緑髪の奴隷
商人「旦那様、この娘とかはどうですか?」
「・・・この娘の売りはなんだ?」
商人「そらぁ見ての通りの巨nーー」
「却下だ」
「そんな胸の脂肪の量しか取り柄が無い奴なんているか」
商人「そんなぁ・・・」
「おい商人」
商人「はい、なんでしょう」
「そこの緑の頭してる奴、そいつはどうなんだ?」
商人「いや、その娘はちょっと・・・」
「何かあるのか?」
商人「見た感じは何も無いんですが・・・」
商人「その娘は、すぐに返品されるような不良品でして・・・」
「何故返品されるんだ?」
「もしかして、家事が出来ないとかか?」
商人「いや、そう言う訳じゃ無くてですね・・・」
「ならどうして返品されるんだ?」
商人「こちらもそれが把握出来て無いもので・・・」
「把握出来ていない?」
商人「えぇ、コイツを返品する人誰しもが『返品してくれ』以外何も言わないんですよ」
商人「理由を聞いても何も言ってくれないので、こっちからしても困ったもんです」
「理由を聞いても言わない? お前の店はそんな事でも返品できるのか?」
商人「えぇ、一週間以内でしたらレシートを持って来ていただければどんな理由でも返品いたしております
「人もコンビニの商品のように買える世の中になったのな」
商人「時代の流れと言う物は、恐ろしい物です」
「で、そいつは家事ができるのか?」
商人「え? まさか旦那様、この娘を買おうとなさっておるのですか!?」
「今のところはな」
商人「しかし、やめておいた方が・・・」
「お前は、そいつを俺に売る気は無いのか?」
商人「いや、売れるなら売りたいですけど・・・」
「なら止める必要は無いだろ」
「もう一度聞くが、そいつは家事ができるのか? どうなんだ?」
商人「家事なら十分過ぎるほどにできますよ」
「なら決まりだ」
商人「・・・返品しないでくださいよ?」
「そいつはどうかな」
商人「それなら売るわけ無いじゃないですか!!」
「冗談だ」
「今は返品する気なんて微塵もない」
商人「『今は』ってなんですか!?」
「それも冗談だから気にするな」
商人「その言葉、信じますからね!!」
「ああ」
商人「それなら、そちらの娘、服込で6000万」
商人「と言いたいところですが、40万にしときます」
「ずいぶんと安いじゃないか」
商人「さすがにこれだけ返品されたら、40万でも高いくらいですよ」
「そうなのか・・・ ちなみに、服はこれしかないのか?」
商人「それしかないです」
「・・・まぁ有るだけましか」
「現金一括で頼む」
商人「ありがとうございます」
「1、2.、3、4・・・」
「40万ちょうどだな」
商人「いえいえ、1万はお返しいたします」
「・・・なぜだ?」
商人「旦那様が、返品し無いで頂けると約束してくれましたから」
「おいおい、ずいぶんと俺の事を信用してるじゃないか」
商人「・・・それはどうでしょう?」
「・・・まぁいい」スッ
商人「はい、ちょうどお預かりいたします」
「レシートなんて要らないからな」
商人「え?」
「1万安くしてもらったし、返品する気は無いからな」
商人「はぁ」
「ちなみに、あいつに名前とか有るのか?」
商人「奴隷に? ははは、まさか」
「無いのか」
商人「まず付ける人を見た事が御座いません」
「ふむ・・・ じゃあーー」
「『緑』、あいつの名前は緑だ」
商人「え!? 名前を付けるんですか!?」
「ダメなのか?」
商人「いいえ、別にダメと言うことでは・・・」
「おい、緑髪の」
緑「・・・?」
「今日から俺がお前の主人だ」
緑「・・・」
「わかったか?」
緑「」コクッ
「それと、お前の名前は今日から緑だ。 呼ばれた時に、反応出来るように覚えとけ」
緑「」コクッ
「・・・おい商人」
商人「はい、なんでしょう?」
「こいつは、喋れないのか?」
商人「いえ、喋れなくは無いのですが、無口なんですよ」
「・・・無口な奴隷、か」
商人「はい、それがこの娘の売りでも有るんですけどね」
「ほう、ますます面白い」
「緑」
緑「?」
「今日は、帰ったらお前に初仕事を頼む」
「ちゃんとやってくれるな?」
緑「!!」ビシッ
「よし、いい子だ」
商人「奴隷なんですから、命令すればいいじゃないですか?」
「それは俺の持論に反する」
商人「持論ですか?」
「あぁ」
商人「変わったお方だ」
「変わってなきゃ、こんないわく付きの娘なんて買わないだろ?」
商人「それもそうですね」
「そろそろ失礼させていただく」
商人「はい、お買い上げありがとうございました」
「・・・もしかしたらまた来るかもしれないな」
商人「・・・それが返品じゃない事を願います」
「はは、それはどうかな?」
「よし緑、俺について来い」
緑「」コクッ
タイトルが思いつかなかったんです・・・
タイトルにセンスが無くてすみません