根元を切る
掲載日:2026/01/24
1
私は、どこにも行けない。
体が動かないのだ。
同じところで景色が移ろうのを、じっと眺めているだけ。
上で飛ぶものが見える。
羨ましい。
私も自由に動ける体だったら……。
大きい音を立てて、なにかがやってくる。
私よりも何十倍、体が大きい。
逃げられない。
どうしよう。
見つかった。
足を、切られーーーー。
2
空き地の除草を依頼された。
現場に行ってみると、雑草が伸び放題だ。
早く作業を終わらせよう。
大きな雑草が目に入った。
手強そうな奴だ。
根元から切るか。
3
蝉が賑やかに鳴く真夏。
時刻は午前七時。
すでに空気は熱を湿気を孕んでいる。
上空で鳥が飛んで行く。
空き地の近くに、一台の車が駐車した。
六十代の男性から車から降りる。
後ろの座席から、草刈り機を取り出した。
雑草だらけの空き地を見て、早速作業に取り掛かる。
大きい雑草を見つけ、根元を切った。




