異世界は一瞬の煌き(第19部分)
扉の中にあった、あの機械音は
まるで、心臓の鼓動の様だった
一旦、香穂の家に戻り
光る石の光の強弱を、ためしてみる
どの石も光の強弱が、少しずつ、異なっていた
強い光のものは、暗闇ではちょうどよい
弱い光の石は、寝室に良さそうだった
あの不規則な機械音
これから何か起こるのか?不安が過ぎる
それに
時系列が異なり、古布や扉に刻まれた文字に
記されている事は、未来のようでもある
アンドロイドの様だった
まずは
あの機械音が、不規則な原因を探ること
いつから、不規則なのか?
原因は何だろう?…
叶恵
「もしかして、全体が生命体みたいなものじゃないかしら?」
隆史
「叶恵さんもそう思われますか?
僕もそんな気がしてるんです…」
誠に
「うん、それもありますねもしくは、あの地下に
何かもっとあるとか…」
楓
「ええ、生命体や地下、どっちもありそうだわ
耀さんは?…」
耀「うん…どちらも、ありそうですね
もう一度入りませんか?…今度はこれを持っ
て行きましょう」
光る石の中にあった、光らない石を取り出して
幾つかあった光らない石、これも関係ありそうだと耀は話す
楓
「そうですね、恐らく石の光の強弱や、全く光らない石が幾つかあったのも、
あの機械音が不安定なのが、原因かもしれませんね」
原因を探ること石の話も、尽きることなく
夜が更けていく、気づくと深夜になっていた
明日、もう一度この石と、他の準備物を持って
あの機械音の扉に入る事にして、其々、就寝した
翌朝、早くから、扉へと向った…
「ヴィーン…ヴィーン…ヴィーン…」
昨日より音が、少し小さな気がする
光らない石を近付ける
「ヴィーン…ヴィーン…ヴィーン…ヴ…ヴヴ………
……ヴヴ…ウィーン…」音が少し高くなったと同時に、光らない石に、ぼんやりと少し光がみえた
どうやら、石と、関係あるようだった
石を近付けると、音が少し大きくなる
石もまた、薄っすらと光る、光らない石を
持ってきて、機械音のまわりに敷きつめた
すると、音は大きく高音になり、石も光る
手さぐり状態なので、このまま数日様子を見ることにした、
「ヴィーン…ヴィーン…ヴィーン……ヴ……ヴ……
ヴィーン…ヴヴ…ヴィーン」
少ずつ高音になっていく
次は機械音の、音がする中に入らなくては
円筒の白壁にピッタリと手を当て、ゆっくりと滑らせていく、中に入る為の、スイッチ等は見当たらないが「カチャリ…ウィーン…」と小さな音がした
正面の位置に、自動ドアが開いた
凹凸はなく、壁の一部がスライドしたようなドアで、その中にはエレベーターがあった
内部は思ったよりも広く「ヴィーン…ヴィーン」機械音が大きく聞こえる
いよいよ、地下へ、心臓部だ
「ヴィーン……ヴィーン……ヴィーン…………」
エレベーターが「ガタン」と音をたてた
地下に着いた、「ブゥーン」
エレベーターのドアが開く、目の前には
丸い形状大きな何か、が目線上に浮いている
丸いものからは、無数の線が
上空へと、伸びているが
心臓の鼓動のように、動いている
生命体…そう見えた、人工生命体の様に見えた
楓は思わず、 手を伸ばし、触れてみた
触れると、人工皮膚のように柔らかい
「……人であって人でないもの…人型…」
文字が脳裏に過ぎる、やはりアンドロイドかな
楓は、ふと、自分の胸の鼓動を確かめた
見たところ、樹脂のような心臓部で、鼓動のような動きをしているが、温度を感じれる事はなく
冷たい、大きさは、かなり大きく
5人で手を伸ばし、ぐるっと囲ってみたが
それでも足らず、あと数人は、入れそうだった
心臓部の周りには、特に何もなく水晶のような
透明な石が、床に敷き詰められている
そこに光る石を、置くと、共鳴するような音が
一度「ヴィーン…」
楓が、扉に刻まれていた
文字を、思い浮かべた、
その時、心臓部から「ドクン!」
大きな振動、そっと撫でてみる、反応してるようだ、生命体は怯えているのか?喜んでいるのか?
機械音がしても、機械ではなく
意思がある様に感じた、光る石は輝きを増し
光らない石は、光初めた、もともとは
総て同じ明るさだったようだ、
「ヴィーン…ヴィーン…ヴィーン…」規則的な音に戻った
恐らくは、別の宇宙の異世界
その1つの、心臓部は別の宇宙そのもの
なのかもしれない…。




