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さとり少女は普通を求めて  作者: みくみんと
1/1

感動

初投稿です。


彼女、伊織奏は心を読むことができる。



代々の伊織家の者はこの能力を強さの大小に差はあれど所持していて、その能力による危機察知で戦禍をくぐり抜けて今に至る。



でも、彼女はその能力が好きでは無かった。


「普通」でありたかった。


そのような時に出会ったのがゲームであった。



モニター越しなら私は簡単に心を読むことができないということが気に入り、熱中して…いつの間にか私は有名なゲーマーになっていた。



同じような特殊な力を所持してきた者達の組合があり、そのなかで父が仲良くしていた人が社長の会社にスポンサーになって貰い、能力を使わずに数多のゲームの大会で成果を出してきた。



…そんな私だが、VRゲームに世代交代した後もゲームを続けるのは当然のことであり…サービス開始と共にVR世界に飛び込み、彼女は…



「っ…!」



五感があって自由な世界で、心を読めない(本気を出せば読めるのだが)という私の求めてきた「普通」を実現するこの理想郷に来て感動の涙を流していた…



「?!」



…周りの人は困惑していたが。まあ理由を知らない人はそうなるだろう。私は恥ずかしさで顔を真っ赤にして宿に入る。このゲーム、キャラクリエイトは自動で、職業選択等をゲーム内でアバターを得てからメニューで設定する仕組みになっている。この仕組みのせいで、前を見ずにメニューを開いて他の人と衝突した…ということが起こっていることを後で知るのだが…



彼女は落ち着いてメニュー操作をしたいと考えたのと、恥ずかしさで近くの部屋に入りたいというのを理由に衝突事故を回避し、メニューを開く。



「えーっと…これかな?」



彼女がメニューのステータス振り分けをタップすると、冷たい感触と共に職業入力欄等が出てきた。



「ふーん…飛び道具、刃物、打撃系…飛び道具でいっか」



とノープランで決めようとして、



「…でもソロでやってくならなにがいいかな?」



とソロプレイ前提で作ろうとする。だが…



「でも趣味って大事だよね!」



結局ノープランなのであった。



「じゃあ、飛び道具で…って弓と投げナイフしかないのか…」



このゲーム、熟練度が設定されていて、分岐がなかなかに多くなっているために初期で選べる物が少ないのである。刃物なら短剣、片手剣、大剣の3つといったようになっている。



「うーん…じゃあ弓でいっか!」



と弓を選択。するとスキルツリーが表示されたのだが、彼女は初期ポイントを振り分けることなく次々とステータスを振り分け、初めのフィールドのうちの1つに向かうのであった…



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



30分後…


初めのフィールドでモンスターを10匹程狩り、周りを見渡して…



「なんか…みんなより効率悪くない?」


と彼女は呟いた。


…まあ当然なのだが、他のプレイヤーがパッシブスキルなどを取っているのに対して、彼女はスキル無しの実質縛りプレイのようなもの。他より遅いのは当たり前なのである。


「みんなレベルが上がったら逐一スキル振りでもしてるのかな?めんどくさいし時間もかかりそうだけど。」


このゲームの仕様で、フィールドでスキルポイント振りやステータス振りはできないようになっているので、彼女が言うような行動は時間がかかり、だから疑問に思ったのだが…実際は彼女がスキル振りをしていないだけで、他の人もそんなことはやっていない。


「じゃあスキル振りに行ってくるかなぁ」


とフィールドから出ようとするのであった。



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