姉弟の歴史 激動期
四家会合で決まったことは絶対である。
これにより四六時中小屋で一緒だったのが出来なくなった。
今後はこの小屋は姉妹のみの部屋となる。
小屋を使えなくなる男の子には申し訳ないが貞操を守るためには雌になった猛獣と一緒はマズいというのがその申し訳なさを上回る。
さらに良識ある幼馴染程度の付き合いに付き合いを締め直すこと。
これにより一緒にお風呂などという目を瞑っていた問題も取り締まりの対象となった。
期間はなんと12年。
これは今回の件は連帯責任という罰則で一年×12人という計算のもとはじき出されたが故の期間。
破ったものは勘当。
さすがに姉妹たちも自分のしたことへの罪の意識が芽生えるがいくらなんでも重すぎると直談判する。
親たちは・・・折れない。
親たちも本当の息子になってもらうには今回の件はちょっとしたきっかけになると少しは思ったのだ。
息子としては欲しい気持ちはどの家もあるので同級生である娘たちが近づけないような厳しさまでには至らなかったのはそういう理由がある。
そんなことをしたら縁が切れてしまいかねないから。
しかし現行の法律だと今回の行為そのものも三家がそろってその夢をかなえることも犯罪で不可能なのだ。
三家の同じような思惑がかかっている今回の決め事は曲げてはいけないし曲げられない。
結局泣きわめく娘たち心を鬼にして今回の決め事は決行されることになるのだ。
親たちのなにか耐えるような表情にしぶしぶしたがう姉妹たち。
自分のこれからの青春時代が灰色に変わっていくのをたしかに感じながらも引かざるを得なかったのだ。
引いた姉妹たちは開いてしまった心の隙間を埋めるようにそれぞれの生活を頑張っていく。
弟にいいところを見せるという目標が無くなったことで若干効率は落ちてはいるが・・・。
一方の男の子はようやく一般の男子学生を謳歌出来始めた。
どこかでさみしさを感じながらではあるが。
余談ではあるがこの12年という期間にはもう一つ思惑がある。
それはさすがに干支が一周する期間を設けておけば違う出会いもあるだろうということ。
選ばれなかった娘たちのその後の人生に少しでも希望が生まれるようにというちょっとした親心。
そこには親の知られざるおせっかいな愛情が組み込まれていたのだが当人たちがそれに気づくことは無かった。