異世界は一瞬の煌き(第12部分)
古布(羊皮紙)には
現代の地図、そこには
何故か、耀の名前が記されていた
困惑しながらも
その場所へ、向かう事にしたのだが
不思議な事は
何故、耀の名前が記されているのか?
隆史の実家、楓の家、楓の会社
地図の場所を線で結ぶ
すると3点の中心部になった
これには、意味があるように思えた
地図に記された場所に到着した
楓は、その場所で
耀から渡されたあの石(宝石)を取り出し置いた
透明の異世界の時の様に、地面が光りだし
楓
「耀さん!」
楓は、白く輝く部分の地面を、見つめながら
耀の名を呼んだ
耀
「…楓さん…良かった!…案じてました
闇の…異世界は…無事……に…戻った…のですね?」
楓
「えぇ…ありがとう、耀さんが渡してくださったこの石(宝石)のおかげょ」
途切れるように、聞こえていた
楓は
古布に耀の名が、記されていたことを話した
耀は、驚いた様子もなく、普通の事のように
耀
「そう…ですか…今…そちら…に向かいます…」
途切れ途切れに聞こえていたが、
声が聞こえなくなったその直後
耀
「…お待たせしました」
楓
「えっ!」
耀が石の側に、現れた
最初、その速さに、驚いた楓だったが
楓
「耀さん、ようこそ!こちらの異世界へ
この地図を見て下さい… 」早速本題へ入った
耀
「うん…この場所に僕がお渡しした石を…
それと…これを…」
更に別な石と古布(違う色合いの羊皮紙)を
とりだして、楓に渡し
耀
「この古布と、この地図の古布を
重ねて下さい」
そう言いながら、重ね合わせる
古布は、まるで溶けあうように
1つになり、全く別の、古布へと変わった
1つの古布には、文字が
1つの古布には、地図が絵ががれていたが、
それが、混ざりあい、1枚の古布に変わった
古布自体に、文字と地図が浮き出ている
まるで、古布の上には
浮き出た(プロジェクションマッピング)の様な映像の、世界が広がっていた
地図と文字が
1つになり、また別の意味が生まれる
耀はそれまで、知っているかのようだった
古布に、記された、別の意味を読み解くと
古布に記された別の意味は…
楓
「この異世界は、幾つもあって、
それは1つではない、宇宙が1つではない様
に、解明されていない宇宙は、ある…」
楓は、読み解きながら、壮大なスケールの話に
恐れをなしていた
古布の内容は
未来からの、メッセージの様にも思えた…
耀
「僕等は…この異世界の…いえ…
… 何でもありません」
隆史と、同じ哀しみの表情をふと、浮かべなから
言いかけて止めた
楓は、
隆史と、耀の悲しみを湛えた表情が
気にならないはずもなく
古布の内容が、これほどスケールの大きなもので、なければ、心のままに優先していただろう
けれど、今は、もう1つ意味に集中していた
楓
「宇宙は1つではない、こんな事凄すぎて…」
耀
「そうですね…ですが…この異世界を見てきた楓さんなら、わかるはずだと
僕は思います、壮大な宇宙は
この世界の、宇宙だけではない、
比喩等ではなく、実際にあるのだと」
楓
「そうね…これだけ異世界が、
存在してたのだもの
何も宇宙が他にもあっても、不思議な事なんて
ないのかもしれないわね」
楓は、話しながらも
少し、恐ろしくさえ感じていた
古布の、元々の意味に戻って次の、古布を探す
楓は次の古布には
いったいどんなことが、記されているのか?
不安と期待、複雑な心境が楓の胸にひろがった
次に記されていたのは、叶恵の住む異世界だった
楓の住む異世界では3枚の古布
楓の家、隆史の実家、耀の名が記された場所
次の叶恵の住む世界には、
どんなことが記され、どんな古布へと変わるのか
楓
「それじゃあ、行きましょう」
耀
「はい、ここからは、僕も一緒に行きますょ」
楓
「そうね…ありがとうございます
一緒に行きましょう」
耀
「古布の謎を総て解いたら、僕も…隆史さんと同じく総てをお話します、楓さんや皆さんに」
楓は、その総てを聞くことが、
隆史の、哀しい表情を、
彼が、込み上げた感情を、消すかのような
滲む涙の意味を…知る気がした…。
この異世界の総てを知る事
それが、この古布が全部揃った時に
解き明かされる、大きな謎の解明になる
しかし、スケールが大きくなり過ぎて
多少怖くもあったが
それだけ、期待も増した気がした
楓
「叶恵の異世界へ、叶恵達と共に
皆で行きましょう」
叶恵、隆史、真、耀、
そして
楓、5人で共に叶恵の異世界へ…。




