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くび女
名前は柱状○○だったと思う。○○柱状ではなかったはずだ。少し厚塗りのクレープに見える縞模様になった岩の隙間からサキさんが、むかしのくび女になって顔を出してきた。むかしとは、明治期になって使われ始めたとんがった眩しさの赤色と青色をふんだんに使って描かれた錦絵の無残絵である。だから構図色調はクロぐろしく激しいのだが、なにせ相手がサキさんだからおどろおどろしたところはどこを突っついても見つからない。むしろおどおどして、絵のくせに震えている。それでもくび女だから声は掛けない方がいいと思っていたら、岩のはじける音がプシューっとして、覚めた。




