プルンの隕石
繋がっていたものの最後だけを覚えている。或いは前の方はかたちには成りえなかったのかもしれない。
わたしはどうやら子どもらしい。仲間と一緒につるんでなにごとかを企んでいるからソコソコの子供らしい。先達の子がそこまで連れていき、わたしとペアになった子ともどもリュックの口を開けるよう促した。中から何かを取り出すのではなく、これから降ってくるものを開けた口に納めるための準備らしい。夢でありながら気の長い話だと少し間を置いたら、すぐにポタポタと光るものがふたつもわたしの方に入った。
「隕石だ、星だ」と、ふたりを取り囲む周りのワクワクが移って、わたしもハイテンションになる。此処に来たばっかりなのに、入ったばっかりなのにの羨望の眼差しを感じる。どうしたって嬉しげな得意げな顔になっていたが、二つも来るんだったら一つくらい向こうの子の中に入ってあげればいいのにと、少し大人の配慮が混じるので完全には子どもに戻りきれてないらしい。中身を見ようと覗いてみたら、それらしい熱さが感じられないので手を伸ばして触ってみた。
軟らかい。重さはあるが鉄や石のそれでなくフニャフニャしたグミのような触感だ。もちろん触れた最初の感想がそれだから熱くはない、冷え冷えしてる。熱いものが冷めたのでなく、元々がこうしたものの冷たさだ。外に出してみると、缶詰の桃のイチョウ型した橙色に大きなヨーグルトの白い帽子を載せたプルルンの姿が現れてきた。周りは、期待したもの以上でも以下でもないと悟ったらしく、平らな空気感に戻っている。きっとこれから別のことに興味が移っていくのだろう。ひとつも入らなかった前の子もそちらに傾いていって今のことがこれからのしこりにならなければと願っていたら、一人ここから切り離されて戻された、夢から覚めた。