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浦島少女18

おいしい〈ビュッフェ〉をお腹一杯いただいた私はホテルの部屋へと戻った。


ここ数日私が過ごしているのは政府が用意してくれた超一流ホテルのスイートルーム


最初は広くてどうにも落ち着かない部屋だと思っていたが


三日もすると完全に慣れてきて、ずっとこの部屋の住人のように振舞っていた


人間の適応能力というのは本当に恐ろしい、でもこんな贅沢に慣れてしまうと後が怖いけれど


まあしかし我が家に戻ればそれはそれでまた慣れてくるのだろ〈住めば都〉とはよくいったモノだ。


「少し汗をかいちゃったし、お風呂でも入ろうかな……」

 

この部屋の最大の贅沢がこのお風呂かもしれない、室内に設置されているお風呂は


展望露天風呂の様な作りになっていて中は広々としており〈素晴らしい〉の一言である。


まるでお姫様にでもなった様な気分だが、確か本当のお姫様って入浴の際にもお付きの人が何人もいるのだよね?


女の人とはいえ何人もの人に裸を見られながら入浴ってどうなのだろうか?


多分それも慣れなのだろうけれど、お付きの人に〈姫の胸、小っちゃ⁉〉


とか思われ心の中で笑われていたらと思うと、リラックスしてお風呂に浸かっていられない


やっぱりお風呂に入るなら一人でのんびりと入りたいと思うよね、庶民万歳‼

 

そんなアリもしない想像をしながら服を脱いでいると、突然〈ドンドン〉と部屋のドアを激しく叩く音がした。


「何、何なの⁉」

 

脱いだ服を胸に抱きしめ何事かと思い身を竦めていると、外から大きな声が聞こえてきた。


「大変だ、新庄、入るぞ‼」


「えっ、ちょ、ちょっと待って……」

 

私も一応女の子なのでこの部屋には一人で過ごしているが、


万が一の為にフェイさんと佐山君にはすぐに駆け付けられるように部屋のマスターキーが渡されている


緊急の際にはいつでも二人が入って来られるようにしてあるのだ。


初日、二日目はいつ入って来るかわからないという気持ちもあり


入浴や着替えの際には万全の態勢で警戒していたのだが、三日目ともなるとそんな事は完全に頭から抜け落ち


普段通りの無謀時状態であった、そして今の私は全ての服を脱ぎ捨てた全裸姿である。


「ど、ど、ど、どうしよう……」

 

もう時期に佐山君はこの部屋に入って来るだろう、となると今私が取れる対策は二つ。

 

一つは、急いで下着を着け直し、見られたくない箇所を隠す


だがこの選択はかなりのハイリスクハイリターンである


もし下着を着けている最中に佐山君が入ってきたら、全て見られてしまうからだ。

 

そしてもう一つの方法は脱いだ服を抱きしめ大事な所だけを隠すという選択


しかしこの方法は大事な部分、つまり胸や局部は隠せてもそれ以外は見放題という出血大サービス


お尻や体のラインというモノを包み隠さず佐山君に見られるのだ


私がモデル張りの抜群のスタイルを誇っているのならばそれを機に〈佐山君を悩殺〉


というルートもあるのだろうが、残念ながらその様な立派なモノは持ち合わせていない


万が一佐山君に見られて〈何それ?変なもの見せるなよ……〉とか言われたら自殺モノである。


「入るぞ、新庄、大変な事が起こった、君の……」

 

遂に入って来てしまった、慌てた様子で駆け込んできたその瞬間


私と彼はガッツリ目と目が合いお互いに固まってしまった


何故なら私が取った選択は先程述べたどちらでもなく、考

えうる限り最悪の選択


〈何もしないまま動けなかった〉なのである。

 

私は一糸まとわぬ素っ裸で彼の目の前で立ちすくんでいた、


もちろんどこも隠せてはいない見られた、完全に見られてしまった。


どうやら向こうもパニックを起こしている様で、佐山君の顔が見る見るうちに赤くなり、言葉を失っている。


私もどうしていいのかわからない、私の口は〈アワアワ〉という謎の言葉を発している


恥ずかしすぎて涙が溢れ出て来る、もう消えたいよ……

 

私の涙を見て我に返った佐山君は慌てて顔を逸らし、すかさず頭を上げた。


「ゴメン、新庄、その……本当にすまない‼」

 

ここで謝られても、どう返していいのかわからない。そもそも緊急時には部屋に入って来ても良い事になっていたのだ。


最初の取り決めではドアのノック時に、入って来てはダメな時は


〈入ってはダメ〉と伝える事になっていた、それを忘れ無防備で裸になっていた私が悪いのだ


そうとわかっていても言葉が出てこない、そして涙が止まらない


こんなあられもない姿をさらしておいて、もう佐山君の顔をまともに見られない、もうお嫁にいけない……

 

震えながら服を抱きしめへたり込んでいる私にフェイさんが優しく毛布を掛けてくれた。


「大丈夫ですか?葵様、さあ、早くお召し物を……我々は外に出ていますから……」

 

私は言葉を発することが出来なかった、部屋を出て行くフェイさんと佐山君をチラリと見た時


フェイさんが佐山君をもの凄い目で睨んでいた。違うのです、佐山君は悪くない全部私が悪いのです……

 

服を着た後、しばらく心の整理をしてから二人に合う事にした。


自分で気合を入れる様に両手で自分の頬を叩き、自分自身に言い聞かせる。


「めげるな、葵、頑張れ、女バス魂だ‼」

 

バスケ部時代を思い出し自分を叱咤激励してみた。少女漫画でもこういうパターンはたまにあるが


さすがに下着止まりであり、全裸を見られたヒロインという作品は記憶に無い。


少年漫画や男性向けのラノベではこういうのを〈ラッキースケベ〉というらしいが


私の全裸姿を見せられた佐山君は、ラッキーどころか、災難だったのでないだろうか?

 

しかしそんな事を佐山君に聞くわけにはいかないので、この件は未解決事件としてお蔵入りが確定である


できれば私と佐山君の記憶から速やかに消えてくれるとありがたい。


「お待たせしました……」

 

申し訳なさげに部屋を出る私、まるで謝罪会見に臨む芸能人のようである。


佐山君は私を見ることなく反対側に視線を向けていた


だが耳が真っ赤になっているのを見て再び恥ずかしさが込み上げて来る、もう勘弁してください……


「大丈夫ですか、葵様?」


こんな時、本当にフェイさんは優しい、この人の言葉に心が癒されていくのがわかる


それがメリーシア様のモノだとわかっていても、である。


「うん、何とか……で、何があったの、佐山君?」

 

今迄恥ずかしそうに顔を背けていた佐山君が、思い出したかのようにこちらに振り向くと、真剣な顔で話しかけてきた。


「今、大変な事が起きている、え~っと……口で説明するよりも、テレビを見てくれ、その方が早い‼」

 

テレビ?何だろうか、フェイさんが落ち着いているという事は、ガレリアが出たという訳ではない様だが……

 

私は何気なく部屋に備えつけてある大きなテレビを付けると、そこには驚くべきモノが映っていたのである。


頑張って毎日投稿する予定です。少しでも〈面白い〉〈続きが読みたい〉と思ってくれたならブックマーク登録と本編の下の方にある☆☆☆☆☆から評価を入れていただけると嬉しいです、ものすごく励みになります、よろしくお願いします。

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