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異世界は一瞬の煌き 続編  作者: 肥後 椿
15/30

異世界は一瞬の煌き(第15部分)

扉を開くと、次々と変わる

楓は、その景色へと手を伸ばす

景色が歪む様な感覚、

グニャリ

楓の部屋の、あの窓と同じ感触がした


あの「窓」といえば

楓が気に入った装飾の窓枠、叶恵とこの異世界への入口で、更には、隆史が古布を入れた窓枠だ


何故、あの窓なのかそれは恐らく

窓枠の中に

古布が、入れられていた事によって、変化し

特別な窓になったのだろう、そう考えたら

不自然では、無い気がした


あの窓が、異世界への入口、扉となった事も…


扉の感触から、ほどなくして実家の楓の

部屋が現れた

今度は消えることもないようで、物に触れてみる

紛れもなく、楓の部屋だが、違和感を覚えた


鏡の世界の様に、配置が逆になっていた

物にも触れた、時間が短く感じていた

「ブゥーン…」 小さな重く低い音が響く

すると、また別の部屋へと変わる

見たことのない部屋、そこに一人の女性


ふと目があった、楓?いや叶恵?か

そちら側にいた女性が、驚いた顔をしていた

「ブゥーン…」またも重く低い音が響いた…


それからは見たことのない部屋や景色が表れ

約数時間経過した頃…

「ブゥン…プツッ」と止んだ


あの部屋は?、見たことのない景色、風景

考えられるのは、恐らく他の異世界

この異世界ではない、別の異世界だった


やはり

別の宇宙があって、別の異世界は存在して

更にそこにも、別の楓達がいる

そう考えるのが、自然な気がした

無限に広がる可能性に、軽いめまいを感じた


自分と同じ人間はこの宇宙に?

別の次元

異世界に、あと、どれくらいいるのだろうか?


扉は閉じることはなかく

現れた場所から、消える様子もないが

扉を開ける度、違う風景や景色が流れていた

時の流れは、現在が主だったが、

過去や未来も時折、覗かせていた


彫られている文字は、楓には、読み取れたが

扉の装飾は、長く見つめていると、時を忘れて

見惚れてしまうほど、美しかった


その中の文字には

「この扉、夢を描くものには望が

未来を描くものには未来と○○が見えるであろう」○○の部分は楓でも読み取れない


恐らく、この文字自体が、この世界では

存在しない文字だと、考えたら自然に思えた

別の宇宙の存在、楓には宇宙というだけでも

スケールが半端なく大きい、別の宇宙の存在

は、果てしなく、遠く感じた


扉は、数時間だけ開く事もあれば、

一日中開いている時もあった

今日は…HALLOWEEN

扉は朝から開いていた

「ガチャリ…」楓は、重い扉を両手で開けた


扉の中でも、HALLOWEENのようだ

賑わう街が、目に飛び込んできた

異世界を、見慣れた楓にも、不思議な世界だった

こちらのHALLOWEENとは違っていた


優しい色が基調の服装に、翡翠色や琥珀色、水晶に銀色の様なブレスレットを個々につけていた

街中には

楽しそうな、露天の様なお店が並んでいる

丸い形が基調のフード店もあり、可愛らしい


楓は、数時間この街中に入った

扉が、閉じないように、少しだけ開けておいた

街中を歩き出すと、楓そっくりの彼女が居た


そっと彼女を見ると

優しい色の服装は、皆と同じだが、ブレスレット

は翡翠色に銀色の装飾、細工がほどこされている

少し大きめのブレスレットだった


自分そっくりの人物を、見ることには慣れていた

この異世界の、いや、この宇宙?の彼女は

微笑を絶えず

長い髪を、なびかせている


髪飾りも、翡翠色が主で

スワロフスキーの様な綺麗な石が、付いている

彼女は、楽しそうに街中を移動していた

その笑顔は、

楓に、楽しい時間を与えてくれていた


数時間が経過する頃

楓は、扉へと戻った


この扉の、あちら側には、この異世界では

ない別の異世界と、また別の宇宙が広がっている

扉の向こうには

「夢を描くものには望みが、未来を描くものには未来と○○が見えるであろう…」


楓は、次に訪れる日には、未来を見たいと

思った


数日が過ぎ、楓は願ながら扉を開けた

「未来を願ったら

未来と○○が見えるその○○にはどんな言葉が

入るのかしら?…」


ギィィィィィ…

いつもより、重い音をたてながら扉が開いた


扉を開けた瞬間、柔らかな風がフワリと吹いた

一面の緑、緑の草原が広がるその奥に

白く輝く大樹、一際美しい

この世界にも、ある事が不思議に思えた…


未来はこの異世界の未来なのか?

それとも、楓が望む未来なのだろうか?

本は、この異世界にはあったのだから

楓が、見たいと望む未来なのだろうと

考えていた


大樹の場所まで行く、ふと見ると

大樹の側には、読みかけの本が風に吹かれ

ページが、めくられていく


本には、こう書かれていた

「このまま君が向かいたい場所へ行こう

何処へ行きたい?未来、過去、別世界…


「 この世界の本 は、少なくとも

私ではないわね、誰が書いたものかしら?

まさか…この世界でも私なのかしら?…いいえ

きっと違うわね…そう思いたいわ」


未来の楓が、古布を書き記したと

耀から聞かされて以来、

楓は、眠れぬ夜を過ごしていた

未来への不安と、疑念が払拭されずにいた

それを、確かめたいと思っていた


「未来…を」と呟いた瞬間


ギィィィィィ…ガコン…ガチャッ…バタン

扉へ、視線を向けると扉は消え、同時に、

目の前が、フッと暗くなった

楓は、その場に倒れた

どれほど時間が経ったのか?


「う……ん…痛っ!」頭部を軽く擦りながら

起き上がる、ハッ!…と急いで扉の方向へと

目を向けた、やはり扉は消えていた


辺りは暗くなっていた、楓は本を抱え

扉のあった場所まで、月明かりをたよりに

走った、扉は何処へ?私はどうなるの?


「ねぇどうしたの?…」不意に大樹の方向から聞こえた、そこには、楓がいた





























































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