20/231
やくたい
やくたいと呼んでいたように思う。女の月のものと一緒に吐き出され、その筋の好事家の間で廻され、やっとわたしの処にも届くようになった。肉のような軟骨のような触感だ。イカやタコなどの軟体動物を嚙んだときの歯ごたえが返ってくる。自ずから捌かなければお目にかかれそうにないそうした類の内臓に近いのかもしれない。
「産んだんでないから。タイバンじゃないからね」と、それと繋がる女の声が耳元を通り過ぎる。子のかたちを成さなくとも子のかたちを成そうとした成れの果てであれば、何かしらそのブヨブヨした中に探し出せそうな気もしたが、舌先がそれを探し出す仕草をしたらさすがに気持ち悪くなり、覚めた。




