最初のお仕事
「ここが俺の家だ。 つまり、これからはお前の家と言う事にもなる」
「なるべく早く覚えて貰えると助かる」
緑「?」
「理由としては、これから買い物とかお前に頼む事があるからな」
「買い物行って貰っても、帰って来れないなら意味が無いだろ?」
緑「」ポン
「わかってもらえたようで」
「で、買い物途中とかにお前が逃げ出すとかあるかもしれないが、その時はーー」
緑「!?」
緑「」ブンブン
「絶対に逃げないってか?」
緑「」コクコク
「まぁ、逃げても特に何も無いんだがな」
緑「・・・!?」
「逃げたきゃ好きに逃げればいい」
「その時は全力で探させて貰うけどな」
緑「・・・」
「それがわかったなら中に入ろう」
ガチャ
「わかると思うが、ここが玄関だ」
「そして、そこの突き当たりを右に行ったところの最初のドアがトイレ」
「その相向かいが風呂になる」
「その他の場所は探索でもして覚えてくれ」
緑「」コクッ
「それじゃ、早速だが初仕事だ」
「この家の掃除を頼む」
「と言っても全部の部屋を掃除出来る訳が無い」
「とりあえず、風呂とトイレ、あと二階の一番奥の部屋の掃除を頼む」
「掃除用具は各部屋毎に置いてある物を使ってくれ」
緑「」コクッ
「掃除が終わったら、買い物に行くから、終わったら呼んでくれ」
「そこの部屋にいるから」
緑「」コクッ
「じゃあ、頼むぞ」
ー2時間後ー
ガチャ
「・・・ノックぐらいしたらどうなんだ?」
緑「?」
「・・・まぁいい」
「で、掃除の方は終わったのか?」
緑「」コクッ
「ほう、ずいぶんと自信があるとみた」
緑「!?」ブンブン
「・・・そんなに首を横に振ると、首が取れちまうぞ」
緑「!!」
「冗談だ」
緑「」プクゥ
「そんなに頬を膨らまして起こるなって」
「それでは、お前さんの腕前とやらを少しばかり見せてもらうとするか」
ーーー
ーー
「おお、ずいぶんと丁寧にやったんだな」
緑「」コクッ
「ホコリ1つ落ちてないじゃないか」
緑「!?」
緑「」フルフル
「ははは、例えだよ、例え」
緑「///」カァァ
「まさか、こんなに頑張ってくれるとは・・・」
「あ、そうだ。 今日の夕飯、何か俺が作ってやるよ」
緑「」フルフル
「奴隷だからってそんなに遠慮するなって」
「前の主人にどう扱われて来たのかは全然知らないが、俺はお前さんを奴隷として扱う気はさらさらない」
緑「・・・」
「で、どうだ? なんか食べたい物、あるか?」
緑「・・・」
緑「」コクッ
「お、あるのか」
「何がいいんだ? 遠慮なく言ってみな」
緑「」サッサッ
「・・・もしかして、手話か?」
「そう言えば、お前さん喋れないんだったな」
緑「」フルフル
「喋れはするのか?」
緑「」コクッ
「じゃあ、なんで喋らないんだ?」
緑「・・・」
「・・・」
緑「・・・」
「・・・聞かない方が良さそうだな」
緑「」ペコペコ
「そんなに頭下げなくていいから」
「弱ったな・・・ 手話はわからんし、これじゃ意思疎通ができないな」
緑「」チョンチョン
「ん? どうした?」
緑「」ペラペラ
「紙がどうかしたのか?」
緑「」カキカキ
「お前、字が書けるのか?」
緑「」コクッ
「驚いた」
(奴隷育ちなのに、文字が書けるとは・・・)
緑「」バーン
『わたし』
「・・・何が言いたいんだお前は」
「でも、字が書けるのは大きいな」
「じゃあ、食べたい物を書いてみてくれ」
緑「」コクッ
緑「」ウーン
緑「!」ポン
緑「」カキカキ
『お屋菜』
「おお、漢字が書けるのか」
緑「」ドヤ
「・・・これちょっと字を間違えてないか?」
緑「!?」///
緑「」ケシケシ
緑「・・・」
緑「」カキカキ
『お屋さい』
「いや、そっちは合ってた」
緑「!!?」///
緑「」ケシケシ
緑「」カキカキ
『おや菜』
「・・・後で勉強教えてやるからな」
緑「///」コクッ
「野菜っていっても何が食べたいんだ?」
緑「?」
「ほら、例えば大根とかにんじんとかさ」
緑「・・・」
緑「」カキカキ
『みどりいろの』
「・・・ずいぶんと幅広く無いかそれ」
「まぁ、一緒に行ってお前の食いたいの選べばいいもんな」
緑「」コクッ
「じゃあ、早速行くか」
緑「!?」ブンブン
「お前に準備なんてする必要ようあるnーー」
緑「」モジモジ
「あぁー、なるほどね」
緑「///」カァァ
「・・・早く行ってきなさい」
5月2日に脱字を修整いたしました