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薬術の魔女の旅行記録  作者: 月乃宮 夜見


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1/1

旅のはじまり


 最後の子供の葬式が、終わった。

 自身の(まと)う灰色の衣装と黒い花が、これは間違いなく葬式だったのだと嫌でも主張している。


「やっぱり寂しいよ」


肩を落とし涙を溢す薬術の魔女に、白いハンカチが差し出された。見上げると、夫である魔術師の男の憂いを帯びた顔がある。


「仕方の無い話です。生まれた者は、皆死ぬ運命。……()()()


そう、静かに彼が慰めの言葉を吐いた。泣いてはいないが、やはり彼でも思うことはあったのだろう。


「でも、みんな天寿を全うしてくれてよかった」


「そうですね。其の上、長寿の部類でしたし」


通常、寿命は150歳ほどだと言われている中、子供達は200歳近くまで生きた。十分だろう。


「……処で、私共は何時死ぬのですか?」

「え?」

「あ……いえ。何も」


何か不思議な圧を感じたので、魔術師の男は訊くのを止めた。「変な猫ちゃんー」と薬術の魔女は首を傾げるだけだ。


「きみも宮廷魔術師辞めちゃったし、暇になっちゃうね」


 葬式の会場から離れ、屋敷に戻った。魔術師の男が宮廷魔術師を辞めたのはもう100年ほど前の話だが、特に言える話題がなかったのだ。


「……成らば。国外へ旅にでも出ます?」

「旅?」


思わぬ提案に、薬術の魔女は顔を上げる。


「えぇ。私と貴女、共に縛るものは無くなりました。子も居なくなりましたし、古い知り合いも居ない」


「そうだね。旅、出てみよっか」


という事で、薬術の魔女と魔術師の男は旅に出ることにした。


短編のつもりで出したら連載になっていました。


せっかくなので、暇つぶしがてらに気が向いたら旅の話を書いてみようと思います。

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