表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

80/485

 第十六話 淑女


「マリーちゃん、パンツ丸見えよー」 


 サリーはかがんで僕のパンツを見てる。どういうことだろうか? 女の子が女の子のパンツ見て、なにが楽しいのか?


「そうだ、マリーはガードが緩すぎる」


 アナ、お前には言われたくないわ。


「マリーちゃんは、私たちのなかで一番可愛い。気をつけないと攫われる。私だったら見た瞬間攫う」


 モモさんが口を拭いて言う。


「そうだな。マリー、お前もう少し女の子らしい作法を身に付けろ」


 重ね重ね、アナには言われたくない。


「アナ、お前だってあんまり変わらんと思うぞ」


 僕はじと目でアナをみる。


「私は騎士だからいいんだ。それに、食事のマナーは学んでる。なにか無作法なとこ不自然なとこあったか?」


 僕は言葉につまる。確かに、アナの食事の仕方は綺麗だった。サリーもモモさんも。


「マリー。まずは股を閉じろ! あと、脇もしめる!」


 アナが僕のとこに来て、姿勢の矯正をする。僕の目の前でかがむので、胸の膨らみが見える。おっぱい小さい人の必殺攻撃だ! 僕はたまらず目をそらす。


 あ、サリーが怖い顔で僕を見てる。


「あとは、話し方も。私達の前以外では、もっと女の子らしくしようか。いちおう聖女だしな」


 それから、小一時間ほど、僕の女子力アップ教育は続いた……拷問だ…




 そのあと、僕と牛男はモミと買い物、3人娘は依頼を受けにギルドへ行くことになった。


 3人は、日帰りで報酬のいい討伐依頼を受ける予定らしい。装備はギルドに預けているそうで普段着だ。


 3人を見送り、僕はモミの部屋へ向かう。牛男は外で待ってる。さすがに牛男を見たら驚くだろうと、牛男が気を遣い、僕がモミに牛男の事を話すまで、付かず離れず見守って貰うことになった。


 ピンポーン!


 僕はモミの部屋のチャイムを鳴らす。


「はーい、誰ー? 開いてるわよー」


 相変わらず無防備な奴だ。


 部屋に入ると、ソファに寝転がってたモミが跳ね起きた。


「マリー! 心配したのよ!」


「ごめん、どうしても急いで行かないといけない用事があって、何も言わずにごめんなさい」


「大丈夫ならいいわ。冒険者ってすぐ居なくなるから……」


 モミがしんなりしている。こういう空気は苦手だ。


「そうだ、私のカボチャパンツを顔につけた裸の男に会ったんだって?」


 むー、私って使い慣れないから、言いにくい。けど、女の子らしく女の子らしく。


「そうよ聞いてよ!」


 モミはひとしきりクレイジー仮面のことをまくしたてる。やたらロンギヌスの事ばっかり話すのは止めて欲しい。


「多分、その人にもやむを得ない事情があったんじゃないかしら」


 『かしら』って言葉始めて使いました!そういえば実生活で聞いた事がないな。


「モミー! そんな事よりも、買い物行く約束したでしょ!」


「わかったわ」


 モミは満面の笑みで僕の手を取って歩き出した。どんだけ買い物好きなのかよ。


 やばい! コイツもかわいい!


 この後、僕たちはシティモールで買い物をして、今日は町の中央の公園でちょっとしたバザーをしてるらしいので、そこに行く事にした。


 モミが僕の右手を握って引っ張っている。なんか、デートみたいだな。そういえば、なんで女の子同士ってよく手を繋いでるんだろう。まあ、男同士でそんな事してるのはあまり見たくないが。


「モミー、なんで僕達、手を繋いでるのかしら?」


「そりゃ、気持ちいいからに決まってるでしょ。あんた自分の手を握ってみたら。プニプニしてて最高よ。それにあんたのような超絶美少女連れてたら目立つでしょ! いい男寄ってくるかもしれないじゃない! 言うなればあんたは荷物持ち兼、あたしのアクセサリーよ!」


 ああよかった。なんか安心する。ブレずにクソだな。


 僕はモミの手をキュッと握ると微笑んだ。



 読んでいただきありがとうございます。


 みやびからのお願いです。「面白かった」「続きが気になる」などと思っていただけたら、広告の下の☆☆☆☆☆の評価や、ブックマークの登録をお願いします。


 とっても執筆の励みになりますので、よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ