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異世界は一瞬の煌き 続編  作者: 肥後 椿
22/30

異世界は一瞬の煌き(第22部分)

謎は尽きない

バラドッグス

次元の重なり

ブラックホール


別の宇宙にある、異世界の扉は

楓の世界の、公園に繋がっていた

叶恵の世界と、隆史のいた世界も

またこの公園に、繋がっていた

扉が開く場所は、多少異なっている


住宅街の中にある、普通の公園なのだが、偶然なのか?

次元の歪みが生じ、異世界への扉が

開いたのかもしれない


公園にある時計を見る、午後10時

初冬の夜、子供達の姿はなく静かな

公園だった


次元の歪みがあった場所、楓達が行き来した、扉のあった場所を

思い出しながら、公園内を調べた 


その場所は見事に三角形

トライアングルだった、その真ん中に集まり、石を置く

一瞬の閃光が空を貫く、閃光が貫いた場所の、上空を見上げる


暗い夜空の、その部分だけが明るくなり光が差す、月夜の様な明るさに公園内だけがなった

「ヴィーン…ヴィーン…」

ん?この音は、その瞬間

「ブィーン!!…ヴォン!…」


「えっ?…!」


聞き慣れた、あの音だと感じた瞬間に、楓達は

心臓部の場所へ、瞬間移動した

まるで、引き戻された様な感じだ


引き戻される一瞬に

浮かんだ物の、何かを見た気がしたあれは何だったのか? 


心臓部に戻った楓達は

この心臓部とあの公園は強い繋がりがあると感じた


すぐに時計を確認する

午後10時、少なくともあの公園で2時間程過ごしたはず、異世界によって1週間の時間差はあっても普通だが、0なんてあり得るのか?


時間差が0なのかそれとも偶然違う日の午後10時なのかを、確かめる

同日の午後10時とわかり少し鳥肌がたった、時間軸は同じだった


やはり1番強い繋がりは

この心臓部とあの公園だ

あそこで数時間過ごしても

時間差は0に戻される


ここかしら?公園と心臓部が

パラドックス、これを切り離したら

異世界への扉は総て閉じるかもしれない

楓はふとそう思った


あの公園で見た、あれも関係がなくはない、いやあれこそ、重要な鍵かもしれない?

楓があの事を聞く、皆も見ていた


もう1度試してみる、

地面に開いた扉から、公園に行き

トライアングルの真ん中部分に立ち石を置く、あの音が聞こえてくる


今回は皆、見た場所を注意深く見ていた、それはフッと現れ消える

全員息を飲んだ、消える瞬間の向こう側に自分達がいる


「グニャリ…」微かな音

叶恵と最初に異世界に行った際の

通った時に聞こえた、あの窓の音と感触


フッと向こう側の自分達と

こちら側の自分達が、一瞬歪み重なり合う


そして

心臓部へと戻る、前もって計っていた時間を確認する、同じだ、

0時間0秒、計測時の時間から

1秒も、進むことも遅れる事もなかった


時間が経っていない


時が進むことも、戻ることもなく

止まったままと言える


心臓部から数回、繰り返しやってみて気づいた事は、向こう側に見える

楓達の、服装は変わっている

あちら側は時が進んでいるのか?


この一瞬に

向こう側の、自分達と話せないかと考え

手紙を書き、消える前に投げ込む


数回目に成功し、あちら側へ投げ込む事ができ、投げ入れた手紙も、無事あちら側に届いたようだ


数回、繰り返していると

目眩を起こした

体調も考え、この日は終えて

明日また、試して見ることにした


翌日、手紙を書いて一瞬に投げ入れる、あちらからも、手紙が投げ込まれた、急いで手紙を開ける

楓の文字で書かれていた


「トライアングルの、真ん中で円を描いて立って…そうすれば時は進むわ

あとは…」楓に当てられた手紙の通りにやってみる事にした

手紙に、書かれているものを準備し

やってみる


「ブゥーン!…ヴォン…!」

「…ガタン…ヴヴーーン」


楓「ガタン…これは、なんの音?」

 

あちら側の楓達とこちら側の楓達が

ちょうど対面した場所で止まった

楓は話そうとした瞬間

あちら側の楓が


楓「時間が、ないわ急いで手を握って!…」


楓「えっ!…わかったわ!」

スッと手を握ると

「グニャリ…」と次元が、歪みそうになったのが止まり、辺りは真っ暗になった、闇の異世界の様に何も見えないが、音だけは、聞こえてきた


「ヴィーン…ヴィーン…ヴーン…ヴィーン…ヴィーン…ヴーン」

定期的に、繰り返している


その奥には、宇宙を小さくしたような

暗い夜空と、星たちが映し出されていた、太陽系ではない

別の宇宙の、天体図みたいだった


薄っすらと光るその場所の奥に

動く透明な物が、揺らいでいた

別の宇宙、別の生命体なのか?


楓同士が手を繋ぐ事で

2つの次元の楓達が、同時間帯に存在できた、それから、あちら側の楓は、皆同じ様に、

自分と手を繋ぐ様に話す

全員が手を繋ぎ終えると、完全に音が止んだ


「ヴィーン…ヴィーン…ヴヴヴン…!…」

静かになった双方の楓達が安堵する


向こう側の楓が

「これでもう大丈夫ょ…」と

奥にいる何かに話しかけていたが

すぐに機械音がするとその何かは

スッといなくなってしまった


こちら側の、楓が聞いてみた

「未来は話せないの…ただこれだけは言ってもいいって、彼から聞いてるから、半年後ょ」


楓「半年後…わかったわ!ありがとう」


楓「そろそろ時間ょ、あまり長くこの状態ではいられないの…」 


楓「わかったわ、じゃ…また会える?!」


楓「えぇ!…あ…ま…た…あい…ま…」 


「ヴィーン…ヴィーン…ヴィーン…」


あの音が聞こえてきた、

それと同時に、向こう側の楓達も消えた


心臓部に戻ると0時間から少し変わって数分の時間経過があった


恐らく、この数分間は、楓達が手を繋いでいた、あの時間だろうと楓は思った

心臓部から家に戻る

空中に浮く家にまた

雪が降り始めていた


パチパチと、薪が燃える暖炉の音が

静かな室内と、シンシンと降る雪の

静けさの中

楓は、深く考えていた、

半年後の未来を…。
























 














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