2話 やはり、今したか………。
「こっ、こっちです」
村長に嫌々案内された、私………カルーア・ジョン・ミリウス。
助けを求められたので、助ける事になった。
正直めんどくさい。
案内され、村に付いたのはいいが………。
「私が離れてる間にこ、こんなに!」
民家は粉々に粉砕され、畑はデカイ足跡で埋め尽くされており、村は崩壊されていた。
これはこれは地獄絵図ですね。
ゴブリンキングとオークキングが涎を垂らし、殴りあっている。
「町に住んでいた人達は?」
「先に逃がしました」
「わかりました」
ゴブリンキングやオークキングは何回も飽きるほど殺してきましたからねぇ。
サッとヤッてサッと帰りたいのですが、おかしな点があります。
「縄張り争いを始めたのはゴブリンキングとオークキングだけだったのですか?」
「は、はい」
おかしいですね。
ゴブリンの群れは、ゴブリンキングが主に先頭して後ろにゴブリンクイーン、ゴブリンジェネラルと後ろにならんでるのですが、ゴブリンキングだけですか。
ゴブリンキングとオークキングは飽きるほど殺してるので別に問題はないのですが、少々厄介ですね。
知性を持ったゴブリン達とオーク達ですか………。
まぁ、まず目の前にいる敵を殺すべし、ですね。
スタスタと歩きながらゴブリンキングとオークキングの地獄絵図の方に歩いていく。
どうやら、ゴブリンキングとオークキングは縄張り争いに夢中で私に気づいてないようですねぇ。
そして、私は心の中でこう思った。
"動くな"
そうするとゴブリンキング、オークキングが止まった。
目や体は動いている。
それは、体だけが時が止まったかのように。
「こ、これは?」
村長が私に話しかけてきた。
「これは、呪いです」
「呪い?」
「私は呪術師なんでね」
一般の呪術師では、動きを遅くするなどのデバフ効果が基本。
だが、私は呪術師とゆう職業が気に入り、極め続けた。
そして、動きを完全に封じる呪術や、体の箇所を封じる呪術などの習得に成功した。
後、敵を即死させる呪術も。
私のオリジナル魔法です。
オリジナル魔法の作り方はまず、鉱石を取りに行く事、私は属性が闇だったので闇の鉱石を取りにいきましたねぇ。
そして、魔方陣を描く事、そして鉱石と魔方陣を合成するのです。
え?どう合成すればいいかって?
ふふ、それは秘密です。
いつか教えてあげましょう。
最初は呪術を作るのに時間が掛かりましたが、今は魔物を殺す位簡単ですねぇ。
「グッグッ!」
おっと、そうでした、私はゴブリンキングとオークキングを殺すのが村長の頼みでしたね。
んじゃぁ、ささっと殺りますか。
「ゴブリンキングさんオークキングさん、どうも初めまして、そしてさようなら」
私は苦手な笑顔をした。
そして同時にこう思った。
"死ね"
バンバン!!
ゴブリンキングとオークキングの顔面が弾けとんだ。
「こ、これは……」
「もしや、あなたは"呪われた眼帯"?」
「呪われた眼帯か、そうですよ?」
「え、えええええええぇぇぇぇ!?!?!?」
森に村長の声が響き渡った。
「う、うるさいですねぇ」
「す、すいません」
深々と頭を下げる村長。
「別にいいですが、一つ疑問があります」
「はい、なんでしょうか?」
「何故、最初は気付いてなかったのに魔物の殺しかを見て私と分かったんです?」
「いやぁ、村中で騒ぎになっていましてね。」
「ゴブリンキングやオークキングの頭を潰す冒険者がいると」
何ですかそれ、人聞きが悪いじゃないですか。
まぁ、確かにそうなんですけどね?
「はぁ、そうなんですね」
「そして、眼帯を付けていると聞きましたので」
「呪われた眼帯そう呼ぼうと村の中で決めたんですよ」
ここか、私に訳の分からん二つ名を付けた犯人は。
「村の中と言いましたね?」
「はい」
「もう、国中にひろまっているんですよねぇ。」
「そうなんですか、誰かがひろめたのかな?」
村長は、軽い感じてそう言った。
本当にいい迷惑ですよ。
ザザザザザザ!!
森のあちらこちらに足音が聞こえてきた。
「クキャキャ!」
汚ならしい声が聞こえた。
やはりね………。
「こ、これは!?」
「やはりいましたか」
「ゴブリンの集団とオークの集団に前方と後方に挟まれましたねぇ」
ゴブリンクイーン、オーククイーン率いる軍勢は私、村長を餌として認識した。
「キングは死んだはずじゃ!」
「キングが死んだとき主導権はクイーンに代わるのですよ、次はジェネラルでしたかな?」
知性を持たない、脳が空っぽなゴブリンやオークはこんな事はしない。
知性を持つゴブリンやオークだけが出来る事。
めんどくさい。だから嫌なんですよねぇ、知性を持った魔物は。
「そうなんですか……」
「この状況どうするんですか!?」
「どうもこうも変わりませんよ、こうするのです」
"動くな"
ゴブリンクイーン、オーククイーンが率いるゴブリン、オークの軍勢は動かなくなった。
その顔は何が起こったか分からない顔をしていた。
そして、次の瞬間…………。
"死ね"
ゴブリンやオークの軍勢の頭は弾け飛ぶ。
この広大なる緑の森に赤い血がベットリと付着した。
「こんなもんですね」
「…………」
おや?村長何も喋らないですね?
村長の方を見ると、村長の状態は正しく、『開いた口が塞がらねぇ』状態になっていた。
なんか、村長白くなってるような気がしますねぇ。
魂だけ抜かれたような感じですね。
「村長大丈夫ですか?」
「あ、はい!大丈夫です!」
やっと、気を取り戻した村長。
「本当に。ありがとうございます!」
「いえいえ、大丈夫ですよ」
「私はこれで………」
赤く血みどろの森を歩いていった。
はぁー久しぶりに家に帰りますか。
 ̄_ ̄_ ̄_ ̄_ ̄_ ̄_ ̄_ ̄_ ̄_ ̄_ ̄_
「おいおい、返せんだろうな?20聖金貨!」
「そうだぜ、今日の7時までには返さないとお前の大事な大事な家を燃やすからな」
柄の悪い男達が小柄な少女を脅している。
俗に言う借金取りだ。
「わかってる、わかってる!」
と小柄の少女は走っていった。
20聖金貨なんてどう集めればいいんだよ!
小柄の少女の耳にある冒険者の噂が聞こえてきた。
「知ってるか?呪われた眼帯って言う冒険者」
「知ってる!知ってる!あれだろ?魔物の首を飛ばすんだろ?」
「それ!それ!金どんだけ稼いでんだろな?」
「はは、俺もそれ思ったー!」
呪われた眼帯………。
「あの!」
「お?なんだい嬢ちゃん」
「その、呪われた眼帯って何処にいるんですか?」
「え?いやこの町のギルドに良く見かけるらしいぞ?」
「やめとけよ、嬢ちゃん会うのは、やべぇやつに決まってる」
世間一般にしたら魔物の首を飛ばして殺す冒険者など、"やべぇ奴"と思われるのは当たり前なのだ。
当の本人は気づいてないようだが………。
「その特徴って!」
「特徴?眼帯をしてるらしいぞ?」
眼帯……。
「ありがとうございます」
「おいおい、あの嬢ちゃん本当に会いに行くんじゃねぇだろうな?」
「ははは、まさかな………」
そのまさかである。
小柄の少女はギルドに向かい走っていった。
ミリウスは更なる災難に苛まれる事になるなんて。
ミリウスは思ってもいなかった。