15/231
久しぶりの実家
身内の誰かの実家なのだろう。
かなりの田舎まで揃って自動車で行って、おのおのがそうした久しぶりを吸い込んでいる顔がそれをうかがわせる。ちょうどこの辺りを通ったから顔だけでもと、長い間を埋めるような照れたあいさつはそんなもので十分だった。帰る段には、後部座席の空いてるシートやトランクに詰められるだけのものを二人が入れてくれる。ハクサイやタマネギの束にしたものからズタ袋に入いったコメやジャガイモまでを順々に押し込んで、しばらくすると真打登場のように捌いたかたちのままの豚の背中の半身と牛の後ろ脚の付いた半身をトランクに押し入れた。ジャガイモを詰め込んでいるときに、そぉだそぉだと思い出し、奥の保管場所からビニールに包まれたそのままを慌てて抱えて持って来てくれた感じがした。豚はどうにか収まったが牛の方は後ろ足の付け根についている内臓が肥大していてなかなかトランクの蓋が閉まらない。男手二人掛かりでも黒いプリプリした弾力が押し返してくる。
トランクと牛が擦れあうぷりぷりに、更に耳を傾けようとしたら、覚めた。




