~四匹目・志、守るもの~
ついに本編始動。時は過ぎゴールデンウィーク、辰見神社へ来ていた隆也一向は、とんでもないことに巻きこまれる果たして彼らの運命はいかに・・・・
5月3日の今日。GW真っ只中、俺たちは辰見神社に居た。
俺たちっていうのは、立花風花、柳涼介、真田響子、そしてこの俺、神崎隆也の計4人だ。
理由は、師匠が・・・じゃなくて! 竹原先生が『たまには学生らしく遊んでこい!』と気を利かせてくれて今日の部活を休みしてくれたのだが・・・・。別に行くところもないし、ふらふら~っとここに来てみたら、みんな暇を潰しに、ここに居たという訳で・・・
「つ、疲れた・・・」
「もうできねぇ・・・」
「ほら、まだ始めてから4時間も経ってないわよ!」
俺は耐え切れなくなりへたれこんだ。
立花は神社で店番しているし、それに、暇だからちょっと格闘技をやってみたいという俺と涼介の遊び心(今では後悔してる)を、真田に頼み込んだことから始まり、仰天内容の真田武道講習は4時間ほど続いた。真田講師は基本を教えないで真っ先に難しい技ばっかり叩き込まれた。できなかったら怒るし、その怒りっぷりといったらぽっぺを膨らましながらわーわ、わめくし。ひどくねぇ?と、思ったのだが、そのおかげで一つだけ技を覚えることができた、しかもカウンター系・・・どこで使えばいいのか見当もつかない。
「もー体力ないな~。よーし少し休憩、お疲れ様。二人とも!」
真田はいつもの黒いジャージで額の汗を拭き、ボカリを飲んでいた。
静かな時が流れる中、俺と涼介は風の当たる階段付近に腰を下ろした。さすがの涼介もなれないことをすると俺と同じぐらいの体力なるんだな~と感心しつつ俺は涼介に話しかけた。
「疲れたなぁ~涼介」
「そうだな~」
(私は、まんざらでもないけど・・・)
「ん?なんか言ったか?響子」
「な、なんでもない!」
俺は驚きの表情をとった。
「お前まんざらじゃないって・・・・・怪物か!」
「そういう意味じゃない!」
その後も講師は続く。立花の店番も終わり太陽が海に沈みかけ、町全体が橙色になった頃。
「店番終わったし、私も武術したいな」
「お前にできるのかよ・・・・俺たちでもキツかったのに」
「私だってやれ―」
イヤァァァァアアアッ!
突然、町から悲鳴が上がる。な、なんだ?と思い俺たちは慌てて町の方へ走り出した。
町を見入ると俺は、自分の目を疑った。そこは火の海だった。家は焼け、ほとんどの建物が倒壊し、町は泣き叫ぶ人々で溢れ、空には魑魅魍魎たちが飛んでいた。俺はふと気づいた。
「親父?かあさん?」
待ってくれよ。俺たちの町がまるでガソリンを撒き散らしたようにメラメラと激しく燃え盛っているじゃないか、シャレになんねーよ・・・みんな無事なのか?
―やめろ、隆也!死ぬぞ!
「うぁッ!」
気づいたら俺の顔に火の粉が当たるぐらいまで近づき、涼介にとめられていた。どうやら独りでに俺は歩きだして炎の中へ飛び込もうとしていたみたいだ。呼吸がしにくい・・・肺が焼けそうだ、前が霞むほどに目も乾く。
そして、真田は・・・。
「おかあさん!おとうさん!」
声を枯らし、泣きじゃくりながら必死に涼介の手を振り払おうとしていた。
俺も涼介を手伝って暴れる真田を階段の上まで抱え上げた。これがかなり危険。持ち上げていてもパワーは尋常ではない。振り回す拳が鼻に当たった時は鼻血が出で涙も出るから前も見にくかった。
やっとの思いで真田を落ち着かせ、境内に居た立花と合流し神社のお堂入った。数分経ってやっと真田は泣きべそを掻くぐらいまでに落ち着いたが、みんな自分で精一杯だった。
「それにしても、あの飛んでる化け物なんだよ!」
涼介が空を指差し叫んでいた。
「知らん!それは俺が聞きたい」
俺もそんなこと考えている余裕がなかった。燃え盛る町、その上を飛び回る怪物。もう何がなんだか・・・・あれ?冷静になれ俺、おかしくないか?町は火の海なのに何故ここには攻撃して来ないんだ?何かがひっかかる・・・それに似ている、あの悪夢と・・・
「もしかして・・・」
突然、立花が小言をつぶやくと、涼介が喰いついた。
「もしかしてってなんだよ!?立花」
声を荒げながら涼介は風花の肩を掴み睨み付けている。
「いや、ただの思い過ごしだったみたい」
そう立花が言うと、涼介は深呼吸して
「ちょっと出てくる」
突発的にそんなことを言い残し、お堂の外へ出て行ってしまった。
追いかけないと。外は何があるかわからない、すぐに俺と立花は涼介を追いけるため外へでようと支度していると、真田は小さな声で。
「私は・・・残る」
ここに真田一人残して行くのは少し気がかりだがいまは、お馬鹿な涼介を探すのが優先だ。ここに入ればすぐに飛んでこれるからな。
「わかった、何かあったら連絡しろよ!」
「うん」
そして、立花、涼介、俺の三人は辰見神社の周りを探すことにした。
数分後、俺は境内を拠点に涼介を捜していた。
―ガザッ
草むらに何かいる気配がした。俺はおそる、おそる―金時―を構え草むらに力いっぱい振り下ろした。
「バカ。俺だよ!」
涼介は、俺の一太刀を白刃取り (しらはどり)をしながら叫んでいた。
「す、すまん。そこに誰かいると思って振り下ろしたらお前が・・・」
すぐに俺は、―金時―を涼介から除けた。
そんなことをしていると、空から何か飛んでくる。
「誰か来たぞ。早くこっちにこい」
とっさに俺と涼介は、草むらに身を潜めた。隠れなくてよかったのだが、つい反射で隠れた。
「探したぞ。」
目の前には、2mぐらいの魑魅魍魎の1匹が何かと話をしている。
「・・・お前らか・・・町を焼いたのは」
その声は、怒りを交えながらそう言った。
「いやー探すのがめんどうでさぁ、思わず燃やしちゃった」
一瞬飛び出しそうになった俺を、涼介が俺の手を掴む。その掴まれたところはみるみる白くなっていき涼介は首を横へ振った。俺は思い留まり、また息を潜め様子をうかがうことにした。
俺も少し篤くなりすぎた。冷静に考える必要もないほどに力差は、はっきりしていたと思えるぐらい強そうな肉体と、その体を小さく見せるほどの蝙蝠のような大翼。だがその容姿は人のような姿をしていた。
そうしている間にも話が進行していた。そして、もうひとつの声はさらに声を荒げる。
「そんなことのために町を焼いたのか!」
化け物は道化師のように高らかに笑いながら、謝り始める。
「そんなに怒らないでよ、今日は君を迎えに来たんだ。それにこんな人間など居ても邪魔なだけだからさぁ~」
「人間・・・舐めるなよーッ!」
涼介がいつの間にか怪物に竹刀を向けていた。その顔はまさに俺がいままでに見たことのない顔をしている。すると化け物はまるで小さい生物をさげすむように見て笑っていた。
「・・・なんだ人間。邪魔をしようと言うのか?」
「黙れ!くそが!」
「ククック、そんなに死にたいか・・・なら殺してあげましょう」
それは刹那のできごとだった。まばたきした時にはすでに涼介は近くの木に倒れ、頭からは血がたらっとと流れていた。
俺は、本能のままに化け物に切りかかったが、化け物は余裕綽々の表情を浮かべながら避けられ、頭を掴まれてしまった。痛い・・・頭が割れる、でも・・・。
「・・・俺は、お前を許さない・・・そんなことのために・・・みんなを殺したのかぁ!」
「あんなゴミ(人間)、居なくていいだろう?あんなものに生きる価値などないね!」
化け物は笑みを浮かべながら、俺を宙に投げ飛ばし落ち際を狙ってとび蹴りを浴びせられた。俺はそのままお堂の壁をぶち抜き中までへ蹴り飛ばされた。
「・・・ハァ・・・ハァ。こりゃ肋骨の1本ぐらい・・・折れたかな・・・」
痛いとかそういうレベルじゃない。真田のボディブローなどかわいいぐらいに感じる激痛だか、これでもあの化け物は全然本気じゃなかったのだろうな多分。笑ってたし。まぁ、こっちも竹刀で防御することができて、ダメージは少ないはずなんだが。と竹刀をよく見ると・・・中から1本の護身刀が入っていた。すぐに鞘から刀を抜いたが、刀身は真っ二つに折れてしまってとても使い物にならなっていた。そりゃそうか、多分親父は錘代わりにしか入れてなかったと思う、その証拠に刀身に刃はなかった。
体は満身創痍、意識も朦朧としている中・・・
「だ、大丈夫?神崎くん」
心配そうに真田がハイハイで近づいてきて、話しかけてきた。
そんなわけないだろと言いたいが、そんな余裕はこれっぽちもなかった。真田は続けるように語り掛けてくる。
「ねぇ、早く逃げよ。神崎くん、ここにいたら危ないよ!」
俺と涼介はまともに動けない状態。風花はいないし、真田しか動けない今、俺の出した答えは・・・
「・・・わりぃな真田。俺は涼介を助けに行く・・・」
フラフラの体で立ち上がろうとするが・・・・立ち上がれない。
「ふらふらじゃない。ほら、私におぶさって」
情けなくも俺は、真田の背中におぶさった。正直これでいいのか?友を捨てて・・・自分だけ逃げてもいいのか・・・
「おや?何処へ行くのかね?」
―ヤバい
まさに絶体絶命。目の前には陽気に笑いながら化け物がお堂の扉へもたれていた。
―危ない!
俺はそのまま再びお堂の中に投げ捨てられた。すぐ前を見ると真田はいろんな技駆使し戦っていた。
正拳突きなど拳を主軸に必死で戦うが、化け物はビクともしない。しかも欠伸までしている始末・・・
「そろそろ飽きたなぁ・・・」
化け物は真田の後ろ回し蹴りを受け止め、そのまま足を掴み地面し叩き付けた。
「・・・いや・・・離せ、この・・・」
だか、化け物は暴虐をやめない。まるで人形を弄ぶ子供のように真田の足を持ちながら右へ左へ叩きつけていた。もう見てられない。
「やめろぉ・・・」
俺は、必死に声を出し、手を伸ばすが、やつには聞こえてないみたいだ。
声を出すごとに口の中がほんのりと鉄の味がする。
意識も、もうろうとするし、目もかすむ。
体の震えが止まらない・・・
・・・怖い。この現実から全力で逃げたい・・・
けど。助けたい・・・例えこの身がブッ壊れようとも、自分の目に見える範囲だけでも『守りたい』。どんなにダサくてもいい、どんなに惨めでもいい・・・漫画の主人公みたいになりたくもない。また友達と楽しく笑えればいい・・・そのために今俺がやれることはただ一つ・・・。
―友を守るために 戦うこと!
「その心意気。ふっ、気に入った。『守る力』を貸してやるよ」
どこかで聞いた声が頭の中で聞こえてくる。その声は、青年って感じの声。何かすごく安心する・・・あ、思い出した。あの化け物と話していた奴と同じ声。
どうすればいいんだ?俺は、心の中で聞き返す。
「時間がおしい。とりあえず、辰の棚を探して開けてくれ」
えっと、辰の棚?どっかで聞いたような・・・自然に背中の壁に右手が当たった。
後ろには、一番上が見えないほどの大きな棚があった。多分これが【辰の棚】だろう・・・手の辺りには、暗くてよく見えないが確かに龍の模様がある。
これか?龍の模様があるが・・・とりあえず聞いてみた。
「それだ。えっと・・・確か右から・・・」
そんなことをしているうちに、化け物がこっちに気づいた。
「おやおや?そっちは何か楽しそうな会話やってるね、僕も混ぜてよ」
真田をいたぶるのに飽きたのか化け物がこちらに近づいてくる。
まずい、今攻撃されたら・・・一貫の終わりだ。
「右から二番目の下から・・・何処だったか・・・」
そんなことをしている内に化け物との距離は明らかに攻撃される間合いへ入っていた。
「何を探してるのかは知らないけどこれで終わりだよ!」
今度こそ殺られる・・・・もうヤケだ!。俺はダメもとで、右手の傍にあった小さな棚を引き抜き、化け物へぶつけた。
化け物の攻撃で棚の木箱は粉々に砕け、出てきたものは・・・
柄(持つ所)は古い包帯にぐるぐる巻まかれ、金時より少し重い。そして鞘もかなりボロボロだが、化け物の攻撃にビクともしない。こんなに丈夫なのか?
「ふっ。これはまた、悪運だけはいいみたいだな」
クスッと【奴】は少し笑う。だが俺にはそんな余裕はない、化け物の攻撃を止めるだけで精一杯だ。
「そんなこと言っている場合じゃ・・・ない・・・だろ」
たとえ頑丈な盾があろうと盾を使う者がその力に耐え切れなかったらどうしようもない。まさに、いまその状況である。だが今、持っているのは盾ではない、見た目はボロボロでもれっきとした刀なんだ。
俺は、刀を抜こうとするが・・・抜けない。何故だ。確か、鞘を持ちながら柄を引けば抜刀できるはずなのに。
「鍔ごと抜け!」
頭の中に【奴】の声がする。俺は言われるがまま刀を抜いた瞬間。まるで栓でもされていたように銀色に輝く炎が噴き出し、俺の全身を包み込んだ。多少びっくりしたが、熱くはない。むしろ暖かくて、俺に元気をくれる力が湧きあがるやさしい炎だ。それと同時に刀身にも炎は灯って、まるで体の一部のようになっている。
化け物は、驚き後ろへ跳び距離を取り、気を失っている真田を掴みあげた。
「あひゃッ!こいつがどうなってもいいのか?小僧ッ!」
「真田を・・・返せぇぇ!」
俺は、咆哮するように叫び、迅速に距離を詰める。敵だって馬鹿じゃない。化け物は俺の顔をめがけ、拳撃を放つ。いままでの比ではない本気の拳が俺の顔面に直撃する。なぜだろうか全然痛くない・・・むしろ化け物の拳から血のような黒い液体が出ているみたい。だが吹っ飛ぶことには変わりはない。
うまく体を左足で踏み止め、同時に右足を踏み出し、化け物の突き出した腕を下から上へ斬り飛ばす。そのまま刀を頭の上から化け物の頭部を目掛け刀を振り下ろし、一刀両断した。化け物は最後にニヤりと笑い、煙のように消えた。
俺はすぐに刀を鞘へ納めて腰に差し、真田へ駆け寄り助け起こす。
「おいッ!しっかりしろ!真田ッ」
起こした真田の顔も体も、俺よりボロボロでこんなに弱ってる彼女を見るのは初めて見た
。
「・・・ん?どうしたの?そんな・・・泣き・・・そうな顔・・・して」
気を失っていた真田が目を覚ました。でもその声に元気はなく今にも消えてしまいそうな声だった・・・
「そ、そうか?」
確かに俺は、そんな顔をしているかもしれない。町はもう焼け野原かもしないし、多分両親が死んでいるかもしれない。そして今にも真田が死んでしまいそうだったから・・・
「と、とにかくここから出よう。涼介と立花が心配だし、またいつ襲われるかわからないからな。ほら」
俺は真田を起こし、背中を向けしゃがむ。彼女も何をしたらいいのかはわかっていると思うが照れくさそうに躊躇っているみたい。
「真田。気持ちはわかるけど、そろそろ俺も限界なんだ。だから、早くしてくれ・・・」
流石に察してくれたのか少し恥ずかしながらも彼女は俺の背中に身をまかせてくれた。肋骨が痛いが今はそれど頃じゃない。今すぐここから離れなくては・・・そして、出ようとした時・・・
「放せッ!このッ!」
叫ぶ涼介の声が聞こえてきた。
慌てて俺は真田を背負いお堂を脱出し声のした方向へ走り出す。
そこには、立花と涼介が化け物に捕まり、空を飛んでいる。立花は気を失ってるように、顔は下を向き、涼介はすごく暴れていた。
涼介は元気そうなのだが、立花が心配だ。本当に気絶してるだけとは限らないからな。
「放せ・・・」
だ、駄目だ。声が枯れて化け物には聞こえてないみたい。諦めかけたその時・・・
―一閃!
声が聞こえたと思えば、森から出てきた黒い影が一つ。一直線に化け物の方へ跳び、涼介を捕まえている化け物を速くて見えないほど攻撃を放つ。涼介を捕まえている化け物を刹那に倒し、化け物から落ちた涼介を肩かけ、そのまま立花を捕まえている化け物へ攻撃をしたように見えたが、届かず落ちてくる。そして、まるで猫みたいに俺の目の前にふわりと着地した。
その人の容姿はボロそうな布にかなり使い古された靴。顔はうまくフード状に隠していた。
左腰の日本刀は柄を包帯で巻いている。
後ろの腰には180㎝はあるような大きな刀を背負っていた。
すると、フードの奴は涼介を肩から地面へ降ろし、突然俺に話しかけてきた。
「おい!何ボサっとしてる、さっさと仲間連れてお堂へ連れていけ。足手まといだ。」
正直気にくわないが、真田を背負うのもままならない状態、この人の言う通り今は涼介たちをお堂へ避難させた方がいいか。
「行くぞ。涼介」
「いてて、待ってくれよ隆也」
涼介の後ろから化け物が追ってきそうだったが、フードのやつが大きな刀で全てなぎ払っていたおかげで、無事、俺たちはお堂へ入ることができた・・・・
「涼介、大丈夫か?」
「ああ、体はギスギスしてるけどお前らほどじゃないよ」
「そうか、ならいいんだが」
真田をお堂の隅に降ろしたと同時に、急に立ちくらみがして目の前が真っ暗になった。
真っ暗な場所から急に明るくなって周りは一面真っ白になった。
ここは何処だ・・・なぜ俺は・・・そうか死んだのか俺は・・・。
ゆっくりと立ち上がると目の前には突然、大きな扉が現れた。
その扉を開けることは容易く開けた先にはどこかで見たような少女が立っていた。
とりあえず話しかけて見ようか。ここが何所だか、わかるかもしれない。
「あの~すみません」
「はい、言わなくても存じております。ここは私の世界、誰の干渉も受けない私だけの世界、そしてあなた様は私の客人。今日はあなたにお願いがありここへお連れした次第でございます。」
「はぁ・・・よくはわからないが、つまり俺にお願いがあってここに連れてきたってことか?」
「はい、そうです。時間がないので単刀直入に申し上げます」
[どうか、【彼】を助けてあげて下さい]
彼女がそう言った瞬間、すごい力で後ろへ引っ張られた。
「待ってくれ!どういう意味だそれは!」