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リボンチャンネル4

作者: チミー

目に留めていただき有り難うございます。

これはゲームの実況グループのお話です。

もちろんゲームを知らなくても楽しめます!

どうぞ読んでみてくださいね♪

「リボンちゃんは皆好きなの。リボンちゃんの振りをしないで。」

夏美の声で教室の中がシーンとした。

私、水野あきだよ。

実はリボン村の村長の村長なんだ♪

実は学校の人にリボンだってことがバレてしまったんだ。

「私、本物だよ。」

私の声が教室に響く。

「そうだよ。あきちゃんリボン村の人たちと一緒にスターゲームをやってたもん。」

親友のみさきちゃんも言い返してくれる。

「でも、調子乗ってたのはムカつくし、リボンちゃんなら普通にバラしたりしないわ。」

「調子になんて乗ってないよ。」

泣きそうになる。

本物なのに。

夏美は帰ってしまった。

「どうしよう。」

今は私の部屋でリボン村の人たちと会議中。

ネットのリボン村掲示板でも色々と囁かれている。

「リボンちゃんって調子乗っていたのか。ひどいな。」

「面白くないくせに偉そうに言ってるんだな。」

なんて悪口や嫌な噂もいっぱいだ。

「リボンちゃんは面白いよ。なんでそんなこと言うの。」

というファンたちの温かい言葉もあるけれど。

「ごめんなさい。バレただけでもいけないのに、炎上しちゃって。」

涙声でみんなに謝る。

「リボンさんのせいじゃないと思います。」

ティナさんが言ってくれる。

「そうですね。確かに気づいてもそっとしておいてくれなかった親友の方もひどいですし、偽物呼ばわりしたクラスメイトの夏美さんはもっとひどいと思います。」

ニコさんも怒って言う。

「なんとかしないといけませんね。」

ラテさんが言う。

「脱退。」

ボソッと言ったラベルさんをココさんが一瞬ギロッと睨んだ。

でもすぐに笑顔になって、

「脱退は考えられませんね。」

と、抗議してくれている。

「うーん。やっぱり動画で謝ったほうがいいのかな。」

なっぎー (私の隣のおうちの幼馴染の渚くん。実は私は渚くんのことが好きなんだ。) が言う。

「それは絶対にダメだよ。謝ったと言うことは自分が悪いと認めたと言うこと。そうやって受け止める人がいっぱいいるんだ。」

ラテさんがアドバイスをくれる。

みんなが一生懸命に考えてくれている。

私のために。

それが最高に嬉しい。

でも、

「私は本当にここに居てもいいのかな。みんなの身の安全を守るにも私は脱退したほうがいいんじゃないのかな。」

「それはダメです。」

大きな声を出したのはココさんだ。

いつもは大人しいココさんがハッキリと言ってみんなびっくりしている。

「こんなことになったのはひどい奴らのせいなのに。どうして優しいリボンさんが脱退しなくちゃいけないんですか。」

ココさんが私を抱きしめてくれる。

「確かに。村長のリボンさんが抜けたらリボン村じゃなくなるぞ。」

ラベルさんの一言に、

「リボンさんが抜けるなら私も抜けさせてもらいますよ!」

ココさんが泣きそうになる。

「なあ。今みたいにリボン村の人たちはみんなリボンさんが大好きです。みたいな動画を作ればいいんじゃないのか?」

ラベルさんが提案をする。

「確かに。そういう動画だったら謝っているわけでもないし。」

なっぎーも賛成をする。

「じゃあさっきの抱きしめたところも撮っておけば良かったかも。」

ココさんが言う。

クスッ。

と言う笑い声にみんながラテさんの方を見る。

ラテさんの手にはカメラ。

「僕が撮ったよ。」

「うわあ。これで動画を作れるよ。」

なっぎーが言うと、

「これでリボンさんへのアンチを収められますね。」

ココさんが泣きそうな顔で言う。

みんなは動画作成のために渚くんのうちへ行った。

どんな動画になるのかな。

一週間後。

「いよいよですね。」

ココさんが言う。

「ああ。」

なっぎーが疲れたように笑う。

「この動画はね、1番年上のなっぎーさんとラテさんが中心となって作ったんです。」

ラベルさんが説明する。

「特になっぎーさんはリボンちゃんのために頑張るぞ!って張り切っていましたね。」

と、ティナさんがいたずらっ子ぽく笑う。

実はね私が渚くんのことを好きだと言うことをティナさんだけに言ったんだ。

そのかわりティナさんがラテさんのことが好きだってことを教えてもらったんだ。

そして、動画が始まる。


「今回は実況ではなくお知らせです!僕が入っているリボン村の人たちとコラボをしました!」

なっぎーが嬉しそうに言う。

見ると、みんなが画面に現れた。

「こんにちは。リボン村のココです。リボン村の村長のリボンさんを知っていますか?」

「こんにちは。リボン村のラベルです。最近リボンさんの噂が広がっているのを知っていますか?」

「こんにちは。リボン村のラテです。リボンさんの悪い噂は全部嘘です!本当のリボンさんはとても優しくて頼りになる村長さんです。」

ラテさんは微笑を浮かべる。

「こんにちは。リボン村のティナです。実は私声が出なくてタブレットの読み上げ機能を使って話しているんですけれど、リボンさんはそんな私のことを軽べつしないである大切な秘密を教えてくれました。」

「こんにちは。リボン村のニコです。ティナさんの秘密をとても知りたいです。では、リボンさんとの映像をご覧ください。」

ニコさんが言って画像が出てくる。

リボン村がグループ結成した時の写真、みんなで会議をしている写真、みんなでスターゲームをしている写真。

そしてココさんが私に抱きついている写真で終わった。


動画が終わると自然とパチパチと拍手をした。

みんなもしている。

「再生回数を見てみて。」

ラテさんにそう言われて再生回数の場所を見る。

たった1日前なのにもう18万回再生いっている。

「わあ。みんなありがとう。」

嬉しくて涙が溢れてきてしまう。

コメント欄を見ると、

「リボンちゃんがひどいのかと思ったけど違くて安心。」

「この動画でリボン村を知りました。これから推したいです。」

「リボンちゃんの推しをしていてよかった。」

「リボンちゃん大好き。」

「リボン村の人もすごく優しいですね。」

などの嬉しいコメントがいっぱいあった。

「じゃあ、遊びに行きますか。」

ココさんが笑って言う。

「賛成です。」

私も言う。

「チェリーランドにでも遊びに行く?」

ラテさんが言った。

「はい!行きましょう。」

ティナさんも乗り気で頷く。

「来週なら良いぞ。」

「なっぎーさんも賛成ですか?」

ニコさんが驚いたように言う。

「俺も行きたいです。ニコさんは行きたくないんですか?」

ニヤニヤしながらラベルさんが言う。

「僕も行きたくないなんて言ってませんよ。」

顔を赤くしてニコさんが反応した。

「じゃあ、来週の土曜日に行こうか。」

ラテさんがまとめてくれた。

次の週の土曜日。

お弁当を持ってチェリーランドに来た。

今日はからっと晴れている。

入道雲が夏らしく浮かんでいる。

家を出たら渚くんが居た。

今日の服は白いワンピースに麦わら帽子。

「服、似合っているよ。」

渚くんが囁くようにしていってくれる。

ドクン。

心臓が飛び跳ねる。

渚くんの服は白いTシャツに青いジーパン。

「渚くんも服似合っているよ。」

私は微笑んで言った。

ゴトンゴトンと電車が揺れている。

混んでいるから渚くんに抱きつくような形で立っている。

ジーと視線を感じて視線の先を見ると、可愛らしい数人の女の子がいた。

私と同じぐらいの歳だろうか。

渚くんの方を見て、

「あの子、カッコいいね。」

「芸能人かな?」

「きゃっ。ラッキー。」

などとささやき合っている。

チャエリーランドに行くとみんなが居た。

みんなで写真を撮ったり、ポップコーンを買ったりした後、渚くんとラテさん先頭で歩き始めた。

メリーゴーランド、ジェットコースター、コーヒーカップを楽しんだ後にお化け屋敷に行こうと言うことになった。

「私は遠慮しておきます。」

電信音が言う。

「じゃあ、僕も休もうかな。l

ラテさんが言う。

あれ?もしかして…。

「ラテさんお化け屋敷苦手なんですか?」

ラベルさんがニヤニヤして言う。

「そう言うの良くないですよ。人の好き嫌いはそれぞれ違いますから。」

淡々とした感じで電子音が言う。

「ティナさん。ありがとう。」

ラテさんが呟く。

なんかいい感じ!

「恋が実るといいね。」

私はティナさんに囁く。

それからみんなでお化け屋敷に向かった。

『骸骨診療所』

そう書いてある看板がかかっている建物の前で私達は立ち止まった。

このお化け屋敷は骸骨に乗っ取られた診療所から抜け出すと言う設定だ。

「みんな、行こうか。」

渚くんの声にみんなが歩き始める。

順番が来て、二人組に別れた。

私は渚くんと一緒。

ドックンと心臓の鼓動が速くなる。

暗いジトジトしている道を少し通っていくと看板が見えた。

『もし、骸骨に会ったらどうする?

1、諦める。

2、戦う。

3、逃げる。』

「ひっ。」

私が小さく悲鳴をあげると、

「3にしよう?」

渚くんが笑って言ってくれた。

小さく頷いて3と書かれたドアを潜った。

少し歩いていくと、コツン、コツンと後ろを誰かが歩く音が聞こえた。

後ろを振り向くとそこには…骸骨!

「きゃあ。」

小さく悲鳴をあげると渚くんが私をぎゅっと抱きしめてくれた。

目の前を見ると行き止まりになっていた。

視界に飛び込んでくる骸骨。

どうしよう。

「あきちゃんを傷けるな!」

カツン。

音がして前を見ると私を庇うように前に立っている渚くんが近くにあった偽物の骨を掴んで骸骨の腕を止めている。

ドクン。

と、心臓が飛び跳ねる。

渚くんが私のために戦おうとしてくれている。

と、その時。

スタッフ用のドアからお姉さんが出てきた。

「すみません。戦うのところに出るはずの骸骨がこっちと間違えて出てきてしまったみたいなんです。」

ペコペコと頭を下げてお姉さんは骸骨と一緒のドアの向こうへ消えた。

「良かった。」

ほっとしたように渚くんは笑う。

「うん。」

私も笑った。

その後も、しっかりと追いかける骸骨が追いかけてきたが人間だと知った今、全然怖くなかった。

お化け屋敷を出るとみんなが居た。

「遅かったね。心配したよ。」

ラテさんが言う。

「ごめんな。実は…。」

渚くんはさっきのことを説明した。(もちろん私を抱きしめたことは除いて。)

「と言うことがあったんだ。」

渚くんが言ったあとみんなが笑った。

「あのお化け屋敷って消える人たちが多いみたいですよ。よかった。帰ってきてくれて。」

と、ココさんは泣きそうになっている。

お姉さんは戦うところに出るはずの骸骨って言ってたけれど、もし、諦めるところに出てくるはずの骸骨だったら…。

私は背筋が寒くなった。

「あとは、観覧車に乗りましょう。夕焼けの眺めは絶景らしいですよ。」

ティナさんが言う。

「いや、俺は疲れたからいいです。」

ニコさんが言うとティナさんとラテさんと私と渚くん以外のみんなが頷いた。

「じゃあ行こうか。」

ラテさんが言う。

「そういえばこの遊園地の観覧車の頂上で告白すると付き合えると言う噂があるらしいですよ。」

私達は歩き始めた。

観覧車には人がいっぱい並んでいる。

私達の番になった時はもう太陽が傾き始めていた。

四人が観覧車に乗ろうとした時。

「俺、あきちゃんと二人で乗っていい?」

渚くんが言った。

もしかして…。

ティナさんが教えてくれたことを思い出す。

「わあ。きれい。」

観覧車が上がっていくにつれ空の色がピンクへ、黄金へ変わっていく。

「こう言うあっという間に暗くなる時間帯のことをマジックアワーって言うんだよ。」

「へえ。」

渚くんは物知りだ。

頂上に来た。

「俺、実はあきちゃんのことが好きなんだ。付き合ってください。」

太陽が山の沈む直前の、黄金の光が差す。

沈みそうな太陽をバックにして、渚くんは私に告白してくれた。

「私も渚くんのことが好き。よろしくね。渚くん。」

山に沈んだ太陽の破片がキラリと光った。

観覧車を降りるとラテさんとティナさんが手を繋いで観覧車から降りてきた。

うまく行ったんだな。

私は悟った。

「リボンさん!」

ティナさんが私に駆け寄る。

私は驚く。

ティナさんの声が元に戻っている。

私は嬉しくて泣きそうになってしまった。

「声が元に戻りました!ありがとうございます。」

ティナさんの声は美しく、鈴を鳴らすようなきれいな声だった。

そして、ティナさんの笑顔は眩しかった。

渚くんとラテさんは二人で仲良く喋っている。

私とティナさんはベンチに座ってティナさんが告白された時のことを教えてもらった。


私はティナだよ。

リボンさんとなっぎーさんが観覧車に乗った。

「僕たちも乗ろうか。」

ラテさんに言われて頷く。

今はラテさんと一緒に観覧車の中にいる。

ドキドキ。

「ティナさん。」

ラテさんが急に言う。

あたりを見ると頂上へ近づいていた。

「僕、今まで勝利さえあればなんでもいいと思ってた。」

でも、ラテさんが続ける。

「僕、ティナさんと一緒にいて気づいたんだ。」

うつむいていたラテさんが顔を上げる。

「僕はティナさんが好きです。付き合ってください。」

琥珀色の目には真剣な光がある。

「私、」

気づいたら口に出していた。

「ラテさんのことが好き。よろしくね。」

そういうとラテさんはほっとしたように笑顔を浮かべた。

いつもの微笑じゃなくて、優しさが満ちているような笑顔だった。

私もほほえみ返す。

黄金の光が差す中、私達は笑い合った。


気づくとみんなが居た。

「よかった。どちらとも告白が成功したんだ。」

ニコさんが言う。

「え。知ってたの?」

ラテさんが驚く。

「気づいちゃいました。」

てへ、とココさんが笑う。

「みんなで、2カップル誕生のお知らせの動画でも作ろう?」

ティナさんが聞く。

「賛成〜!」

私達はそう言って笑い合った。


読んでいただき有り難うございました。

番外編も作るので楽しみに待っていてください!

チミーは何作か作っていますので読んでみてください。

コメントと評価待っています♪


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