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アマガエルぴょんかのこと
ぴょんかをまた飼いたと思った。アマガエルではなくぴょんかをである。下の子が小学1年のときに捕まえてきて、それから7年我が家で生きた。死んでしまってから同じ7年が過ぎたので、どこかでちょうどそれが繋がったらしい。覆ってきたものは、感傷より、もう一度いちからそれを始めてみたい新たな気分の方が似つかわしいようだ。
来たときは小指のはらくらいだったぴょんかに、家族みんなで蠅を捕まえ毛虫を捕まえ食べさせた。毛虫のときは、たぶん毒を抱えていたのだろう、うぇーというしかめっ面を見せて段々とひとさし指のはらにまで成長する7年間をもう一度味わってみたい。
そうした三十代の終わりから四十代の始めまでの7年間の感じが、肌を、身体を覆ってきているらしい。
昨日もおとといも夏を近づける陽射しだ。海がキラキラと近づいてくる陽射しだ。今日もそうなるだろう。初夏にも梅雨にも入らぬ暑さを楽しむ待ち望む爽やかな今だから、ぴょんかの濡れた緑色がそれと繋がって、脇の方からすっと入ってきた、らしい。