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特技媚びる!の 底辺無能おっさんは1000年後の未来で自分の元奴隷に会うが……えっ?どういう事??  作者: バナナ男さん


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39 ざまあみろ〜

初めて見る形の細長いテーブルは、白く輝くお高そうな石で作られていてピカピカ。

100mくらいある??という程長く、一番端のパッと目立つ場所に背もたれが高い王様の席の様な椅子がおいてある。


そのままその王様椅子がある場所まで連れて行かれると、ちょうどそこから斜めに位置する背もたれが低い別の椅子に叩きつけられる様に落され、無理やり座らされた。


「〜〜っ!!!」


お尻の地味な痛みに耐えている間に、神王はすぐ斜め前にある背もたれの高い椅子にドカッと座ると、椅子に付いている手すりの様な場所に肘を置き、ひたすら俺を睨む。


「…………。」


睨まれた俺は、ただ静かに黙る事しかできずに、血の気が引いた白い顔で下を向くしかできなかった。


恨んでいる男にそっくりな俺。

一体どうやってこんなおっかなくて強い神王様を地獄に落とした??


下を向いていると、まるで槍で貫かれている様な視線を感じる。

とりあえず力無き俺は、媚びて媚びて媚びて……どうにか開放してもらうしかない。


「あ、あの〜……。もしや俺如きに施しを与えて下さるのでしょうか〜?ありがたき幸せでございます。

────で、でも、申し訳なさすぎるので、俺、地べたに座りますね。

なんなら神王様がお食事を終えるまで、そこで土下座しているので────……。」


「────そのまま座ってろ。」


神王の命令を耳に入れただけなのに、俺の身体は一瞬で固まってしまい、息ができなくなった。


な……なんだ……これ……?


「……っ……!ぁっ…………っ!!?」


「……あぁ、そうか。」


神王がボソッと呟くと、突然息が出来る様になって、俺は息を思いきり吸い込み、咳き込んでしまう。


「っ!!ゲホッ!!ゴホッ!!……はぁっ!はぁっ!!!」


「少々力加減を間違えてしまった。『人』は本当に弱いな。」


こ、声を聞くだけで……?


喉を押さえて苦しそうにする俺を、やはり無表情に睨みつける神王。

ガタガタ震えながら、その視線に耐えていると、突然どこからか美味しそうな料理の匂いが匂ってきたため、そちらの方へ意識が向いた。


「おまたせいたしました。」


なんと執事さん達が沢山のお皿を持ってテーブルへとやってきたため、俺は『しめた!』と心の中で指を鳴らす。


腹が減ってる時、人はイライラするモノ。

逆を言えば、腹が満たされていればご機嫌になるはずだ。

神王の腹が満たされご機嫌になったら、またゴマすりを開始して開放してもらおう。

汗をダラダラ垂らしながらそう目論見、神王の前に置かれた料理を目にした瞬間────目が点になってしまった。


ボロボロの屑肉を焼いてご飯と炒めたモノ。

そして添えられているのは、羽虫の唐揚げにちょっと苦みが気になる雑草サラダだ。


こ、これが神王のご飯???


あまりにもこの城に似合わぬみすぼらしい料理に、大きく首を傾げた。


1000年前の貧民のスタンダード食事というか……まぁ、俺としては馴染みがあり過ぎる料理達で、つい一週間前まで食べていた料理達だ。


富裕層の食べ物……はあり得ないよなぁ……?


この一週間で食べた料理達を思い出しても、このレベルは少なくとも普通の平民達は食べてなかったので、勿論それ以上の裕福な層は食べてないと思われる。

理由が分からず困惑している間に、俺の前にも同じモノが運ばれ、ジッとそれを見下ろすと……屑肉から独特の臭みが漂ってきたので、それがモンスターの肉という事も分かった。


《この時代の人々の食生活は、過去の世界とほとんど変わりませんね。

モンスターの肉を食べるのは平民と呼ばれている階級の人々だけで、上の身分の者達はモンスターの肉を不浄なモノと捉えている者達が多いです。》


雀の人の言っていた言葉をフッと思い出し、益々混乱していると、突然神王がその料理が乗っている皿を持ち────……。


……ボト……ボトボトボト〜!


なんと、その料理を机の上にぶち撒けた!


や、やっぱりお気に召さなかったんだ!!


誰が作ったかは知らないが、その人が不敬で殺される!と、青ざめていると……続いて神王は俺の前に置かれた皿まで同じ様にヒックリ返して中身をぶち撒ける。


「…………。」


突然机の上に直に盛られた炒めご飯を見下ろし呆然としていると、神王は無表情で俺を睨んだ。


────あ、なるほど〜。これは嫌がらせか。


クソほどヒュード達にされてきた虐めの数々。

その中には、こんな感じでご飯をぶち撒け、犬の様に食えというモノもあった。

恐らくは、それと同様なモノだと思われる。


チラッと周りに立っている執事や侍女達の様子を伺うと、皆シラ〜としていて反応がない事からも間違いない。


「……フッ。」


心の中で神王の程度の低いイジメをあざ笑う。


所詮はお金持ちの考えるイジメ。

こんなモノ、下僕生活ベテランの俺に通用などしない。


俺は目の前に山盛りになっているご馳走へと視線を戻し、ゴクリと喉を鳴らすと────そのまま手づかみでご飯を食べる、食べる、食べる!!


食える者は全て食う。

俺みたいな孤児上がりの貧民は、食って消化できるなら全てご馳走。

神王は俺に嫌がらせしたかったのだろうが……俺にとってこの扱いはVIP様扱いだ!


ざまぁ見ろ!!


心の中でへっ!と笑いながら、屑肉を口の中に入れた瞬間……それはバターの様に溶け、胃に優しい控えめな肉汁を出してくれる。

そしてその肉汁は一緒に炒めたご飯が吸い込み、塩がアクセントとなって最高のハーモニーを口の中で奏でた。


これは匠の技!


くぅ〜!と旨さに唸ると、そのままご飯の山を崩し、下の方にあるカリカリの焦げめのついたご飯の塊をほじくりだした。


これがご飯の炒め物の中で最も美味しい部分。

外はカリカリ、中は肉汁でジューシーでフワフワ。

確かな満足を与えてくれるその部分は、見つけ次第頂くのが俺流の食べ方だ。


そのままカリカリとその部分を齧ると、また新たな食感と旨味に口が大歓喜!

目を閉じてサクサクという音の余韻を楽しみながら、瞼に写るのはサンの笑顔。

これを教えてやった時、サンは嬉しそうにサクサクと食べて、真っ先に食べる様になった。


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