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卒業

「卒業証書授与。代表、佐々木治郎」

「はい」


厳かな雰囲気の講堂。ここは日本唯一の軍学校である。そこでは今まさにこれから軍に正式に配備される若者たちの卒業式が行われていた。


「おめでとう」

「ありがとうございます」


卒業証書を渡された代表の学生は節度のある動作でそれを受け取り壇上から降りていく。他の学生も微動だにせず、動いているのは参列している保護者くらいだ。その様からは今まで彼らが受けてきたであろう訓練の厳しさが見て取れた。これから彼らは正式に軍人となるのだ。その不安と高揚感を持った学生達の卒業式は無事に進んでいく。






「あー!疲れた!ずっと動けないの辛すぎ」

「まぁそう言うなよ」


とある駅のホーム。そこで2人の若者が会話をしていた。彼らは無事軍学校の卒業式を終えこれから各々の目的地に向かう学生だった。


「でも治郎。本当に軍に入らないのか?」

「あぁ。未練がないっちゃ嘘になるけど」

「残念だな。でもお前が教師か。笑えてくる。可愛い子がいても手出すなよ」

「おい!そんなことするわけないだろ!」

「とか言ってちょっとは期待してるだろ」

「ま、まぁあっちから求められたら.......」

「頼むから新聞に載るような事は辞めてくれよ。軍学校訓練首席のお前がそんなことしたら大変なことになるぜ」

「冗談だって!本気にするなよ」


楽しそうに会話している2人だが、その表情には寂しさも見て取れた。そんな会話をしてる内に2人が待っていた新幹線が来た。


「お、やっと来た。じゃあな海斗。またいつか会おうぜ」

「おう。と言っても俺はまだどこに配備されるか分かんねーけどな。決まったら連絡する」

「あぁ。軍でも頑張れよ」

「お前も教師頑張れよ」


そしてドアが開き治郎はその中に乗り込んだ。新たな人生への期待と不安を感じながら。

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