り鶴をそのときだけ己れの唇に運び、腹式呼吸の体で鶴の胴を膨らます。
ふぅー ふぅー
そのひとの視線が刺さるように、感じる。
不器用なわたしは一度では膨らませられないから、二度三度と繰り返し、折り鶴は少しづつ親指の腹のような小さな胴を与えられる。
見えてはこないが、膝に置いた両の掌の指先の硬さから、そのひとがイッたのをしる。
今日もちゃんとイケたんだねと息を抜いたら、覚めた。




