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特技媚びる!の 底辺無能おっさんは1000年後の未来で自分の元奴隷に会うが……えっ?どういう事??  作者: バナナ男さん


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51 名案

「またお目当ての本を一冊見つけたんだ。今度はどの街に行った話なんだろうな?俺は謎解きのためとはいえ、ラルフの本の魅力に取り憑かれちまったよ。

食い物の話はアレンジして神王に作ってやってるんだ。

何も言わねぇけど、多分完食してっから気に入ってると思うぜ〜?」


《……っ!!そ、そうか!良くやった!!……じゃなくて……ゴホンゴホンっ!──そうですか。このまま頑張りましょう。》


「????あ、あぁ。」


キラッ!と、雀の人の目の奥が輝いた様な気がするのは気のせいか??

突然食いついてきた雀の人を訝しげに見たが、雀の人はさり気なく視線を外してくる。


変なヤツ〜。まぁ、雀だし。


俺は雀の人から視線を逸らし、手元にあるラルフの本を見つめ、早速それを開く。

すると────……そこには『これが最後の本になる』という見出しが書かれていた。


「最後……? この本が……ラルフの最後の本??」


なんとなくショックを受けながら、震える手でページを読み進めていくと、前半はラルフの人生。

そして後半は……そもそも人々の何が間違っていたのかが、ツラツラと懺悔の様に書かれていた。

いつものラルフらしくない内容に驚いたが、読み続ける。


『貧困、身分、差別、才能、見た目……人と人の境界を分けるものは沢山あるが、それこそが一番恐ろしいモノを生み出すモノだった。』


『今ある世界を壊すモノは、身近にある。

そのスイッチを押した時点でこの世界は終わってしまった。

人が創り出した全ての『モノ』が、この世界を奴隷にしてしまったのだ。

『人』は神様の奴隷になった。

つまり所有物になったと言う事。

役に立たなきゃ捨てられる、役に立っても使うだけ使って壊される。

それを神様に教えたのは『人』だった。』


『もう『人』に未来はない。

一生奴隷として生き、奴隷として消える。 

これが正しい世界にしたのは、神ではなく『人』だ。 

ただ、その配役が変わったのが、今の世界ってだけ。』


中々笑えない言葉が続き、とうとう最後のページを捲った時……ヒュッ!と喉を詰まらせた。


『そのスイッチを最初に押したのは<レイケル>だ。

最初に断罪された罪深き人間とやらは、苦しみもがいて死んでいったらしいが……もしも時が戻るなら、真っ先に行ってぶん殴ってやるからな!!このクズ野郎!!』


余りの衝撃に頭が真っ白になってしまい、呆然としてしまった。


「レ、レイケル……?────えっ?ルザイン家っていうお貴族様の……俺を殺したクソ野郎じゃねぇか……。

こいつ、一体何したんだよ……。

ラルフの話じゃ医術界隈では有名な貴族で、噂では奴隷や浮浪者を攫って人体実験してただのなんだの言ってたけどさ……。

────まさか、神王を地獄に落とした人って……レイケル??」


フッ!とそう思いついたが、直ぐに首を横に振る。


どうやらその人物は俺にそっくりらしいので却下。

レイケルと俺は一切似てなかったから。

なら、神王の怒りに触れる別の何かをレイケルがしたという事か……。


もう一度ラルフの本を読み直したが、それ以外の情報は手に入らなかった。


雀の人に聞けば────……。


そう考えて口を開きかけると、直ぐに俺の頭の中に警告が鳴り響いたため聞けず……また謎は増えてしまった様だ。


「あ〜!!もう、どうなってんだよ〜。わけわからん!!」


どうにもできないジレンマにバタバタとベッドの上で暴れたが、結局何もいい考えは浮かばない。

はぁ……とため息をついて、今の現状について考えてみることにした。


なんだかんだでもうココに来て数ヶ月。

神王に酷い扱いをされたのは初日だけで、態度はだんだんと普通のモノになっていった。

対して、執事や侍女達の態度は急降下し続け、まだまだ底が見えない状況だ。


「…………。」


俺は無言でベッドの上に置かれている枕を手に取ると、直ぐに頭の中に声が聞こえた。


《警告!枕の右上部に5cm程の毒針が隠されています。使用すれば死にます。》


洒落にならないイタズラに、思わずニッコリと笑みを溢す。


最初はちょっと困るくらいのイタズラは、徐々に殺傷性が増し、最近では本気で命を狙うモノへと変わった。


俺のスキルがなかったら、とっくにお陀仏だぞ!


全く!!と怒りながら枕を部屋の隅に置いてやると、そのままゴロンといつもの硬い床に転がり、ブツブツとたらふく文句を垂れる。

しかしその瞬間、良い考えが浮かび、ポンッと手を叩いた。


「そうか!執事達に神王の事を聞けばよくね?

あいつら神王に心酔しているっぽいから、ちょっと聞けばペラペラ神王の事を喋るんじゃね〜かな?

もしかしたら何かヒントになる様な事言うかも!

────よし、明日思い切って聞いてみるか。」


名案を思いついた俺は、そのままご機嫌で眠りにつく。


それが『終わり』をもたらすとも知らずに……。



◇◇◇◇

「あの〜……おはようございます〜……。いつも朝早くからありがとうございますぅ〜……。」


朝も早くから、ノックなしでバンッ!と大きな音を立てて入ってくる執事や侍女達数名が、俺を完全に無視して冷たい水が入った洗面器をミニテーブルに叩きつける様に置く。

そしてサッサッ!とお部屋の掃除をしてくれるのは有り難いが……埃は全て俺に掛かる様に調整されて掃かれる!


────ハックシュンッ!


毎朝恒例の埃によるクシャミをすると、そこら中から鼻で笑う様な音が……。


こ、こんにゃろ〜……。


ヒュードの時とは違う陰湿めいた虐めに、不満をブチブチ(心の中で)漏らしながら、意を決して話を振った。



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