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 第十九話 屋台


「んー! 美味しいわー!」


 モミはめっちゃしあわせそうだ。僕は学んだ、遺跡とか寺院とかなんとなく好きだけど、そうじゃない人からしたら退屈でしかないんだと。

 相手に合わせるのも大事だな、モミの笑顔は僕もしあわせだ。

 それに僕は気づいた。こいつは食べてるときは暴走しにくい事に。動物かよ。


 拝殿を出てまっしぐらに串焼きの屋台に来た。早く焼けそうなのを幾つか頼み僕らは食べている。鶏皮、牛串を頂いて、やきとん、とりももを焼いてもらってる。ここは焼き置きしないみたいで、その場で焼いている。炭火でめっちゃ美味しい!


「モミ! もつ系は好きか?」


「もちろんよ! 肉系で苦手なものはないわ! ちなみに虫は勘弁して、昔、遭難したときにしこたま食べたから苦手なの」


 相変わらず、異次元から切りつけてくる。そんな事聞いてないわ。


 エルフって肉も食べるし虫も食べるのか。それともモミだからか? ここは突っ込みたくない。僕も虫は苦手だし、食べるところを想像したくない。


「遭難ってなにしてたんだ?」


「あたしってエルフじゃない。小さいときは森に住んでたんだけど、森って方向感覚くるうから、気を抜くと遭難するのよ」


 エルフも意外に大変なんだな。


「おっちゃん、とりハツ二つと、やげん二つと、ぼんじり二つ! ちなみに、ホルモンはなんなの?」


 僕は適当にオーダーする。


「牛です」


 焼いてるおっさんが答える。乳をチラ見するけど、しょうが無いだろう。僕でもそうするからな。


「じゃ、ホルモン四つねー!」


 屋台にしては種類が多い。それもその筈、隣では肉を図り売りで売ってる。大きな氷の上に様々な肉が乗ってる。今日は、焼き肉にしよう! 串が焼けるまでの間にさっさと買った。牛のホルモンと色んな肉、豚いろいろ、鶏ももなど、結構買い込んだ。ホルモンは劣化しないボックスにいれ、後はサリーの家に届けるように頼んだ。家の場所は簡単に通じた。有名らしい。


 焼けた串を貰ってお金を払って、僕たちは移動した。


 つぎは、フルーツジュースを買う。氷のテーブルの上にピッチャーが乗ってる形で、カラフルでとっても美味しそうだ。しかもグラスもストローも魔法の氷で飲み終わったら消えるらしい。僕はベリーのジュース、モミはオレンジジュースを買う。串もだけどジュースも僕がお金を払った。ジュースは思った以上に高かった。


 僕らは噴水のふちに座る。暑いのでマントは脱いでしまった。たまにかかる飛沫が気持ちいい。


「んー美味しい! 特にこのコリコリしたやつ気に入った!」


 モミはやげんが気に入ったらしい。串もジュースもとても美味しく、僕は特にホルモンが気に入った。ジュースを回し飲みもした。少し恥ずかしいけど、女子っぽい。


 僕達は、ジロジロ通行人に見られる。目立ってるらしい。


 次はジェラートの屋台があったので食べる。これは氷で冷やしてるみたいだ。僕はバニラ、モミはベリーを頼んだ。とってもうまい。


 その後、結構人が多いので、モミと僕は手を繋いで、色々買い物した。モミの帽子、僕はお面を三つと、砂時計を二つ。


 結構高額なものが多い。聖都から来た行商人が多いからだとモミは言っていた。


 デートみたいな時間を過ごし、チャンスはやって来た。


「あっ、あれかわいい!」


 モミが僕の手を離して、床に布をひいて商品を並べてるアクセサリー屋さんの方に駆けていく。


 そして膝に両手をついてこちらにお尻を向けた体勢になる。好機っ!


「グラビティ・ゼロ」


 少し後ろに下がり助走をとって、スピードが乗ったところで重力を解放する。両手を合わせ、人差し指と中指を伸ばし後は握る。しゃがみ込み、全ての体重を四本の指にかける。足をつかって蹴りあがる。アッパーは足で打て! 師の教えが頭をよぎる


「死にさらせ! モミー!!!」


 僕の指がモミのお尻に吸い込まれる!


 確かな感触!


 った!


 読んでいただきありがとうございます。


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