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ひとり頑張るアップライトピアノ
ピアノがマーラーを奏でていた。
たった1台の、それもアップライトピアノのくせに伴奏ばかりかテノールまで歌っている。箱を覗くと、暗がりの奥がまっ赤なしゃく銅色していて、李白の詩をのどチンコ震わせて歌っている。どれだけ身体を使ってるのだろうと疑念が湧いたら、案の定うしろの方でしっかりバカスカ食っていた、食い込まれていた。
食っているものや食い込まれている姿は見えたが、あまりにおぞましい。此処では描けないと思ったら、すぐに「離してやるよ」と言って、覚めた。




